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記憶にございません

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 未解体のモンスターはキッチンで解体はできないので、ヒカリ達の超部屋にある作業場所へ行く。事情を説明し指示された場所へピンがモンスターをポンポン出していく。

「…トシ……まって……」
「……ミリヤでも……わかります……」
「……なんじゃ……この化け物共は……」

 ピンが6体のモンスターを出したらこんな反応だ。こいつら全部1発で倒したはずだから全く記憶にない。

「…この1体だけなんとか解体できるかも?」
「そうなのか?ここのやつ全部ワンパンだったから記憶にないんだよな」
「…チャイコとミーコの非にならない、あれから解体スキルも上がったけど、まだ無理」
「ミリヤは手伝いもできません」
「角と皮、骨の加工はできる気がしないでもないのじゃが……解体は別枠じゃ……」

 なぜか解体と加工のスキルは別で角の加工はできるけどモンスターから角を取ろうとしても取れないらしい。
 無理に引っ込むけないこともないのだが鮮度というか強度というか色々下がってしまうとヒカリが言っていた。なので俺は倒したモンスターはそのまま収納しているのだが……

「その1体以外は収納して今日はその黄色っぽいの食うか!」
「はーいです!」
「ピン収納もできるのか?!」
「できるです!」

 黄色っぽいモンスター以外ピンが次々に収納していく。

 本当にただのお手伝いって感じだが、持ち上げたり引っ繰り返したり……なんとか4人で、実質ヒカリだが……解体が終わった。

「…ピン、さっきの小さめの一本角出して」
「白いやつです?」
「…そう」
「はいです!」
「…やっぱり」
「ヒカリ?どうした?」
「…今の解体でまたスキル上がった、今ならこれもできると思う、でも体力の限界」
「無理に今やらなくていいから!そのうち時間ある時に頼む」
「…解体できるのにできない……ジレンマが」
「気持ちは何となくわかるが今はやめとけって、みんな汗かいたしこっちの風呂にもお湯張ってくるよ」

 黄色のやつの肉を適当にカオル達に預けお風呂の準備だ、合流が遅くなったメンバーはまだ入れてないし、お風呂は何回入ってもいい!むしろ風呂で生活してもいいくらいだ!

「あれ?アオ何やってんだ?」
「……お手伝い失敗、反省中」
「そうか……えっと、何しちゃったんだ?」
「……味見で全部食べちゃった」

 キッチンに来たら端で体育座りしてるアオが、味見で全部食べちゃったか……

「カオル笑って許してくれたけど、反省中」
「アオがお手伝いしたいって言うからスープの味見してもらったんだけどね」
「アオ、失敗はしてもいいんだ、次に同じ失敗をしないように頑張ればな」
「うん、ありがと」
「でも急にどしたんだ?出会ってからお手伝いなんかまったくしないで食っちゃ寝してたのに?」
「みんながんばってたから、アオもがんばる」
「そっかそっか、これから色々覚えていこうな」
「うん」

 凄い変化だな、アオのできる事を一緒に探してあげないと。アオは可愛い物が好きだから今度ヒカリに預けてみるかな。

「トシはどうしたの?なにかリクエストでもできた?」
「さっき言ったカツ丼以外はお任せで、そういえば生姜焼きっぽい料理食ったんだけど肉がステーキみたいなやつだったんだよ、今度普通の生姜焼き頼む」
「そういえばやってなかったね、今度やるよ」
「あと……ピン出してくれ」
「はいです!」

 テーブルの上に肉を出して……

「これ記憶にないんだがピンがマジックバックの中でおすすめらしい」
「これまた……最初だからバーベキューみたいな感じで外でいいんだよね?」
「外で好きにって感じで、カツ丼は旅の途中でなんか急に食べたくなったから外だけど頼む」
「了解よ」
「他のメンバーはどうしたんだ?」
「食材の準備と外の準備で行ったり来たり、ヤエ達はイチゴがないとかなんとかでエマルに行ってる、すぐ戻るはずよ」
「ほーい、アオ連れてっていいか?」
「いいよー、アオまたお手伝いお願いね」
「つぎ、がんばる!」

 早くお風呂の準備をしないと!料理中の匂いで腹がやばい!急いでアオを連れて浴場へ向かう。
 
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