契約スキルで嫁沢山！-男少女多な異世界を正常なる世界へ-

Hi-104

文字の大きさ

大中小

382 / 559

ノアの焦り

しおりを挟む

　ルナ達に突っ込まれ正気に戻ったノアだが次々に魚を注文していく、お店？ギルド？に迷惑にならない限界まで買い溜めするみたいだ。

「ここにあるだけじゃ足りないね……全部くださいって冗談じゃなかったのか」
「ノア？あまり目立つとさ？」
「新鮮な魚ですよ？買える時に買っておかないと」
「こんなに買っても鮮度は大丈夫かい？サリアは遠い上に一度ジルベルに寄るんだろ？」
「問題ありません、これはまだ言えないのですが、鮮度を保つマジックバックの実験も兼ねているので」
「なに！そんな物ができたのか！？」
「実験段階なので公表はされていませんが、サリア、エマル、リュノーの共同開発で進んでいます」

　え？俺のマジックバックの話じゃなくて？……本当の話なのかな？

「トシ様？本当ですよ」
「イーヒとヒカリが実験でって……聞いてなかった？」
「忘れたのか聞いてなかったのか……半々だな」
「もう！トシはまったく！」

　ちびっ子4人がいい目をしている。トキ？兄をそんな目で見てはいけませんよ？

「足りない分はちょっと待ってくれ、出航までには間に合わせる！」
「わかりました、他の場所から集めて貰えるなら買いに行くのはまずいですね」
「出航まで3時間あるのか……どうする？他になにかあるか？」
「特にないわね……名物名産とかあるかしら？」
「んー１，２時間でってなると……釣りがお勧めだが雨だしな……ああ、あそこならいいかな？」
「なにかあったか？」
「海晶石って知ってるか？近くに海晶石で作った食器なんか扱ってる店があるんだが行ってみるか？」

　なんでも海の中にできる魔力溜まりが固形化して取れる珍しい石らしい、綺麗な透き通った青い結晶で別に食器がしょっぱいとかではないとの事だ。

　お店は歩いてすぐの場所だった。店頭のウィンドウに並んだガラス細工のような食器に目を奪われる。

「綺麗だな……青と言っても物によっては随分違うな」
「深い青から、水色のような薄い青……どれも素敵ですね……」
「トシお兄ちゃん！ドラえ〇んがいる！」
「はぁ？！トキ？何言ってるんだ？」

　トキに手を引かれ店内に入り、並んでいる商品を見ると……うん、小さいドラえ〇んだな。

「なんていうか……そのままだな」
「うん！このドラえ〇んの人形すごいね！綺麗なドラえ〇ん！」
「こらこら、元が汚いみたいに言わないの」
「はーい！」

　店内で騒いでしまっているが店員はいないのか？これがあるって事はほぼ間違いなく迷い人のはずだが……

「……これはハ〇か……よくできている……ただの丸に目を付けただけじゃなく耳が開いた状態を再現するとは…やるな」
「なにを感心してるのです？」
「フィアこれはな、たぶん〇〇のハ〇だ、そんな気がする」
「いらっしゃいませー！」
「勝手にすみません、こちらの商品はあなたが？」
「そうですよー」

　エプロン姿のまだ10代位の……あれ？獣人じゃない？

「ヒューマンの方ですか？」
「そうですよーお兄さん方もヒューマンみたいだね、カンプの町に観光？」
「そんな感じです、このドラえ〇んとかは大丈夫なんですか？」
「……お兄さん達も迷い人？」
「俺はそうですね」
「それはリスペクトしてるだけでドラえ〇んじゃない」
「リスペクトし過ぎ！違いが解らない！」
「これだから初心者は……」
「こっちはハ〇にアンパン〇ン？これはちょっと青くて気持ち悪いな」
「アンパン〇ン気持ち悪いとか言うな！」
「認めたな？」
「誘導尋問とは……」
「まぁこんなとこでどうこう言うつもりはないですが、もしアンパン〇ンの作者さんが転生したら困るのでリスペクトし過ぎは止めた方がいいですよ」
「そうですね……もし転生されたら言い訳できない」
「作る分には問題ないのでは？販売がまずいのであって」

　そこらへんは良く解らない、特に異世界の著作権なんて……

「それでお兄さん達はどうしたの？」
「船の出航まで時間ができたのでお勧めを聞いたらここを紹介されてね」
「ウェルさんの紹介？」
「そうです、お知合いですか？」
「この町にいてウェルさんを知らない人はいないよ、領主より有名だしね」

　他愛もない話をしながら過ごしていたが店員さんが急に……

「あのさ？迷い人ならちょっと聞きたい事があるんだけど」
「はい？どうしました？」
「ソレスタ「ストップ！！」」
「ノア？どうした？」
「あなた……それをご主人様に聞きますか？」
「……だって……迷い人じゃないと……」
「私が答えますのでご主人様は席を外して貰えますか？」
「席を外すと言っても……ギルド戻ってるな」
「すみません……後から向かいますので」

　ノアがかなり焦っていた、話したくない事の一つや二つあって当然だがあの焦り方は気になるな、ルナとトキも一緒にギルドに戻るみたいなので先にギルドへ……

しおりを挟む