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いったいどこから……

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 覚悟を決めギルドに入ると、そこは異様な空気が広がっていた。

 「こんばんわ……」
 「きたぞーーー!!!!!」
 「「「おぉおおおお!!!!!」」」
 「みんな準備はいいか!?」
 「「「おぉおおお!!!!!」」」

  ノリについていけない、6人用テーブルの9個全て埋まっており、立ったままコップを持つ人も多数、近所のファミレス並みに広いのに……もしかして乾杯待ち?俺達が来るのを待ってたのか?来る時間も決めてないのに?

  全員にコップが配られ酒を注がれる、俺以外のメンバーはジュースの様だがこの歓迎ムードはなんなんだろう?

 「それじゃー!かんぱーい!」
 「「「かんぱーい!!!!」」」

  おふぅ……この酒かなりきつい、昔飲んだ泡盛に近いか?でも乾杯でゴクゴク飲む酒じゃないと思う。

  乾杯が済むと次々と料理が運ばれてくる、魚料理がほとんどだが見た事ない料理も沢山あるぞ!テンション上がってきた!

 「それでウェル?この宴会はなに?」
 「ん?一応トシ達の歓迎会?まぁ飲む口実があればいつでも宴会だ!」
 「ありがとな、待たせたみたいでごめん」
 「時間を決めてなかったんだ、先に初めても良かったんだが我慢した方が酒は美味くなるからな!」

  確かに我慢した方が美味い!初めて会う人達も何故か料理を持って挨拶に来る、トキ、ユキナは餌付けされている雛がごとく色々食べさせてもらっている。

 「美味い!これなんだろ……肝?肝の刺身?」
 「ん?それはフグの肝だな」
 「フグ!?毒あるじゃないか!」
 「はぁ?魔法で当然消しているぞ?」
 「……ごめん……先入観でフグの肝はダメって思ってしまった」
 「気にするな、毒消しの魔法が使えなかったら食べられないしな、それにしても……」
 「ん?どうした?」
 「トシは素直に謝るな、男でそんなにすぐ自分の非を詫びる奴なんて初めてだぞ!」
 「そうか?男でも女でも悪かったら謝るのは当然だろ?」
 「「「……」」」

  俺達の会話を聞いていた周りの人達まで固まった……普通の事だろ?

 「その普通の事ができる奴がほとんどいない……流石ミヤコ様の……この言い方は失礼だな、さすがトシ殿だな!」
 「ラグナもアルもしっかりしてるよな?やっぱり普通の事だろ?」
 「二人の嫁を思い出しなさい、成人前からフィリアが教育係なのよ?」
 「そっか……それにミヤコ姉ちゃんも教育に関わってるんだもんな……」

  当然か、あの二人が幼少から教育係として傍にいたら、曲がった性格だったとしても真っ直ぐになるな、真っ直ぐにならないような奴は何年も一緒にいられないはずだ。

 「それにしてもこんな美味い物で宴会してたら金は平気か?自分らの分位は出すぞ?」
 「問題ない!問題ない!酒以外はほとんど自給自足だしな!」
 「自給自足?!野菜なんかも沢山あるだろ?」
 「ここにいる奴らの半分は冒険者兼農家だな、ここじゃ冒険者だけでは食っていけないからさ」
 「そうなのか?よくわからんが港町って依頼とか多そうなイメージがあるんだよな」
 「リュノーカンプ間はリュノー兵団の管轄でモンスター退治はそっちに行くからな、街中の簡単な依頼は初心者に優先させてるし、冒険者は魚取って来るか畑耕すかだな」

  他の町や国に行ったりしないのかな?生まれ故郷だからなのかな?みんな楽しそうに騒いでるしわざわざ聞く事じゃないかな?

 「こっちも聞きたいのだが!」
 「おう、答えれる事ならなんでもいいぞ」
 「ではさっそく!……ここを去った後の三鬼衆の話を聞かせてくれ!」


  姉ちゃん達の話と言っても、ラグナとアルを助けた話位しか知らないんだよな。
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