契約スキルで嫁沢山！-男少女多な異世界を正常なる世界へ-

やはり自称

　放心状態のウェルが立ち直るとめんどくさそうなので宿に逃げようとするが……

「まてまて！」
 「会計はリュノーのグレミオ宛でお願いします」
 「違う！そっちじゃない！ってグレミオ？グレミオ国王陛下？！」
 「たぶんそのグレミオで合ってる、よろしくー」
 「だから待てと！」
 「くそ！離せ！散歩に行くんだ！」
 「いくらでも案内してやるから少し待て！」

 　足にしがみ付くウェルを引き剥がそうとするがなかなか離れない、変に注目されるのは苦手なんだよ！

 「トシ諦めなさい」
 「ご主人様が蒔いた種なので収穫までしてあげてください」
 「……わかったよ……トキとユキナはもう頭が散歩になってるからノア頼んでいいか？」
 「……そうですね」
 「私が行くわ、ノアはトシをお願い」
 「わかりました」
 「絡まれてもなるべく殺しちゃだめだぞー」
 「「「はーい」」」
 「「「……」」」

 　自分を殺しに来る相手には手加減はいらない、しかしナンパ程度ではそうはいかない、なのでみんなには絡まれたら武器を抜かせる前に無力化を推奨している。

 「フィアも散歩行っていいぞ？」
 「あたしはもう少しここにいます」
 「そうか？」

 　仕方がないので二手に分かれ、ルナは宿のチェックインも済ませてくると言って出て行ってしまった。

 「えっとそれで何用ですか？」
 「急に冷たく……それでミヤコ様はなんと？」
 「戦いたいのか？って忘れなかったら近くに行ったら顔出すって言ってたよ」
 「おぉおおおお！！！！！みんな！！！宴の準備だ―――！！！！！」
 「「「おぉおおおおおお！！！！！！」」」
 「え？」

 　なんかやばい？上手く言えないがやばい空気だ……

「なんで急に宴なんだ？すぐに来るわけじゃないぞ？」
 「それでも！俺の事を覚えてくれていたんだぞ！これが飲まずいられるか！」
 「ライバルなんだよな？」
 「俺が一方的に慕ってる……あの強さに憧れてな……」

 　やっぱり自称が付いたか……でも姉ちゃんが覚えてるなら、かなり強いのか？俺と一緒で余計な事は忘れる方だからな。

 「あ！でも当分来れないかも」
 「何か理由があるのか？」
 「二人目出来たかもって言ってたな」
 「！！！本当か！それはめでたい！」

 　宴会は変わらない様だ、町の案内をやんわりと断り、夜に顔を出す約束をしてルナ達の元に向かう。あのままいたら昼から宴会……さすがに依頼の最中に昼から酒は遠慮したい。

 「元気な人達だったなー」
 「海の女って感じでしたね」
 「まだ肌寒いのに、ほとんど半裸だったもんな」
 「目線が泳いでいましたよ」
 「そりゃ泳ぐだろ？彼女でもない人が半裸で目の前にいたらさ」
 「///……そうですね///」
 「いつも結構じっくり見ますしね///」

 　その後すぐに合流で来たので、夕方まで屋台を巡り、初めての港町をゆっくり楽しんだ。

 「そろそろ6時ですがギルドに向かいますか？」
 「そうだなーなんだかんだで本当に昼代払ってないしな、後でグレミオに払ってもいいけど、ここで済ました方が面倒もないし、それに約束しちゃったからな……ギルドに行こう」
 「「「はーい」」」　


 　約束通りギルドに向かう、お店で出している料理はいつでもくれば食べれるし、珍しい漁師飯的な物を期待してギルドの門をくぐる……