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ギルドの特色

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 ある程度の大きさの町には必ずと言っていいほど冒険者ギルドと商業ギルドが存在している。逆にこの二つがないと、冒険者や商人の行き来がなく寂れてしまう。冒険者ギルドの本店というか発祥の地、大元は皇国ジルベルにあるそうだが、各ギルドは半分独立しているようなものでギルド長の裁量で決定できる部分も多く特色が出るのも面白い。サリアは一時期冒険者が減ってしまったがサリア復興に伴い日に日に冒険者が増えている、元々イアンがギルド長のせいか腕自慢が集まる傾向にあったのが更に強くなったと聞いた、ここのギルドと言えば……

「へいらっしゃい!」
 「魚屋か!」
 「いいツッコミ!ヒューマンだね!ここにヒューマンが来るなんて珍しいね!」
 「ヒューマンは珍しいのか?」
 「そうだね滅多に来ないよ、で今日はないんだい?いい魚入ってるよ!」
 「魚屋か!」
 「半分そうだな!なぜかみんな珍しい魚が獲れたりするとここに持ってくるからな!」

  まぁ遠目に見てわかっていた。ギルドの外に面している巨大な水槽の中には色んな種類の魚が泳いでいた。そして綺麗に並べられた魚達と値札……ギルド中には旨そうに刺身や煮物を頬張っている上半身ほぼ裸の冒険者達……腹減った……

「お兄……ユキナもお魚食べたい……」
 「トキも!おさしみー!」
 「いいわね、私も食べたいわ」
 「///……あたしも///」
 「えっとこれはどうやって注文するんですか?」
 「普通に話してくれよ!ちょっと待ってろ!」

  受付の元気なお姉さんはそれだけ言うといなくなってしまった。ノアは別の受付に書状を渡し話している。言われた通り少し待っていると。

 「待たせたな!こっちだ!」
 「ん?はい」

  ギルド内のテーブルではみんな飯を食べているが、どこで注文しているのだろう?キッチンらしきものは奥に見えているが、メニューなどは見当たらない。

 「えっと注文はどうするんだ?」
 「注文?ああ!持ち込みか、そこで魚買って自分で調理だ!」
 「みんな自分達で作ってるのか!?」
 「そうだ!壊したりしないかぎり使用料も取らないぞ!」
 「なるほど……」
 「カンプは初だろ?俺が捌いてやる、食いたい魚持ってこい!後で魚代は貰うがな!」
 「じゃーみんな、食べたいの持ってこいー」
 「「「はーい!」」」

  郷になんたらだ!でも魚の見た目で味はわからないからな……魚に迷っているとノアも戻ってくる。

 「話は聞こえていましたが……私がやりますよ?」
 「偶にはいいだろ、ノアも食べたいの選んできな」
 「わかりました。船は明日の朝に出発となります」
 「了解だ、魚の目利きなんてできないぞ……」
 「勘でいいのでは?」
 「そうだな……これだ!」

  みんな1匹づつ選んでお姉さんの所まで持っていく。トキさんや……大きすぎませんかい?

 「嬢ちゃんまたでっかいの持ってきたな!ってかよく持てるな!」
 「えへへへ///これが一番おいしそうだった!」


  可愛く照れているが両手で持たれた魚は笑えないぞ、周りの冒険者達もびっくりして手が止まっている……マグロか?マグロなのか?
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