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出発

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 日の出と共に出発……眠い目をこすりながらラグナ達に挨拶を……

「おい、ちゃんと起きてるか?」
 「……ん……おきてる……」
 「みんなは元気そうね」
 「「「///……///」」」
 「みんなトシを頼んだぞ」
 「あなた……逆よ、トシさんが護衛なのよ」
 「……みんな頼んだぞ」
 「「「はい」」」

  ラグナ達と別れリュノーから出発だが……頭が全然働かない……眠すぎだ……

「……それじゃ、行ってくる……何かあったらすぐに連絡な……」
 「もう何回も聞いていますよ、大丈夫ですからトシさんは馬車で少し寝てください」
 「そうだよー!留守は任せて!」
 「……任せた……おやすみ……」

  リュノーに転移し俺は……


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふぁ!ん!?どこだここ!」
 「やっと起きた、もうリュノーを出てから2時間は経っているわ」
 「すまん……」
 「ご主人様、グレミオ様からこちらを預かっております」
 「……グレミオも来てくれたのか……覚えてない……」
 「いえ、ルイーズが預かっておりました」
 「んと?おぉおお!豆!」
 「前回の試作品とは別の様です、意見を聞きたいので帰ったら連絡して欲しいとの事ですよ」
 「わかった!グレミオとは好みが似てるから期待できるな!」

  2時間も寝ていたのか、おかげでかなり楽になった!

 「あれ?他のみんなは?」
 「走ってますよ?」
 「トシ係以外はマラソンね」
 「今はルナが俺係?」
 「1時間交代でね、私は3番目」
 「そっかありがとな」

  荷台から御者席に移動してみんなに声を掛ける。

 「おはよー!いきなり寝てごめんなー!」
 「「「おはよー!」」」

  今回は御者として俺とノア、使者のフィアと護衛の黒ノ月、ルナ、トキ、ユキナだ、カエデはお留守番、あまり大人数で行くのはダメとラグナに言われたこともあり、6人での行動だ。

 「トシも起きたし軽く休憩する?」
 「そうですね、まだまだ遠いので一旦休憩しましょう」
 「みんなー!ちょっと休憩するよー!」
 「「「はーい!」」」

  まだ周囲には草原が広がっていて眺めがいい、コテージを出してもいいが今回はシートを敷いて景色を眺めながら軽く食事を取る事にした。

 「サリアと違って少し暖かいですね」
 「そうだな、雪ももう完全にないし、風も暖かく感じるな」
 「トシお兄ちゃん!これ食べれる?」
 「ん?んん?は?!」
 「トキが獲ったの!」
 「なぁ……これって……ラッキーラビットってやつ?」
 「待ってね……名前はそうなってるわ」

  生息場所は様々で至る所で報告は上がるが、探そうとすると見つける事は困難でしかも捕獲した例が数えるほどしかないと……聞いた事がある。

 「夕食で使いますか?」
 「そうだな……でも小さいし逃がすか?」

  トキの腕の中でキュイキュイ鳴いているが、まだ子供なのかな?普段モンスター相手には沸かないが、可愛いは正義……

「トキが決めていいぞー食べるか逃がすか」
 「んー!逃がす!可愛いは食べない!」
 「そっか、あっちの草原にでも行くだろ、放してあげな」
 「はーい!」

  トキがラッキーラビットを腕から解放してあげると。

 「キュイ?」
 「バイバーイ!」
 「キュイ……ペッ!」
 「……唾吐いた……」

  トキの足元に唾を吐いて物凄いスピードで草原に逃げて行った……

「あれ?トシ様?これ……」
 「フィア?トキまで?どうした?」
 「ウサギが唾吐いた中に……石みたいのある」
 「ん?……本当だ」

  小指の先ほどの大きさだが真っ赤な石みたいのがある……嫌がらせに唾吐いたと思ったが違った?小さな赤い石を手に取り水で軽く洗う。

 「ほれ、洗ったぞ……なんか綺麗だな……トキが持ってな、逃がしてあげたお礼だろ……たぶん」
 「きれー!トキが持ってていいの?」
 「帰ったらヒカリに頼んでアクセサリーにでもしてもらいな」
 「やったー!」


  良く解らないが綺麗に纏まった?嫌がらせに唾吐いただけだったらどうすっかな……
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