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2.推しが素晴らしすぎる
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ガタンゴトンと心地よい馬車の揺れの中、窓に視線を送る伏せがちの目にかかる睫毛が長すぎて、まるで神に作られし至高の存在のような推しをガン見してる元貴腐人のメイン攻略対象です。
あぁ…尊い…っ!!!
「ねぇ…何か僕の顔についてる?ずっと見てるじゃん」
「え?あ、可愛いなぁって」
「はぁ?!何言ってんの!今日、変だよ。学校行くのやめる?」
「それは(推しとの時間が減るから)困る…」
「無理しなくてもアルなら成績も単位も大丈夫じゃん」
心配そうな面持ちで推しが額に手を当ててきた。
ちょw俯瞰でみたいんだけど!!!
「…微熱っぽくない?」
ひぃ!きゃわいぃいいいいいい!
ますます体温が上がってますがアナタのせいですよ!間違いなく!!
だけど一緒にいれなくなるのは勿体無すぎるので
ここは普段通りに見えるよう、なりきりなんちゃらとWebに公開しまくったアル✖️ハー小説で経験値を死ぬほど詰んだアルフリートの口調と行動を意識して動かねば…!
「そんな顔しないで。大丈夫、ハーラルが心配してくれたから、ほら、もう元気だよ」
「もう…またそんな事言って…」
普段から歯の浮くようなセリフを言うキャラでよかったー!
可愛いだの褒めまくったって通常営業だもん。
だからファンの間で非公式にこのCPが盛り上がりすぎるわけだけども。
心配して気にかけてくれる愛しの推し様は何度も気にかけながらこちらを伺ってくれるから学校に着くまでの十数分、幸せしかない時間が流れていた。
幸せな時間ほどあっという間に過ぎるわけで
いつの間にかオープニングCGで何度も見た校門の前で馬車が止まる。
わぉ、そのまんま!
制服姿の推しとセットで最高すぎる!!
先に馬車を降りて待つ推しの姿に心の中でにやけながら、馬車を降りると
某ロボットアニメを彷彿するようなインスピレーションと共に空気を切り裂き視界入ってくる数本の矢。
はーたんが危ない!!
咄嗟に推し様を抱きしめて庇い、次に来る痛みに備えて眼をキュッと瞑って構えた。
パァンッと激しい音を立てた事に気づいて目を開けると矢は散り散りに砕け、風に消えていく。
きっとはーたんの防御壁のおかげだろう。
なんて最高なんだ!うちの推しは!!!!
推しを強く抱きしめながら頭に浮かんだ呪文を詠唱すれば足元に魔法陣が浮かび出し、水で型取られた鳥の群れが矢が飛んできた方向へと飛び立ち、その後を追うように複数の影が移動していくのがわかった。
これ以上、出来ることは無さそうなので腕の中のはーたんに視線を落とすと真っ赤な顔して何か言いたげな彼と目が合う。
え、めっちゃ可愛い。
思わず抱き締める力が強くなってしまったのは許して欲しい。
「大丈夫…?」
「それはこっちのセリフ!アルは僕を守るんじゃなくて自分を守りなよ!臣下を守るとか、ホントバカなの?!」
うわ、めっちゃ怒ってらっしゃる。
そんな姿も可愛いけども…。
「なんの為の僕だと思ってんの?!むしろ盾になるのは僕の役目なのに…!」
確かに防御・支援魔法が得意なハーラルだからこそ、側近かつ護衛として側にいる事が多い。
彼が作り出す魔法防御壁は物理、魔法ともに耐久性があるため破る事は魔力切れでもない限りほぼ不可能と言われているのだ。
逆にアルフリートは攻撃に特化しており剣技・体術・魔法のどのパラでも優れているのだが支援系はそれほど得意ではない。
それ故のこの組み合わせがたまらんのですけども…!
「俺は…ハーラルの事を臣下とも盾とも思った事は一度もないよ。…君は何よりも大切な人なんだ。だから、例え1ミクロンだろうと傷付けたくはない」
あ、やべ。ミクロンの単位この世界線にはねーわ。
「………バカ」
あ、気にしてない様子で目を逸らした。
てかそんな事よりも
そのバカの言い方ぁあああああああ!!!!
鬼可愛いんですけど!!!!!
はにかんだ顔がズルい!小悪魔ちゃん炸裂!!!
脳内がヒャッホー状態でお送りしてますが、会議中に妄想する時の笑顔武装スキルのため顔には決して出してません。
擬態スキルあってよかったぜ…。
などと脳内大爆発を起こしつつも
腕の中の推しを撫で撫でしまくって堪能してると
先程、反撃した時に追っていった影が戻ってきたので、推しの背中をポンポンしてから手を離すと彼らに向き直れば
「ひゅーひゅー、相変わらずお熱いね~」
ニヤニヤとした顔でピンクの綿飴のような髪の少年が声をかけてきた。
「ニコルありがとう、どうだった?」
公式でもイチャイチャしてるため、あまり周りも気にしてないのか幸いだ。
「全員とっつかまえて近衛に突き出しといたが、戻ったら尋問が必要だな」
「コンラートは物騒だね~、もっと穏便な物言いは出来ないわけ?」
「うっせぇ」
多少乱暴な物言いの短髪黒髪に赤い瞳の彼がコンラート、水色のタレ目にゆるふわヘアのセクシー担当のカインが茶化す。さっきのニコルを加えて3人は王族に仕える暗部部隊の人間だ。
王位継承第一位のアルフリートは一人息子ゆえに他の上位貴族から命を狙われる事も多いため関係者が身近に多くいるのも日常茶飯事みたいね。
「話はあとあと。ほら!早く教室行かないと授業始まっちゃうよ」
私の推し様の一声で校舎の時計台に目を移すとあと数分で予鈴がなる時間を針が示していたため、そそくさとその場を後にした。
あぁ…尊い…っ!!!
「ねぇ…何か僕の顔についてる?ずっと見てるじゃん」
「え?あ、可愛いなぁって」
「はぁ?!何言ってんの!今日、変だよ。学校行くのやめる?」
「それは(推しとの時間が減るから)困る…」
「無理しなくてもアルなら成績も単位も大丈夫じゃん」
心配そうな面持ちで推しが額に手を当ててきた。
ちょw俯瞰でみたいんだけど!!!
「…微熱っぽくない?」
ひぃ!きゃわいぃいいいいいい!
ますます体温が上がってますがアナタのせいですよ!間違いなく!!
だけど一緒にいれなくなるのは勿体無すぎるので
ここは普段通りに見えるよう、なりきりなんちゃらとWebに公開しまくったアル✖️ハー小説で経験値を死ぬほど詰んだアルフリートの口調と行動を意識して動かねば…!
「そんな顔しないで。大丈夫、ハーラルが心配してくれたから、ほら、もう元気だよ」
「もう…またそんな事言って…」
普段から歯の浮くようなセリフを言うキャラでよかったー!
可愛いだの褒めまくったって通常営業だもん。
だからファンの間で非公式にこのCPが盛り上がりすぎるわけだけども。
心配して気にかけてくれる愛しの推し様は何度も気にかけながらこちらを伺ってくれるから学校に着くまでの十数分、幸せしかない時間が流れていた。
幸せな時間ほどあっという間に過ぎるわけで
いつの間にかオープニングCGで何度も見た校門の前で馬車が止まる。
わぉ、そのまんま!
制服姿の推しとセットで最高すぎる!!
先に馬車を降りて待つ推しの姿に心の中でにやけながら、馬車を降りると
某ロボットアニメを彷彿するようなインスピレーションと共に空気を切り裂き視界入ってくる数本の矢。
はーたんが危ない!!
咄嗟に推し様を抱きしめて庇い、次に来る痛みに備えて眼をキュッと瞑って構えた。
パァンッと激しい音を立てた事に気づいて目を開けると矢は散り散りに砕け、風に消えていく。
きっとはーたんの防御壁のおかげだろう。
なんて最高なんだ!うちの推しは!!!!
推しを強く抱きしめながら頭に浮かんだ呪文を詠唱すれば足元に魔法陣が浮かび出し、水で型取られた鳥の群れが矢が飛んできた方向へと飛び立ち、その後を追うように複数の影が移動していくのがわかった。
これ以上、出来ることは無さそうなので腕の中のはーたんに視線を落とすと真っ赤な顔して何か言いたげな彼と目が合う。
え、めっちゃ可愛い。
思わず抱き締める力が強くなってしまったのは許して欲しい。
「大丈夫…?」
「それはこっちのセリフ!アルは僕を守るんじゃなくて自分を守りなよ!臣下を守るとか、ホントバカなの?!」
うわ、めっちゃ怒ってらっしゃる。
そんな姿も可愛いけども…。
「なんの為の僕だと思ってんの?!むしろ盾になるのは僕の役目なのに…!」
確かに防御・支援魔法が得意なハーラルだからこそ、側近かつ護衛として側にいる事が多い。
彼が作り出す魔法防御壁は物理、魔法ともに耐久性があるため破る事は魔力切れでもない限りほぼ不可能と言われているのだ。
逆にアルフリートは攻撃に特化しており剣技・体術・魔法のどのパラでも優れているのだが支援系はそれほど得意ではない。
それ故のこの組み合わせがたまらんのですけども…!
「俺は…ハーラルの事を臣下とも盾とも思った事は一度もないよ。…君は何よりも大切な人なんだ。だから、例え1ミクロンだろうと傷付けたくはない」
あ、やべ。ミクロンの単位この世界線にはねーわ。
「………バカ」
あ、気にしてない様子で目を逸らした。
てかそんな事よりも
そのバカの言い方ぁあああああああ!!!!
鬼可愛いんですけど!!!!!
はにかんだ顔がズルい!小悪魔ちゃん炸裂!!!
脳内がヒャッホー状態でお送りしてますが、会議中に妄想する時の笑顔武装スキルのため顔には決して出してません。
擬態スキルあってよかったぜ…。
などと脳内大爆発を起こしつつも
腕の中の推しを撫で撫でしまくって堪能してると
先程、反撃した時に追っていった影が戻ってきたので、推しの背中をポンポンしてから手を離すと彼らに向き直れば
「ひゅーひゅー、相変わらずお熱いね~」
ニヤニヤとした顔でピンクの綿飴のような髪の少年が声をかけてきた。
「ニコルありがとう、どうだった?」
公式でもイチャイチャしてるため、あまり周りも気にしてないのか幸いだ。
「全員とっつかまえて近衛に突き出しといたが、戻ったら尋問が必要だな」
「コンラートは物騒だね~、もっと穏便な物言いは出来ないわけ?」
「うっせぇ」
多少乱暴な物言いの短髪黒髪に赤い瞳の彼がコンラート、水色のタレ目にゆるふわヘアのセクシー担当のカインが茶化す。さっきのニコルを加えて3人は王族に仕える暗部部隊の人間だ。
王位継承第一位のアルフリートは一人息子ゆえに他の上位貴族から命を狙われる事も多いため関係者が身近に多くいるのも日常茶飯事みたいね。
「話はあとあと。ほら!早く教室行かないと授業始まっちゃうよ」
私の推し様の一声で校舎の時計台に目を移すとあと数分で予鈴がなる時間を針が示していたため、そそくさとその場を後にした。
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