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舞踏会での腕試し!
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騎士というだけあって、敵の三人とも背が高い。
さて、どう攻め込みますか?
レインとリインにも敵が一人ずつ出向く。そして私の前にも坊主のガタイのいい男が立つ。
「あんたは本当に男なんだよな?」
「えぇ、一応。こう見えますけども」
「悪いけども、負けてもらうからな」
「いやー、それは困ります。ジンには勝利しか渡したくないので」
「ふーん、美しい主従愛ってやつね、まぁ、俺には関係ないがな」
男は椅子に座って机の上で右腕を出してきた。
「女だと思ってしまう恰好されているからな。腕相撲で相手してやるよ」
「余裕ですね」
「まぁ、騎士だからな。俺は」
「その行為に同意しましょう」
「おう、よろしくな」
リインとレインは敵の騎士を撃破して、床に沈めていた。
私は右手を机の上に置いて、相手の手を握った。
「レディーGO!」
掛け声とともに、腕に力をのせた。
坊主頭の男は強い力だった。私がただの女だったなら負けていただろう。
こちとら、獣を自力で持ち上げ続けたんだ。負けない!
腕にもっと力を入れて、相手の手の甲を机に叩きつけた。
「お、俺が負けた?」
「ふーっ!」
危なかった、女の恰好をしていたから相手に実力を出させなかった。
ジンさまさまですな!
「おい、お前。名前はなんていうんだ?」
「ジーナだ」
「ジーナか、明日の大会で会えるのを楽しみにしてるぜ」
「あぁ」
いや、絶対に会いたくない。絶対に狙ってくる、私を。
武術大会では男性の恰好をするから、絶対に本気でこられるだろう。
しかし、この人達は騎士でもまだ新米兵士だと、他のパーティ客が話しているのを聞いた。
それを聞いて、上層部の騎士が出てきたらやばいだろうなと思った。
騎士達は出場するが、それは一部で、あとの騎士は祭りの見回りの強化などで出ないとも聞いた。
―― パチパチ
ジャックが拍手をしていた。
「驚いたよ。全員に勝つなんて。特にジーナは凄いな。相手は部隊長だったのに」
「あー、だから強そうだったんですね」
「レインも素晴らしい騎士だ。我が王国で働かないか?」
「申し訳ありません。私はジン様にのみ仕えたいと思っています」
「そうか、ならば。ジンが我がハーレムに入るから同じことだな」
ジャックが頷きながらそう言う。私はそれに言葉をはさんだ。
「だーかーらー、私たちは勝ちますよ。ジンをハーレムに入れるのは断固反対です!」
そんな事になったら、もう家が潰れるどころか、家の跡地しか残らない事態です!
ジンには他の女の子と結婚してもらって、王様になってもらうのですから!
絶対にこの武術大会は勝つ、なにがなんでも!
「ジーナ」
「はい、ジン」
「良かったら、踊って頂けませんか?」
――ドキッ!
ジンの真剣な表情に心臓が音をたてる。
さすが美形、どんな顔もカッコいい!
「宜しくお願いします」
ジンの手をとって、ワルツを踊った。
家でちょっとだけ踊りの基本を練習していて良かった。
なんとかジンの足を踏まない様に気を付けて、踊っていた。
「ふふ、ジーナは可愛いね」
「え?」
そういって、ジンは私の腰に手をそえて、顔を近づけてくる。
キスされる!
顔を下に向けてキスを回避した。
「ジーナ、キスさせてよ」
「いや、いやです! なんで此処なんですか!」
「人に見られたら、恥ずかしいの? なら、二人のときにしようね」
あぁ、キラキラスマイルだが言っている事が表情があっていない。
絶対に死守しないと!
キス何てされたら、心臓が壊れる!
「ジーナ大好きだよ」
「ありがとうございます」
こうして、舞踏会は終わり。夜は更けていった。
さて、どう攻め込みますか?
レインとリインにも敵が一人ずつ出向く。そして私の前にも坊主のガタイのいい男が立つ。
「あんたは本当に男なんだよな?」
「えぇ、一応。こう見えますけども」
「悪いけども、負けてもらうからな」
「いやー、それは困ります。ジンには勝利しか渡したくないので」
「ふーん、美しい主従愛ってやつね、まぁ、俺には関係ないがな」
男は椅子に座って机の上で右腕を出してきた。
「女だと思ってしまう恰好されているからな。腕相撲で相手してやるよ」
「余裕ですね」
「まぁ、騎士だからな。俺は」
「その行為に同意しましょう」
「おう、よろしくな」
リインとレインは敵の騎士を撃破して、床に沈めていた。
私は右手を机の上に置いて、相手の手を握った。
「レディーGO!」
掛け声とともに、腕に力をのせた。
坊主頭の男は強い力だった。私がただの女だったなら負けていただろう。
こちとら、獣を自力で持ち上げ続けたんだ。負けない!
腕にもっと力を入れて、相手の手の甲を机に叩きつけた。
「お、俺が負けた?」
「ふーっ!」
危なかった、女の恰好をしていたから相手に実力を出させなかった。
ジンさまさまですな!
「おい、お前。名前はなんていうんだ?」
「ジーナだ」
「ジーナか、明日の大会で会えるのを楽しみにしてるぜ」
「あぁ」
いや、絶対に会いたくない。絶対に狙ってくる、私を。
武術大会では男性の恰好をするから、絶対に本気でこられるだろう。
しかし、この人達は騎士でもまだ新米兵士だと、他のパーティ客が話しているのを聞いた。
それを聞いて、上層部の騎士が出てきたらやばいだろうなと思った。
騎士達は出場するが、それは一部で、あとの騎士は祭りの見回りの強化などで出ないとも聞いた。
―― パチパチ
ジャックが拍手をしていた。
「驚いたよ。全員に勝つなんて。特にジーナは凄いな。相手は部隊長だったのに」
「あー、だから強そうだったんですね」
「レインも素晴らしい騎士だ。我が王国で働かないか?」
「申し訳ありません。私はジン様にのみ仕えたいと思っています」
「そうか、ならば。ジンが我がハーレムに入るから同じことだな」
ジャックが頷きながらそう言う。私はそれに言葉をはさんだ。
「だーかーらー、私たちは勝ちますよ。ジンをハーレムに入れるのは断固反対です!」
そんな事になったら、もう家が潰れるどころか、家の跡地しか残らない事態です!
ジンには他の女の子と結婚してもらって、王様になってもらうのですから!
絶対にこの武術大会は勝つ、なにがなんでも!
「ジーナ」
「はい、ジン」
「良かったら、踊って頂けませんか?」
――ドキッ!
ジンの真剣な表情に心臓が音をたてる。
さすが美形、どんな顔もカッコいい!
「宜しくお願いします」
ジンの手をとって、ワルツを踊った。
家でちょっとだけ踊りの基本を練習していて良かった。
なんとかジンの足を踏まない様に気を付けて、踊っていた。
「ふふ、ジーナは可愛いね」
「え?」
そういって、ジンは私の腰に手をそえて、顔を近づけてくる。
キスされる!
顔を下に向けてキスを回避した。
「ジーナ、キスさせてよ」
「いや、いやです! なんで此処なんですか!」
「人に見られたら、恥ずかしいの? なら、二人のときにしようね」
あぁ、キラキラスマイルだが言っている事が表情があっていない。
絶対に死守しないと!
キス何てされたら、心臓が壊れる!
「ジーナ大好きだよ」
「ありがとうございます」
こうして、舞踏会は終わり。夜は更けていった。
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