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ベジューナ王国に到着!
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ベジューナ王国の港に船が着いた。船の窓から外の景色を見た。
たくさんの人で賑わっていた。港でこんなに、混雑しているのを見るのは初めてだ。
「この国は豊かなんだね、人がぎゅうぎゅう状態だ」
「それも、あるけど僕が来る事を歓迎してくれているんだと思うよ」
「……え?」
「ほら、行こうか。僕の婚約者様」
そう言って、ジンに手を掴まれて誘導された。船から降りる階段につくと、下には沢山の人、人、人だらけだった。
ジンが笑顔で手を振ると、女性の黄色の歓声が港を覆った。一歩一歩、ゆっくりと階段を降りていく。道路には赤い絨毯がひかれていた。
そうだった、ジンてば女性にモテモテなんだった。これで、ホモなのだ、なんて惨い。
ジンの後ろから出てきた私に視線が向けられた。港にいる人達が注目して見てくる。
「あの方が、ジン様の心を射止めた方よ」
「けど、男性では?」
「両性具合なのかもしれませんわ!」
なんで、そんな話になっているの! 女性なのに両性具合って。いや、そんな人も居るので差別はいけないけど。やっぱり、男性との恋は王子様には似合わないか。
階段を降り終えると、道の横で敬礼していた騎士が一人、前に立った。
「ジン様、ご到着お疲れさまでした。お荷物をお持ちします」
そう言うと、銀髪で紫色の瞳の歳は25歳くらいの男性が膝をついて、ジンに接した。
「あぁ、レインもお疲れ様」
「はっ、有難きお言葉!」
レインはジンの方に挨拶すると荷物を受け取り、ジンの後ろを歩いた。それは私と並列して歩いているという事だ。何故か、レインから睨まれまくっていた。
嫌な予感しかない。
「貴様がジン様を誑かした男のジーナか。大した事はないな。武術大会ではチームだが、俺の足を引っ張らないでほしい。ジン様に優勝を渡したいのだから」
やっぱりか。
「あ、はーい」
「なんだ! その怠けた返事は! ジン様の傍に居られる栄誉を全くわかっていない馬鹿か!」
「はぁ! 言いすぎですよ! 馬鹿はないです!」
「婚約者だと思って、勘違いするな。お前は所詮は「レイン、そこまでだ」…ジン様」
「僕をよく思っていない人間がいてね、悪口を聞いてよくその相手をボコボコにしていたんだよ。レインはそんな熱い男なんだ。ごめんね、嫌な気分にさせて、けどレインは良い奴なんだよ」
「ジン様」
おいおい、この流れはジン王子が気づいていないだけで、このレインって奴はジン王子に惚の字では。頭が痛い。どうして、女性がこんなにたくさんいるのに、男を選ぶかな!いや、まぁ人の勝手なんだけどね。なんか、悔しいなって思ってしまう。レインは男で、私は女で所詮は時間制限のある仮の婚約者なのだから。いつかは、別れがやってくる。
「ジーナ、大丈夫かい?」
「はい、大丈夫です! ジン」
「ボーっとするな、怪我するぞ。これだから、田舎出の人間は貧弱だな」
「それ、喧嘩売っているの?」
「ジーナ、レイン、落ち着ていて」
―――ゴーン!
大きな金を叩く音が響き渡る。
赤い絨毯の向こうには、黒い瞳と髪で黄金のネックレスをし、白い軍服を着ている男が立っていた。滅茶苦茶の美形だった。
「ようこそ、我がベジューナ王国に。ジン、久しぶりだな」
目が離せなかった。威厳というか威圧というか、そんなプレッシャーにおされた。
この男、なかなかの腕前だ。強い。
ジンは男の前に立って笑顔で握手をしていた。
周りは拍手喝采であった。
ジンに挨拶をすると、黒髪の男は私を目にするとこちらに向かってきた。
「お前が婚約者か?」
「……えっと……そうですね。一応、婚約者です」
「そうか、ならば言っておこう。お前とジンは結婚出来ないからな」
「……なんでですか?」
女だってバレた!
「俺のハーレムにジンも入れるからさ」
「えー、あれ本気だったの。断っているだろう。綺麗なら男でも女でもいいから嫌になるな」
えっ……なんだって!
ハーレムにジン王子を入れるだと!
ジンは王族なのに。
いや、でも。戦争して負けたら、奴隷になって好き放題?
えぇーーーーーーーーーーーーー!
どうしよう、頭がうまく回ってくれない。
「だが、ジンもあぁー言っているから、チャンスをやろうと思っている」
「なんですか?」
「この『武術大会』で優勝したら、ジンのハーレムという件はなかった事にしよう」
「本当ですね?」
「あぁ、我が騎士達を倒せるならな?」
自身満々ですね。
私は横で今にもキレそうなレインに視線を向けた。それにレインも気づく。
視線が合うと、私とレインは強く頷く。
「レイン、私が言いたい事は分かっているよね?」
「絶対に、ジン様は渡さない!」
「絶対に優勝するぞ!」
「「おぉーーーーーーーーーーーー!」」
こうして、私とレインの心が一つになった瞬間だった。
絶対に優勝してジンをハーレムにいれるのを諦めて頂く!
もし、入る事になったら家が潰れるどころか、家族一家処刑しか待っていない!
絶対に絶対に、勝ち進んでやる!
ちなみに「武術大会」に参加をOKしたのがジンをハーレムにいれたいと言っていた、王子はベジューナ王国の王位継承は第五位らしい。名前はジャック・リューイス王子。女も男も美しいものが大好き。そして、王子の二つ名は「双剣の王」。剣技や体術もかなりの腕らしい。
絶対負けない!
負けるわけにはいかないのだ!
たくさんの人で賑わっていた。港でこんなに、混雑しているのを見るのは初めてだ。
「この国は豊かなんだね、人がぎゅうぎゅう状態だ」
「それも、あるけど僕が来る事を歓迎してくれているんだと思うよ」
「……え?」
「ほら、行こうか。僕の婚約者様」
そう言って、ジンに手を掴まれて誘導された。船から降りる階段につくと、下には沢山の人、人、人だらけだった。
ジンが笑顔で手を振ると、女性の黄色の歓声が港を覆った。一歩一歩、ゆっくりと階段を降りていく。道路には赤い絨毯がひかれていた。
そうだった、ジンてば女性にモテモテなんだった。これで、ホモなのだ、なんて惨い。
ジンの後ろから出てきた私に視線が向けられた。港にいる人達が注目して見てくる。
「あの方が、ジン様の心を射止めた方よ」
「けど、男性では?」
「両性具合なのかもしれませんわ!」
なんで、そんな話になっているの! 女性なのに両性具合って。いや、そんな人も居るので差別はいけないけど。やっぱり、男性との恋は王子様には似合わないか。
階段を降り終えると、道の横で敬礼していた騎士が一人、前に立った。
「ジン様、ご到着お疲れさまでした。お荷物をお持ちします」
そう言うと、銀髪で紫色の瞳の歳は25歳くらいの男性が膝をついて、ジンに接した。
「あぁ、レインもお疲れ様」
「はっ、有難きお言葉!」
レインはジンの方に挨拶すると荷物を受け取り、ジンの後ろを歩いた。それは私と並列して歩いているという事だ。何故か、レインから睨まれまくっていた。
嫌な予感しかない。
「貴様がジン様を誑かした男のジーナか。大した事はないな。武術大会ではチームだが、俺の足を引っ張らないでほしい。ジン様に優勝を渡したいのだから」
やっぱりか。
「あ、はーい」
「なんだ! その怠けた返事は! ジン様の傍に居られる栄誉を全くわかっていない馬鹿か!」
「はぁ! 言いすぎですよ! 馬鹿はないです!」
「婚約者だと思って、勘違いするな。お前は所詮は「レイン、そこまでだ」…ジン様」
「僕をよく思っていない人間がいてね、悪口を聞いてよくその相手をボコボコにしていたんだよ。レインはそんな熱い男なんだ。ごめんね、嫌な気分にさせて、けどレインは良い奴なんだよ」
「ジン様」
おいおい、この流れはジン王子が気づいていないだけで、このレインって奴はジン王子に惚の字では。頭が痛い。どうして、女性がこんなにたくさんいるのに、男を選ぶかな!いや、まぁ人の勝手なんだけどね。なんか、悔しいなって思ってしまう。レインは男で、私は女で所詮は時間制限のある仮の婚約者なのだから。いつかは、別れがやってくる。
「ジーナ、大丈夫かい?」
「はい、大丈夫です! ジン」
「ボーっとするな、怪我するぞ。これだから、田舎出の人間は貧弱だな」
「それ、喧嘩売っているの?」
「ジーナ、レイン、落ち着ていて」
―――ゴーン!
大きな金を叩く音が響き渡る。
赤い絨毯の向こうには、黒い瞳と髪で黄金のネックレスをし、白い軍服を着ている男が立っていた。滅茶苦茶の美形だった。
「ようこそ、我がベジューナ王国に。ジン、久しぶりだな」
目が離せなかった。威厳というか威圧というか、そんなプレッシャーにおされた。
この男、なかなかの腕前だ。強い。
ジンは男の前に立って笑顔で握手をしていた。
周りは拍手喝采であった。
ジンに挨拶をすると、黒髪の男は私を目にするとこちらに向かってきた。
「お前が婚約者か?」
「……えっと……そうですね。一応、婚約者です」
「そうか、ならば言っておこう。お前とジンは結婚出来ないからな」
「……なんでですか?」
女だってバレた!
「俺のハーレムにジンも入れるからさ」
「えー、あれ本気だったの。断っているだろう。綺麗なら男でも女でもいいから嫌になるな」
えっ……なんだって!
ハーレムにジン王子を入れるだと!
ジンは王族なのに。
いや、でも。戦争して負けたら、奴隷になって好き放題?
えぇーーーーーーーーーーーーー!
どうしよう、頭がうまく回ってくれない。
「だが、ジンもあぁー言っているから、チャンスをやろうと思っている」
「なんですか?」
「この『武術大会』で優勝したら、ジンのハーレムという件はなかった事にしよう」
「本当ですね?」
「あぁ、我が騎士達を倒せるならな?」
自身満々ですね。
私は横で今にもキレそうなレインに視線を向けた。それにレインも気づく。
視線が合うと、私とレインは強く頷く。
「レイン、私が言いたい事は分かっているよね?」
「絶対に、ジン様は渡さない!」
「絶対に優勝するぞ!」
「「おぉーーーーーーーーーーーー!」」
こうして、私とレインの心が一つになった瞬間だった。
絶対に優勝してジンをハーレムにいれるのを諦めて頂く!
もし、入る事になったら家が潰れるどころか、家族一家処刑しか待っていない!
絶対に絶対に、勝ち進んでやる!
ちなみに「武術大会」に参加をOKしたのがジンをハーレムにいれたいと言っていた、王子はベジューナ王国の王位継承は第五位らしい。名前はジャック・リューイス王子。女も男も美しいものが大好き。そして、王子の二つ名は「双剣の王」。剣技や体術もかなりの腕らしい。
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