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心の叫びを
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「どうかしたのかな? 暗い顔をして」
「いえ、大丈夫です」
嘘だ。全然、大丈夫なんかじゃない! 私はBLゲームの主人公。けれど、その主人公である私は「女」として存在している。そのじてんで、BLゲームとしてのこの世界は崩壊もいい所の世界である。けれど、この崩壊世界のBL世界でゲームの神様であるシュラを楽ませないといけないという、無理ゲーが課せられている。どうして、私はただBLが普通に大好きな普通の腐女子だったのに、BL世界の主人公。第三者に戻してください。これはもう、逆ハーレムとしか言いようがないのだ。正しい世界に戻すためには、私が頑張らないといけない。けど、頑張りたくない。いやいや、このまま世界を崩壊させたままだと、このゲームのファンとして嘆き悲しむ日々が続くだろう。さて、真面目な話だが、この世界は魔法なんてファンタジー的ものがある。その魔法で私を「男」の性別に出来ないものだろうか?
私を心配して話しかけてくる担任の先生が目の前で椅子に座りながら見上げてくる。
うん、普通に可愛い。大人の男の人なんだけど、可愛いわ。だからだろうか…、私の事を睨んでくる一人の先生がいた。私は知らないふりをした。関わったって、良い事はないだろう。それよりも、担任の先生とのコミュニケーションだ。何故、私がこの学校にいるのか、先生から説明してもらおう。
「僕は安藤満あんどうみつる、君のクラスの担任をしている。男ばかりの学校で心細いと思うから、何かあったらなんでも相談してね。風間梓さん」
「あの、早速なんですけど、私はなんでこの男ばかりの学校に編入してきたんでしょうか?普通なら、この行為は神の裁きが下されるほどの禁忌のはずでは?」
そう、この世界の神様は男は男との恋愛。女は女との恋愛を求めた。そして、人間はこの星で生き抜くためにその求められた事を遂行する。なのに、何故? 神様からの罰は? 私は疑問が頭の中をぎっしり詰まっている。本当に謎だらけなんです。
「それは、神様のご意思が変わったからです。もう、男と女という性別で差別してはいけないと、皆と一緒に仲良く手を取り合って努力して生きていくように、「生き巫女」様のお言葉なんだよ。だから、まずは人数を少なくして編入をしてもらったんだ。風間さんの他に、編入生はあと二人いて、風間さんと合わせて三人になっている。同じ、教室だからね。心配しないでね」
生き巫女。
それは、この世界の神の声を聞く、巫女。天空には男巫女。地上には女巫女がいて、それぞれが神様のご意思を世界に伝える役割を担っている。だが、今回はどちらの巫女からも同じご意思が伝えられてきたらしく、その所為で生贄。いや、実験のために三人の女の子がモルモットされているんだろう。ていうか…、その神様って絶対にシュラじゃん! 余計な事しかしないやつだ。そりゃー、一人だと心細くて今はちょっと安心しているけど。このBL世界的にはヤバい。女が三人も男子校にいる。なんだそれ? 共学じゃん、これで「男」と「女」との恋なんて始まったら、世界の崩壊だ。ガチでヤバい。
「他の編入生は昨日、紹介してすでにクラスで授業を受けています。いろいろと大変かと思いますが、クラスメイトと仲良く」
「はぁ…はい」
うん、クラスメイトがどんな態度で来るのか予想するのは難しくない。この、学校は典型的な男子校と考えていい。そして、性別の差別が存在する。クラスメイトからの歓迎の声は聴けない事だろう。ていうか、見世物の気分になってくる。
あぁ、家に帰りたい。
家に帰って、風呂に入って湯船につかって、あがったら牛乳を飲んで、お母さんの作ってくれた美味しいご飯を食べて。…あ、そっか。もう、それも出来ないんだ。だって、私はあの世界で「死んでしまった」から。
「大丈夫ですか?」
「え…、大丈夫ですが」
「ですが」
「?」
「泣いていますよ」
そう言われて、頬を手で触ると頬がぬれていた。あぁ、泣いているんだと思った。心が悲鳴をあげているんだろう。突然の別れだった。その日に限って、お母さんの手作りの朝食が食べれなくて、遅刻しそうになってそれで…事故にあった。遅刻しそうでも、なにがあっても、食べればよかった。今は後悔しかない。だって、もう二度とそんな時は戻ってこないのだから。
あぁ、死んでしまったってやっと実感したよ。
「はい、すみません。大丈夫です」
「そうですか?」
「泣いてしまってすみません。大丈夫です」
「何かあったらすぐに言ってくださいね。いくら、神様のご意思でも「男」が「女」を敵対意識をもっているので、大変だと思いますが」
「先生、私はこの人生では悔いを残したくありません。ご指導のほど宜しくお願いします」
そういって、私は安藤先生に頭を下げた。
「他の周りの、先生方も宜しくお願いします!」
他の先生たちにも頭を下げた。
先ほどまで、睨んでいた瞳や物珍しさで見ていた瞳をしていた先生から拍手がなった。
私はもう、悔いが残る事はしない。
こんな苦しいなら、もう二度としたくない。
「女」であることで、これから降りかかってくる火の粉を振り払わないといけない。けれど、「男」とか「女」で差別をなくすのはいいことだと思う。初めてには苦悩が苦労が立ちはだかるが、乗り越えてみせる。だって、私のいた前の世界では平和だったのだから。だから、きっとこの世界にもそんな時がくるだろう。
「さぁ、HRが始まる時間だ。教室に案内するよ」
「はい、宜しくお願いします」
逆ハーレムの乙女ゲームになろうと、私は絶対にハッピーエンドにいってみせる!
こうして、初めての学校生活の幕が上がろうとしていた。
「いえ、大丈夫です」
嘘だ。全然、大丈夫なんかじゃない! 私はBLゲームの主人公。けれど、その主人公である私は「女」として存在している。そのじてんで、BLゲームとしてのこの世界は崩壊もいい所の世界である。けれど、この崩壊世界のBL世界でゲームの神様であるシュラを楽ませないといけないという、無理ゲーが課せられている。どうして、私はただBLが普通に大好きな普通の腐女子だったのに、BL世界の主人公。第三者に戻してください。これはもう、逆ハーレムとしか言いようがないのだ。正しい世界に戻すためには、私が頑張らないといけない。けど、頑張りたくない。いやいや、このまま世界を崩壊させたままだと、このゲームのファンとして嘆き悲しむ日々が続くだろう。さて、真面目な話だが、この世界は魔法なんてファンタジー的ものがある。その魔法で私を「男」の性別に出来ないものだろうか?
私を心配して話しかけてくる担任の先生が目の前で椅子に座りながら見上げてくる。
うん、普通に可愛い。大人の男の人なんだけど、可愛いわ。だからだろうか…、私の事を睨んでくる一人の先生がいた。私は知らないふりをした。関わったって、良い事はないだろう。それよりも、担任の先生とのコミュニケーションだ。何故、私がこの学校にいるのか、先生から説明してもらおう。
「僕は安藤満あんどうみつる、君のクラスの担任をしている。男ばかりの学校で心細いと思うから、何かあったらなんでも相談してね。風間梓さん」
「あの、早速なんですけど、私はなんでこの男ばかりの学校に編入してきたんでしょうか?普通なら、この行為は神の裁きが下されるほどの禁忌のはずでは?」
そう、この世界の神様は男は男との恋愛。女は女との恋愛を求めた。そして、人間はこの星で生き抜くためにその求められた事を遂行する。なのに、何故? 神様からの罰は? 私は疑問が頭の中をぎっしり詰まっている。本当に謎だらけなんです。
「それは、神様のご意思が変わったからです。もう、男と女という性別で差別してはいけないと、皆と一緒に仲良く手を取り合って努力して生きていくように、「生き巫女」様のお言葉なんだよ。だから、まずは人数を少なくして編入をしてもらったんだ。風間さんの他に、編入生はあと二人いて、風間さんと合わせて三人になっている。同じ、教室だからね。心配しないでね」
生き巫女。
それは、この世界の神の声を聞く、巫女。天空には男巫女。地上には女巫女がいて、それぞれが神様のご意思を世界に伝える役割を担っている。だが、今回はどちらの巫女からも同じご意思が伝えられてきたらしく、その所為で生贄。いや、実験のために三人の女の子がモルモットされているんだろう。ていうか…、その神様って絶対にシュラじゃん! 余計な事しかしないやつだ。そりゃー、一人だと心細くて今はちょっと安心しているけど。このBL世界的にはヤバい。女が三人も男子校にいる。なんだそれ? 共学じゃん、これで「男」と「女」との恋なんて始まったら、世界の崩壊だ。ガチでヤバい。
「他の編入生は昨日、紹介してすでにクラスで授業を受けています。いろいろと大変かと思いますが、クラスメイトと仲良く」
「はぁ…はい」
うん、クラスメイトがどんな態度で来るのか予想するのは難しくない。この、学校は典型的な男子校と考えていい。そして、性別の差別が存在する。クラスメイトからの歓迎の声は聴けない事だろう。ていうか、見世物の気分になってくる。
あぁ、家に帰りたい。
家に帰って、風呂に入って湯船につかって、あがったら牛乳を飲んで、お母さんの作ってくれた美味しいご飯を食べて。…あ、そっか。もう、それも出来ないんだ。だって、私はあの世界で「死んでしまった」から。
「大丈夫ですか?」
「え…、大丈夫ですが」
「ですが」
「?」
「泣いていますよ」
そう言われて、頬を手で触ると頬がぬれていた。あぁ、泣いているんだと思った。心が悲鳴をあげているんだろう。突然の別れだった。その日に限って、お母さんの手作りの朝食が食べれなくて、遅刻しそうになってそれで…事故にあった。遅刻しそうでも、なにがあっても、食べればよかった。今は後悔しかない。だって、もう二度とそんな時は戻ってこないのだから。
あぁ、死んでしまったってやっと実感したよ。
「はい、すみません。大丈夫です」
「そうですか?」
「泣いてしまってすみません。大丈夫です」
「何かあったらすぐに言ってくださいね。いくら、神様のご意思でも「男」が「女」を敵対意識をもっているので、大変だと思いますが」
「先生、私はこの人生では悔いを残したくありません。ご指導のほど宜しくお願いします」
そういって、私は安藤先生に頭を下げた。
「他の周りの、先生方も宜しくお願いします!」
他の先生たちにも頭を下げた。
先ほどまで、睨んでいた瞳や物珍しさで見ていた瞳をしていた先生から拍手がなった。
私はもう、悔いが残る事はしない。
こんな苦しいなら、もう二度としたくない。
「女」であることで、これから降りかかってくる火の粉を振り払わないといけない。けれど、「男」とか「女」で差別をなくすのはいいことだと思う。初めてには苦悩が苦労が立ちはだかるが、乗り越えてみせる。だって、私のいた前の世界では平和だったのだから。だから、きっとこの世界にもそんな時がくるだろう。
「さぁ、HRが始まる時間だ。教室に案内するよ」
「はい、宜しくお願いします」
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