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2章 スティルド王国編
第122話 来客の目的
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翌日。
スタント公爵家の屋敷に来客が来た。
執事長であるアルディが扉を開けた。
ドアの外にいたのは、一人の侍女だった。
「失礼いたします。シュライト侯爵家の侍女をしております。ミレルナと申します。ルイ様にお会いさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか」
ミレルナは綺麗な一礼をする。
「ええ、ルイ様からお話しは伺っております。こちらへどうぞ」
アルディはミレルナと後ろにいる彼女を屋敷の中に入れ、琉海の元へ案内した。
***
アルディが扉をノックする。
「ルイ様にお客様です。よろしいでしょうか」
「はい。どうぞ」
室内から了承の声が聞こえて、アルディは扉を開いた。
中に入るとアルディは扉の前で、ミレルナ達に中に入るように促す。
最初に見えたのは、侍女のミレルナだった。
琉海は思っていた人物ではなかったせいか、別のお客さんかと思ったが――
「失礼します」
一礼して入ってきた彼女を見て、お客さんが想像通りの人だったと理解する。
しかし――
「…………」
琉海が思っていた以上に綺麗だった。
トウカは淑やかな歩行で応接室に入室した。
白を基調にしたドレスに茶色の髪は綺麗に結われ、軽く化粧もされているからか、唇も艶やかであった。
昨日の夜会では、日本のときと変わらないポニーテールだったので、あまり違和感がなかったが、今日は明らかに違うように感じた。
琉海があまりの変わりように呆気に取られていると――
「ルイ様。私は外で待機しておりますので、何かお申しつけがございましたら、仰ってください」
アルディは一礼して速やかに扉を閉めた。
アルディが間を繋いでくれたおかげで琉海は思考を正常に戻せた。
執事長の気遣いの凄さを痛感した。
「こちらへどうぞ」
琉海は自分の向かい側のソファに手を向けて案内する。
「失礼します」
トウカは琉海の促した席に腰を下ろした。
侍女服を着た女性――ミレルナはトウカの背後に立つ。
琉海も多少は貴族社会を理解してきているため、そこはなにも言わない。
「それで今日はどういったご用件でしょうか?」
琉海はトウカに話を向ける。
「えっとですね……」
トウカは一瞬背後に立つ彼女に視線を向ける。
ミレルナは一つ頷く。
「お話しと言うのは……縁談でして……」
「縁談……ですか?」
琉海はオウム返しに聞く。
(また、貴族っぽい話が来たな。誰との縁談だろうか……)
内心あまり喜べる話ではないなと感じつつ、話しを聞く。
「はい。その――」
トウカは顔を徐々に赤くさせながら、一呼吸大きく吸って――
声を発する。
「私と結婚してください!」
一瞬の静寂が室内を支配した。
琉海も彼女が何を言ったんだと思う。
数瞬の間、思考が真っ白になり、徐々に彼女の声が脳に届き理解へと至るも――
「……はい?」
そう答えることしかできなかった。
さすがにこれだけではあんまりだと思い、話しを続ける。
「えっと、それは私と婚姻を結びたいと言うことでしょうか?」
「は、はい……」
トウカは顔を真っ赤にさせながら、声が尻すぼみになりつつも答える。
どうしたものかと琉海は天を仰いだ。
スタント公爵家の屋敷に来客が来た。
執事長であるアルディが扉を開けた。
ドアの外にいたのは、一人の侍女だった。
「失礼いたします。シュライト侯爵家の侍女をしております。ミレルナと申します。ルイ様にお会いさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか」
ミレルナは綺麗な一礼をする。
「ええ、ルイ様からお話しは伺っております。こちらへどうぞ」
アルディはミレルナと後ろにいる彼女を屋敷の中に入れ、琉海の元へ案内した。
***
アルディが扉をノックする。
「ルイ様にお客様です。よろしいでしょうか」
「はい。どうぞ」
室内から了承の声が聞こえて、アルディは扉を開いた。
中に入るとアルディは扉の前で、ミレルナ達に中に入るように促す。
最初に見えたのは、侍女のミレルナだった。
琉海は思っていた人物ではなかったせいか、別のお客さんかと思ったが――
「失礼します」
一礼して入ってきた彼女を見て、お客さんが想像通りの人だったと理解する。
しかし――
「…………」
琉海が思っていた以上に綺麗だった。
トウカは淑やかな歩行で応接室に入室した。
白を基調にしたドレスに茶色の髪は綺麗に結われ、軽く化粧もされているからか、唇も艶やかであった。
昨日の夜会では、日本のときと変わらないポニーテールだったので、あまり違和感がなかったが、今日は明らかに違うように感じた。
琉海があまりの変わりように呆気に取られていると――
「ルイ様。私は外で待機しておりますので、何かお申しつけがございましたら、仰ってください」
アルディは一礼して速やかに扉を閉めた。
アルディが間を繋いでくれたおかげで琉海は思考を正常に戻せた。
執事長の気遣いの凄さを痛感した。
「こちらへどうぞ」
琉海は自分の向かい側のソファに手を向けて案内する。
「失礼します」
トウカは琉海の促した席に腰を下ろした。
侍女服を着た女性――ミレルナはトウカの背後に立つ。
琉海も多少は貴族社会を理解してきているため、そこはなにも言わない。
「それで今日はどういったご用件でしょうか?」
琉海はトウカに話を向ける。
「えっとですね……」
トウカは一瞬背後に立つ彼女に視線を向ける。
ミレルナは一つ頷く。
「お話しと言うのは……縁談でして……」
「縁談……ですか?」
琉海はオウム返しに聞く。
(また、貴族っぽい話が来たな。誰との縁談だろうか……)
内心あまり喜べる話ではないなと感じつつ、話しを聞く。
「はい。その――」
トウカは顔を徐々に赤くさせながら、一呼吸大きく吸って――
声を発する。
「私と結婚してください!」
一瞬の静寂が室内を支配した。
琉海も彼女が何を言ったんだと思う。
数瞬の間、思考が真っ白になり、徐々に彼女の声が脳に届き理解へと至るも――
「……はい?」
そう答えることしかできなかった。
さすがにこれだけではあんまりだと思い、話しを続ける。
「えっと、それは私と婚姻を結びたいと言うことでしょうか?」
「は、はい……」
トウカは顔を真っ赤にさせながら、声が尻すぼみになりつつも答える。
どうしたものかと琉海は天を仰いだ。
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