血と踊る流動体

入江円

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第二章 与えられた自由

Thirteen. House

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見事にやられてしまった。見張り役みたいな真似を二人に押し付けて邸まで与えられた。うわぁーーーーくそッ


王宮で労いパーティーするから出るようにだと?くそッ

邸の場所まで馬車で案内され、降りる。

でかすぎねぇか?そのまま門をくぐらず、少し周辺を散歩し、酒屋に入る。

「かなりキツいお酒、ありますか?」

あ、それを持てるだけください。

一杯買ったものだから袋はおまけしてくれた。ありがとうございます。

門をくぐり、扉の近くに杖を突き立てる。丁度いい。あいつら以外今は会いたくない。

でっかいお邸に入って直ぐのエントランスみたいに広い場所で座り込み頭を抱えながら酒を浴びるように流し込む。
酔えたらどんなにいいことか。

身に覚えのある人間の気配が門の前で止まった。
魔法で二人に声を届ける。

「入れ。…そのまま真っ直ぐすすんで扉を開けろ。」

可哀想になぁ…どうしたものか。

扉が開き、逆光とともに二人が現れる。

「ウィリアム・ドナー、並びにユルゲン・ドールただいま到着しました。」

なんだか、抱き締めたくなって二人を両肩に手繰り寄せた。

「やられたよ。」

「はっ?」

「これから宜しくな。」

「「はっ。」」


三人で邸内を酒片手に探索する。

「隊長ぉ~、部屋がいっぱいありますよ~!」

そうだな。くそッ

「あ、ここが一番豪華ですね~!すげー!」

「使うか?」

「どう考えたってここが隊長の部屋じゃないですか~!」

「俺達の部屋はその両隣でしょうね」

アホ面が私の分まではしゃいでくれて助かる。

「ユルゲン、」

「はい、隊長。」

「なんでこうなったんだろうな」

「隊長が頑張りすぎたからでしょうね。」

「そっかぁ…」

忘れる前に伝えておこう。

「10日後に王宮でパーティーが行われるそうだ。」

「はい。」

「おそらく私の顔を覚えさせる計画でもある。」

「はい。」

「お前達はこれから私の命令を絶対とし、聞かなければならない立場となった。」

「はい。」

「一緒に来いよ。」

「喜んで、お供します。」

言ったな。

「明日服を仕立てにいく。」

「承知しました。」

「ユルゲン、」

「なんでしょうか。」

「かわってやろうか?」

「遠慮します。」

そうか。
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