血と踊る流動体

第一章 戦争

Fifteen. William donor

院が燃える。火の粉が散る中取り残された僕達。身を寄せあうことしかできない。あつい。

「ほぅ…生き残りか」

おにぃさんだれ？助けてくれるの？

「ククッ、今殺してもつまらんな。」

あつい。あついよ。

「いいだろう。生かしてやる。ほら、飲むがいい。」

なに？これ。

「生き残りたくば、飲め。」

僕達は飲み込んだ。
あれ？みんなどうしたの？

「運がいいな。小僧。貴様は適合した。」

みんな、どうしたの？ねちゃだめだよ。

「成長した貴様は血の祝福を受けるだろう。其の時まで生きる事が貴様の役目だ。努々忘れるな。」

みんな…

飛び起きた。何かを組敷く。

「怪我はどうだ？」

「……隊長？」

「そうだ。勝手に入ってすまない。安否確認のためだ。」

隊長を組敷いたことに動揺し、すぐに退こうとしたが傷口が傷んでのしかかってしまった。

「す、すみません」

「いや、いい。汗をかいているな。生きようとしている証拠だ。直ぐに治るだろう。」

そう言いながら全身を蔦で覆われる。
悪いようにはされないだろう。

「凄い傷痕だな。いつも刺されながら殺すのか？」

「いいえ。…呪いですよ。バンパイアの。」

「呪い。」

「俺、孤児院出身で。院がバンパイアの襲撃にあったんですよ。あいつら、自分勝手にみんなを殺しやがって。

いつか、いつか殺してやる…。」

「…苦しいか？」

「苦しくない日なんて無いですよ。」

「そうか…。」

だめだ…眠い…隊長の魔法だろうか…

「消してあげようか？」

「できるもんなら…」

「ふふ。」




「楽しみだ。」