血と踊る流動体

入江円

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第一章 戦争

Eight. William donor

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「隊長」

「はい。」

「なんですか、ここ。」

「えっ。ええと、3ヶ月泊まる部屋」

「転移術でも使ったんですか」

「ははっ。作ったよ。」

「作ったんですか」

「うん。あ、土足禁止ね。芝が生えてる手前で脱いでから上がってね。」

「ほんとだ。芝生えてる。お邪魔します」

「我々の家だからただいま、だよ。」

「ただいま。」

「…すげぇ。」

「3ヶ月も一緒だから個室を作ってみたよ。ほら。好きなの選んでね。」

「スゲー!!!」

「お風呂はここね。いつでも沸いてるから、臭くならない程度に入ってね。」

「「……」」


風呂、ある。

「それからね、中央に生やしたこの木なんだけど、」

生やした。

「さっき君達の血を吸ったから入れるようになったんだよね。つまり、この場所には他の生き物は入ってこれない仕組みになっているから安心して寝てね。」

安心して寝て。

「生った果実は食べれるから、これで魔力を補給してね。この芝に寝っ転がっても回復できるから。」

魔力を補給。

「あとこの火は消さないでね。寒い部屋に帰りたくないから作ってみたんだ。燃え広がらない様にしてあるから。」

燃えない。

「一応ここの閉じ方を伝えるね。外に出て、出入り口にこの紙をはるだけ。そしたら私の杖が現れると思うから、それを持って帰る。」

「出入り口に紙をはる。杖を持って帰る。」

「そう、外に出てからね。でないと生き埋めになっちゃうから。」

「「生き埋め。」」

「うん。」

「隊長。」

「はい。」

、ですね?」

「……、かな?」

?…おかしいな?首をかしげる俺を放っておいて、隊長はユルゲンの獲物に目を付けた。

「あ、兎だ!今晩のご飯?」

「はい。良ければ自分が作ってもいいでしょうか。」

「うん!」

うん!って。

「好きに使ってね。あ、先に個室だけ、好きなのを選んで。これからの事は食べながら話そう。」

俺達は本陣を離れて司令官殿よりもいい待遇を味わうことになった。



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