血と踊る流動体

入江円

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第一章 戦争

Six. William donor

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「話は以上だ。やってくれるかね、リベル君。」

「司令官殿がそこまで仰るなら、微力ではありますが、やり遂げる覚悟であります。」

「そうか!そうか。うん、うん。では、作戦の内容に移行しよう。」

作戦は我々三人が雪山に籠り、圧されている部隊への援護、バンパイアの駆除、といった字面にすると至ってシンプルなものだった。

殺せばいいんだ。殺せば。

「雪山に拠点を置く期間は雪が溶けるまでのおおよそ3ヶ月と考えている。その期間こちらからの支援は期待するな。物資は必要なだけ持っていくといい。決行は明日。作戦は以上だ。なにか質問はあるかね。」

「ありません、司令官殿。」

「よろしい。…あぁ、リベル君とは少し話がしたい。君達は先に戻っていてくれたまえ。」

「「はっ。」」


俺達は各自物資を詰め込んで明日に備える。
3ヶ月か。テント、寝袋、ナイフ、武器、石鹸、歯ブラシ、食器、塩、フライパン…

「あ、テントは要らないよ。私が造るから。」

ビックリした…足音くらい立てろよ…

「あ、ごめん。ビックリした?」

「いえ…テントは、要らないんですね?」

「うん。取って置きの拠点を造るから。
 ドナーさんとドールさんですね。
 ウィン・リベルです。
 団体行動は慣れてないから、変なところがあったら言ってくれると嬉しいです。
 3ヶ月間よろしくお願いします。」

「こちらこそ、宜しくお願いします。
 自分のことはウィリアムと呼んでください。」

「ユルゲンです。宜しくお願いします。」

「うん。私の事はウィンでもリベルでも、好きなように呼んでください。
 あ、ところで、さっき司令官殿と二人で話してた時に出た話題なんだけど、どうも今晩女を一人用意してくれたらしいんだよね。
私はどちらでもいいんだけど、二人が寝たかったら譲ろうかなと思って。」

…それは我々に3pをしろと?
思わず顔を見合わせた。

「隊長殿のご命令でしたら寝ますが、司令官殿はおそらく隊長にとお話しされたはずです。我々はまだやるべき事があります。
また次回お誘いいただけると嬉しいです。」

遠回しに嫌だと言ってみる。これで強要するなら仕方がない。上官だしな。
上官の命令は絶対だ。

「そう?
無理強いはしない。急にすまなかったね。
明日から宜しく頼むよ。」

そう言って隊長殿は帰っていった。

「…お前と3pも愉しそうだけどな。」

「言ってろ。俺はお断りだ。」

「そうか。実は俺もだ。」

「ウィリアムだ。宜しくな。」

「…ユルゲンだ。後衛は任せろ。」

軽口を叩きながら握手を交わした。明日の準備を進める。

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