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第一夜『星巡りの夜』
其之九:サムライ、お預かりします⑤
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「小紅……」
「なに言ってんだよ姉ちゃん、天岐多様ん家は全部燃えちゃったんだぞ?」
「屋敷は燃えても、天岐多様はまだ見つかってないんでしょ?諦めるのはまだ早いし、せめて家まで連れてってあげたいの。このままじゃこの子があまりにも可哀想よ。こんなにもご主人様のところに帰りたがってるのに…」
信じられないものを見る目を向けられるまでもなく、無茶なことを言っていると自分でも分かっている。
ニュースを見る限り、天岐多様が当時屋敷にいたのは確定らしい。それで行方不明という事はおそらく…絶望的なのだろう。──それでも。
「何事も、やってみなくちゃ分かんないわ」
お人形を見下ろすと、お人形もあたしをじっと見つめ返して来た。相変わらず半開きの両目はどこか淋しげで、だけど期待の色が満ちてきている…そう見えた。どうにかしてあげたいという思いが胸にこみ上げる。
「…小紅、冷静に考えてみろ」
そんなあたしを窘めてきたのは、今まで見たこともないような深刻な顔をしたハク兄さんだった。
「あのオッサンの人形ってことは、要するにこいつは昨夜の火事で焼け出されたんだろ?そしてこの右腕、どうみても刀傷だ。どうやらこの一件は事故じゃなくて事件だぜ。で、こいつは何か知ってる筈だ。このまま警察に突き出すべきだろ」
「それ、は……」
「…つか、状況的に警察の方があのオッサンと対面できる可能性高いんじゃねーか?」
「……………」
ハク兄さんの言う事は尤もだ。
今更だけど、このお人形は飛脚問屋に頼む荷物としては明らかに異質だ。それをあたしは飛脚としての責任感だけで持ち帰ってきたのだ。浅はかだったかもしれない。面倒事を持ち込んでしまったのかもしれない。でもだからこそ、自分が最後までこのお人形に対して責任を持ちたいという思いもある。引き下がりたくはなかった。
「…だったら、警察に連れてくついでに天岐多邸に寄って行くわ。ちょっと遠回りになるけどそんなに距離があるわけじゃないし」
「…お前なぁ……」
「クロ兄さん、お願い。あたしに任せて」
ハク兄さんの非難の目を振り切って、あたしはクロ兄さんに訴えた。何にせよ、この場での決定権は店長であるクロ兄さんにあるのだ。出来る限り視線に決意を込めて、真っ直ぐにその目を見つめる。
「……………」
クロ兄さんも、じっとあたしを見つめ返して来る。
───そして。
「ダメです。いけません」
「ええ~~~~っ!?」
あっさりと却下された。
「クロ兄さん、ここは普通『仕方ないな、ここは僕が何とかしとくから…』とか言って器のでかい頼れる大人キャラをアピールする場面じゃないの?」
「勝手に都合の良い属性を付けるな。そーいうのは器がでかいんじゃなくてただの無責任ていうんだよ。何期待してるか知らんけど、店長とはいえ僕はしがない一町飛脚だ。無理にでかくしたらその分薄っぺらくて割れやすくなる程度の器しか持ち合わせてない」
こうも堂々と滔々と返されては、もはや何も言い返せない。
「癪だけど兄貴に同意だよ。このドールがもし本当に天岐多様の持ち物で、しかも今回の火事に関係してる可能性があるなら…下手に持ち出さず警察に通報するべきだろうね」
「ええ~~、そんなぁ…」
「おい黒羽、なんで俺に同意するのが癪なんだ」
残念な結果に申し訳ない気持ちで振り返ると、お人形は静かに俯いて目を閉じていた。何の表情も読み取れなくなってしまい、何だか罪悪感で居たたまれなくなる。
そんなあたしにクロ兄さんは優しく微笑んだ。
「…お前のその気持ちは頼もしいけど、そう気負うな。お前はまだ見習いなんだから」
「………ぅん…」
小さく頷き、「分かった」と口を開こうとしたその時、クロ兄さんの持つタブレットから呼び出し音が鳴り響いた。
この音はおそらく、本店からのスクエア(メッセージアプリの事だ)だろう。クロ兄さんはすぐさまアプリを開き、メッセージを確認しはじめた。
「はい、駅前店です。……ええ、先程の件で……………え、そうなんですか?」
何やら、随分と驚いた様子の声が上がった。通話ではなく音声入力のメッセージでやり取りしているらしく、向こうが何を話しているのかあたし達には分からない。
「…それは、今回の天岐多邸の火災の件も考慮しての事ですか?…………そうですか。……分かりました。そのように対処します」
やり取りを終えたクロ兄さんは、どこか拍子抜けしたような顔をしていた。
「…えーと。結論から言うとそのお人形、明日までうちで預かることになりました」
「えっ!?」
「さっきその子について本店に相談して、今その回答が来たんだけど…。簡単に言うと『明日しかるべき担当の者が引き取りに行くから大事に保管しとけ』ってさ」
一転して意外な展開に、あたし達もクロ兄さんに続いて拍子抜け顔になる。さっきまでの熱いやり取りは何だったのだろうか。それにしても「しかるべき者」とは随分と曖昧だ。ハク兄さんも同じ印象を持ったらしく、訝し気な顔をする。
「おいおい大丈夫なのかよ。面倒事は御免だぜ」
「兄貴がそれ言うかねぇ?…とはいえ事情を全部説明した上での回答だからなぁ。それに、どうも警察どころの話じゃなさそうだし…」
何やら気になるところまで言いかけて、クロ兄さんは言葉を切ってしまった。
「…詳しくは明日、そのお人形くんを無事に引き渡してから説明するよ。今話すとお前らまたテンパりそうだ」
「???」
含みのある言い方が引っかかるけれど、ちゃんと説明してくれると言っているのだから素直に従う事にした。こういう時のクロ兄さんの判断は大体正しい。
「そんなわけで、お人形くん。頼ってもらったのに裏切るような形になって悪いけど、そういう事だから…」
「…事情は理解した。致し方ないことと思う」
クロ兄さんの申し訳なさそうな言葉に、お人形は変わらず無表情のまま意外にもあっさりと承諾した。よく考えればドールなのだから、人間がダメと言えば逆らう訳がないのだ。
どちらかと言えば、納得できないのはあたしの方だった。警察に通報せずに済んだことにはひとまずホッとしたけど、結局お人形を天岐多様に会わせてあげられないという事には変わりはない。
やっぱり、悔しい。どうしようもないという事も、あたしが一方的に感情移入しているだけだという事も分かっているけれど、どうしてもその気持ちは拭えなかった。
飛脚の仕事は、お客様の手紙や荷物をお預かりして相手に届けることだ。それが心のこもった手紙だろうとビジネス書類だろうとフリマアプリで売れた古着だろうと関係ない。相手に届いた時に飛脚の仕事は終わり、荷物たちの仕事は相手に届いてから始まる。まず荷物が届かなければ、飛脚の仕事に終わりも始まりも意味もない。
だから、このお人形を天岐多様に届けるという決意を引っ込め、殻に閉じ込めてしまうのが悔しかった。
ふと、このお人形はこれからどこに行くのだろうと考えた。しかるべき者とは誰だろう。新しいご主人様のところに引き取られるのだろうか。それともメーカーに戻されるのだろうか。それとも…。
伝票を書いたのは天岐多様かもしれないけれど、依頼したのはこのお人形自身でもある。それはやっぱり、天岐多様のところに帰りたいからだろう。でもこのお人形には受取先も依頼元ももうないのだ。届けられることも、戻るところもない──迷子のお届け物。
あたしは悔しくなり、それからどうしようもなく切なくなった。明日になれば、このお人形はしかるべきところへ引き取られていく。そしたら、そこで終わりだ。たった一晩預かるだけだけれど、これから長くなるだろうあたしの飛脚人生において、きっとこのお人形は特別な一件としてあたしの心に残り続けるのだろう。
何だかたまらなくなってきてしまい、あたしは思わずお人形に話しかけていた。
「ねぇ。あなた、お名前はなんていうの?あたしは小紅。日加賀見小紅よ」
「……………」
すると、お人形の左目の光が一層忙しなくチカチカと点滅し始めた。
「…『ヒカガミ コベニ』……」
お人形はあたしの名前を呟くと、しばらくじっと黙り込んだ。かと思えば、突然ぐりっと顔を上げて見つめてきたものだから、あたしはつい驚いてビクッと肩を震わせてしまった。
「…了解した、日加賀見小紅殿。俺の名は『織星 綺也之介』。どうぞよろしくお頼み申し上げる」
「わあ、ちゃんとおサムライっぽい名前なんだ!しかも名前覚えてくれた!うれしい~~っ!」
「あー、姉ちゃんばっかズリぃ~!!おれもドールと遊びたい!」
「二人とも、その辺にしときなさい。早くしないと最終の集荷が来ちゃうぞ」
少しだけ気分が持ち上がり、機嫌よくはぁいと返事すると、最後にもう一度だけお人形に向き直った。
さっきの「よろしく」というのは、名乗る時に登録された定型の挨拶なのだろう。でも、たとえ一期一会でも縁は縁。たった一晩、されど一晩の付き合いだ。
せめてここにいる間だけでも、この出会いを大事にしたいと思い、あたしは笑顔で挨拶を返した。
「こちらこそよろしくね!えーと、『綺也さま』!」
「…俺をドールと知って敬称で呼ぶのか?」
「いいじゃない!せっかく見た目はおサムライなんだし、雰囲気ってやつよ。それに……」
「………それに?」
──それに、お高いんでしょう───?
…とは、流石に言わないでおいた。
「なに言ってんだよ姉ちゃん、天岐多様ん家は全部燃えちゃったんだぞ?」
「屋敷は燃えても、天岐多様はまだ見つかってないんでしょ?諦めるのはまだ早いし、せめて家まで連れてってあげたいの。このままじゃこの子があまりにも可哀想よ。こんなにもご主人様のところに帰りたがってるのに…」
信じられないものを見る目を向けられるまでもなく、無茶なことを言っていると自分でも分かっている。
ニュースを見る限り、天岐多様が当時屋敷にいたのは確定らしい。それで行方不明という事はおそらく…絶望的なのだろう。──それでも。
「何事も、やってみなくちゃ分かんないわ」
お人形を見下ろすと、お人形もあたしをじっと見つめ返して来た。相変わらず半開きの両目はどこか淋しげで、だけど期待の色が満ちてきている…そう見えた。どうにかしてあげたいという思いが胸にこみ上げる。
「…小紅、冷静に考えてみろ」
そんなあたしを窘めてきたのは、今まで見たこともないような深刻な顔をしたハク兄さんだった。
「あのオッサンの人形ってことは、要するにこいつは昨夜の火事で焼け出されたんだろ?そしてこの右腕、どうみても刀傷だ。どうやらこの一件は事故じゃなくて事件だぜ。で、こいつは何か知ってる筈だ。このまま警察に突き出すべきだろ」
「それ、は……」
「…つか、状況的に警察の方があのオッサンと対面できる可能性高いんじゃねーか?」
「……………」
ハク兄さんの言う事は尤もだ。
今更だけど、このお人形は飛脚問屋に頼む荷物としては明らかに異質だ。それをあたしは飛脚としての責任感だけで持ち帰ってきたのだ。浅はかだったかもしれない。面倒事を持ち込んでしまったのかもしれない。でもだからこそ、自分が最後までこのお人形に対して責任を持ちたいという思いもある。引き下がりたくはなかった。
「…だったら、警察に連れてくついでに天岐多邸に寄って行くわ。ちょっと遠回りになるけどそんなに距離があるわけじゃないし」
「…お前なぁ……」
「クロ兄さん、お願い。あたしに任せて」
ハク兄さんの非難の目を振り切って、あたしはクロ兄さんに訴えた。何にせよ、この場での決定権は店長であるクロ兄さんにあるのだ。出来る限り視線に決意を込めて、真っ直ぐにその目を見つめる。
「……………」
クロ兄さんも、じっとあたしを見つめ返して来る。
───そして。
「ダメです。いけません」
「ええ~~~~っ!?」
あっさりと却下された。
「クロ兄さん、ここは普通『仕方ないな、ここは僕が何とかしとくから…』とか言って器のでかい頼れる大人キャラをアピールする場面じゃないの?」
「勝手に都合の良い属性を付けるな。そーいうのは器がでかいんじゃなくてただの無責任ていうんだよ。何期待してるか知らんけど、店長とはいえ僕はしがない一町飛脚だ。無理にでかくしたらその分薄っぺらくて割れやすくなる程度の器しか持ち合わせてない」
こうも堂々と滔々と返されては、もはや何も言い返せない。
「癪だけど兄貴に同意だよ。このドールがもし本当に天岐多様の持ち物で、しかも今回の火事に関係してる可能性があるなら…下手に持ち出さず警察に通報するべきだろうね」
「ええ~~、そんなぁ…」
「おい黒羽、なんで俺に同意するのが癪なんだ」
残念な結果に申し訳ない気持ちで振り返ると、お人形は静かに俯いて目を閉じていた。何の表情も読み取れなくなってしまい、何だか罪悪感で居たたまれなくなる。
そんなあたしにクロ兄さんは優しく微笑んだ。
「…お前のその気持ちは頼もしいけど、そう気負うな。お前はまだ見習いなんだから」
「………ぅん…」
小さく頷き、「分かった」と口を開こうとしたその時、クロ兄さんの持つタブレットから呼び出し音が鳴り響いた。
この音はおそらく、本店からのスクエア(メッセージアプリの事だ)だろう。クロ兄さんはすぐさまアプリを開き、メッセージを確認しはじめた。
「はい、駅前店です。……ええ、先程の件で……………え、そうなんですか?」
何やら、随分と驚いた様子の声が上がった。通話ではなく音声入力のメッセージでやり取りしているらしく、向こうが何を話しているのかあたし達には分からない。
「…それは、今回の天岐多邸の火災の件も考慮しての事ですか?…………そうですか。……分かりました。そのように対処します」
やり取りを終えたクロ兄さんは、どこか拍子抜けしたような顔をしていた。
「…えーと。結論から言うとそのお人形、明日までうちで預かることになりました」
「えっ!?」
「さっきその子について本店に相談して、今その回答が来たんだけど…。簡単に言うと『明日しかるべき担当の者が引き取りに行くから大事に保管しとけ』ってさ」
一転して意外な展開に、あたし達もクロ兄さんに続いて拍子抜け顔になる。さっきまでの熱いやり取りは何だったのだろうか。それにしても「しかるべき者」とは随分と曖昧だ。ハク兄さんも同じ印象を持ったらしく、訝し気な顔をする。
「おいおい大丈夫なのかよ。面倒事は御免だぜ」
「兄貴がそれ言うかねぇ?…とはいえ事情を全部説明した上での回答だからなぁ。それに、どうも警察どころの話じゃなさそうだし…」
何やら気になるところまで言いかけて、クロ兄さんは言葉を切ってしまった。
「…詳しくは明日、そのお人形くんを無事に引き渡してから説明するよ。今話すとお前らまたテンパりそうだ」
「???」
含みのある言い方が引っかかるけれど、ちゃんと説明してくれると言っているのだから素直に従う事にした。こういう時のクロ兄さんの判断は大体正しい。
「そんなわけで、お人形くん。頼ってもらったのに裏切るような形になって悪いけど、そういう事だから…」
「…事情は理解した。致し方ないことと思う」
クロ兄さんの申し訳なさそうな言葉に、お人形は変わらず無表情のまま意外にもあっさりと承諾した。よく考えればドールなのだから、人間がダメと言えば逆らう訳がないのだ。
どちらかと言えば、納得できないのはあたしの方だった。警察に通報せずに済んだことにはひとまずホッとしたけど、結局お人形を天岐多様に会わせてあげられないという事には変わりはない。
やっぱり、悔しい。どうしようもないという事も、あたしが一方的に感情移入しているだけだという事も分かっているけれど、どうしてもその気持ちは拭えなかった。
飛脚の仕事は、お客様の手紙や荷物をお預かりして相手に届けることだ。それが心のこもった手紙だろうとビジネス書類だろうとフリマアプリで売れた古着だろうと関係ない。相手に届いた時に飛脚の仕事は終わり、荷物たちの仕事は相手に届いてから始まる。まず荷物が届かなければ、飛脚の仕事に終わりも始まりも意味もない。
だから、このお人形を天岐多様に届けるという決意を引っ込め、殻に閉じ込めてしまうのが悔しかった。
ふと、このお人形はこれからどこに行くのだろうと考えた。しかるべき者とは誰だろう。新しいご主人様のところに引き取られるのだろうか。それともメーカーに戻されるのだろうか。それとも…。
伝票を書いたのは天岐多様かもしれないけれど、依頼したのはこのお人形自身でもある。それはやっぱり、天岐多様のところに帰りたいからだろう。でもこのお人形には受取先も依頼元ももうないのだ。届けられることも、戻るところもない──迷子のお届け物。
あたしは悔しくなり、それからどうしようもなく切なくなった。明日になれば、このお人形はしかるべきところへ引き取られていく。そしたら、そこで終わりだ。たった一晩預かるだけだけれど、これから長くなるだろうあたしの飛脚人生において、きっとこのお人形は特別な一件としてあたしの心に残り続けるのだろう。
何だかたまらなくなってきてしまい、あたしは思わずお人形に話しかけていた。
「ねぇ。あなた、お名前はなんていうの?あたしは小紅。日加賀見小紅よ」
「……………」
すると、お人形の左目の光が一層忙しなくチカチカと点滅し始めた。
「…『ヒカガミ コベニ』……」
お人形はあたしの名前を呟くと、しばらくじっと黙り込んだ。かと思えば、突然ぐりっと顔を上げて見つめてきたものだから、あたしはつい驚いてビクッと肩を震わせてしまった。
「…了解した、日加賀見小紅殿。俺の名は『織星 綺也之介』。どうぞよろしくお頼み申し上げる」
「わあ、ちゃんとおサムライっぽい名前なんだ!しかも名前覚えてくれた!うれしい~~っ!」
「あー、姉ちゃんばっかズリぃ~!!おれもドールと遊びたい!」
「二人とも、その辺にしときなさい。早くしないと最終の集荷が来ちゃうぞ」
少しだけ気分が持ち上がり、機嫌よくはぁいと返事すると、最後にもう一度だけお人形に向き直った。
さっきの「よろしく」というのは、名乗る時に登録された定型の挨拶なのだろう。でも、たとえ一期一会でも縁は縁。たった一晩、されど一晩の付き合いだ。
せめてここにいる間だけでも、この出会いを大事にしたいと思い、あたしは笑顔で挨拶を返した。
「こちらこそよろしくね!えーと、『綺也さま』!」
「…俺をドールと知って敬称で呼ぶのか?」
「いいじゃない!せっかく見た目はおサムライなんだし、雰囲気ってやつよ。それに……」
「………それに?」
──それに、お高いんでしょう───?
…とは、流石に言わないでおいた。
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