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第一夜『星巡りの夜』
其之二:桃園谷の看板娘①
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「よっ、と…ただいまぁ~!」
ポスト周りの仕事を終え、あたしは暑さと疲労でへとへとになりながら、ようやく駅前にある職場兼自宅へ戻ってきた。日の長いこの季節でも、流石にこの時間になると日差しが夕方の色を帯びてきている。
あたしはカーゴPMを建物裏の勝手口の前に停めると、回収してきた郵袋を引きずるように運び入れながら、表の店の方へ声をかけた。
「あ、姉ちゃんお帰り!早く早くー!窓口頼むよ~」
途端に、待ってましたとばかりに嬉しそうな弟の弾んだ声が返ってくる。嫌な予感がして店に向かうと、そこには目を疑うような、そして眩暈のしそうな光景が広がっていた。カウンター前にずらりと並ぶ人、人、人。店始まって以来かもしれない満員御礼だ。あたしはサーッと血の引く音を聞きながら、どさりと郵袋を取り落とした。
「ちょ、ちょっと何よこの混みっぷり!蒼太、あんたどんだけお客さん待たせてんのよ!」
「えー?うーん、やっぱおれ内務向いてないかもー」
こんな状況に置かれながらも、弟・蒼太はあくまでのほほんとしている。
ろくに梳かしてもいないのだろう、ツンツンと寝癖で跳ね放題伸び放題の髪を無造作に結び、窓口業務用のエプロンさえ着けていない。とてもお客様の前に立つ格好ではないけど、本人は窮屈だと言って何度注意しても改めようとしない。決して悪い子ではないのだけれど、兎にも角にもとんでもなくマイペースなのだ。
とにかく、そんな弟の性格を分かっていながら窓口を任せてしまったあたしにも、この事態を収拾する責任があると言えよう。もちろん腑には落ちないけれど。
あたしは外回りの制服姿のまま、慌ててカウンターに駆け込んだ。普段のあたしなら当然、ちゃんとエプロン姿に着替えるし髪だってちゃんと整えてから窓口に立つ。でもこの状況ではとても身なりを気にしている暇はない。ちらりと時計を見れば、閉店時間まで既に残り30分を切っていた。
「姉ちゃん、書留の番号札ってどこ?あと着払いの伝票も」
「書留は右から二番目の箪笥で、伝票はそこに無いなら二階の倉庫……ああもう、クロ兄さん…いえ店長とヒトミさんは!?」
「クロ兄ちゃんは本店に呼ばれて出て行って、ヒトミばーちゃんはさっき老眼鏡を取りに行くって家に戻ってそれっきりだから、多分そのまま忘れて帰ったと思う」
「もう!わかったわよ、窓口はあたしがやるからあんたはそこの別納郵便の山にハンコ捺して!………いらっしゃいませー!大変お待たせいたしましたっ、お待ちのお客様、こちらの窓口へどうぞ~♪」
目尻を釣り上げて弟に指示を出した後、すぐさまくるりと満面の営業スマイル+1オクターブ高い声でお客さんに振り返る。
「いや~小紅ちゃん、相変わらず見事な百面相っぷりだねぇ」
「よっ、さすが『自称・桃園谷の看板娘』!」
その様子が余程面白かったようで、見ていたお客さんたちから茶化すような掛け声が飛んできた。
「自称は余計よ、畳屋さん!…ハイこちら、書留ですね。八百屋さんはいつもの収入印紙でいいかしら?…ATMのお客様~っ、そのお電話大丈夫ですか?詐欺じゃないですか~っ?」
天手古舞になりながらも、一つ一つてきぱきと仕事をこなしていく。
ここ桃園谷は新東京建設時代からの古い商店街で、この店に来るお客さんもほとんど顔なじみの常連さんたちだ。幸いにも大らかに見守ってくれる気の良い人たちばかりだけれど、もちろんお客様の優しさに甘んじてはいけない。手早く迅速に、かつ誠実に丁寧に。細かな気配りとプライドと責任を持って業務にあたる。何故ならこれがあたしの仕事だからだ。
今日はたまたま訳あってポスト周りをしていたけれど、あたしは本来この窓口を預かる者。この駅前で、この街にやってきたお客様をとびきりの笑顔でお迎えする、桃園谷の看板娘なのだ。
ここは『飛脚問屋』。
お手紙や荷物を運んだり、お金を預かったりするお店だ。ジパング大破壊の前は郵便局と呼ばれていて、国が運営していた時代もあったらしいけれど、ジパング再建の流れの中で民営化されて今では民間企業だ。
あたしはこの『飛脚問屋 桃園谷駅前店』で、見習い飛脚として兄弟たちと一緒に住み込みで働いている。店舗としては小さいけれど駅前という立地にも恵まれ、ありがたい事にそこそこ繁盛している。
とはいえ、流石にこの混雑はに身に余る。店の入り口はひっきりなしに開閉を繰り返し、その度にドアベル代わりの電子風鈴がチリチリと絶え間なく鳴り響く。
そんな中、一人のお客さんが出て行ったところで、入れ替わるように若い男性が一人入ってきた。ひょろりと背の高い白髪頭の姿は、黒山の人だかりの中で一際目立つ。
「おおっこりゃスゲーな!大盛況じゃねぇか」
彼はこの状況を見て、かけていたサングラスをひょいと白髪頭の上に乗せると、赤い目を細めてさも愉快とばかりに黒山の向こうからニヤニヤと声をかけてきた。
「あれ?ハク兄ちゃんもう帰ってきたの?今回は3日しか空けなかったね」
「えっハク兄さん!?も~~この忙しい時に…!言っとくけど、揉め事はもう御免だからね!!」
「何だよ手厳しいじゃねーか。黒羽いる?賭場でまたスッちまってよぉ、金貸してほしいんだけど」
「「帰れ!!」」
「ハハハ、だから帰ってきてんじゃ~ん」
真っ白な髪と肌に、赤い眼。一見神秘的ともいえる外見でありながら、いかにも遊び人といった軽薄な空気を纏っているこの人物は、白兎兄さん。あたしと蒼太の兄で、一応うちの長男だ。
いわゆるアルビノで、配色はまさにその名の通りの白ウサギ。しかし困ったことに素行は決してウサギのように可愛らしいものではなく、博打は打つわ女性は買うわ、先日なんて人妻に手を出そうとしたとかで旦那さんが鼻息荒く店に乗り込んできたほどだ。辛うじて犯罪になるようなことはしないだけまだマシだけれど、単にそこまで気が大きくないだけだろう。おまけに仕事もせずフラフラしていて、10日にいっぺん帰ってくるならまだ良い方だし、偶に帰ってきたと思えば今みたいに金の無心という有様。要は穀潰しのトラブルメーカーだ。
今ここにはいないもう一人の兄曰く「昔はマトモだった」との事だけれど、歳が離れているあたしと蒼太にはそのマトモだった頃とやらの姿の記憶がほとんど無く、今一つ信じ難い。
「いねぇならしゃーねぇ、忙しそうだし、また後でな」
「待ってハク兄さん、暇なら少しは手伝ってよ!」
ひらひらと手を振って踵を返そうとするハク兄さんを、逃がすものかとばかりに呼び止める。今はとにかく猫の手ならぬ兎の手も借りたい状況なのだ。
「裏のPMから荷物下ろしといてちょうだい!人並みの腕力があれば誰でも出来るから」
「え、俺の評価そんななの?」
「ブンソウオウだと思うよー、ハク兄ちゃん」
蒼太に冷やかされてぶつくさ文句を言いながらも、ハク兄さんは人混みをかき分けてこちらへやってくると、カウンターを上げて中に入ってきた。
「…小紅」
そして奥の勝手口に向かう前にふと立ち止まり、あたしに声をかけてきた。
「…あー、10歳だったか?」
「そんなワケないでしょ。14よ、14歳」
「おお、そーかそーか。いつまでもちびっこいまんまだから、蒼太と区別つかねぇぜ」
「成長期なんだからこれから伸びるの!…で、何かあたしに言う事は?」
「…へいへい、おめっとさん」
「えへへ、ありがと!」
あたしが笑顔で答えると、ハク兄さんもどこか照れ臭そうに二ッと微笑みを返し、店の奥へと消えていった。
(素直じゃないなー、ほんとに)
どうにも面倒くさい性格のあの長兄は、いちいち憎まれ口を叩かなければろくに『誕生日おめでとう』も言えないらしい。
とはいえ、滅多に帰ってこない彼が珍しく日の高いうちに帰ってきたのだ。ハク兄さんなりに祝ってくれているつもりなのは間違いない。
そう、本日七月七日は───あたしの14歳の誕生日なのだ。
ポスト周りの仕事を終え、あたしは暑さと疲労でへとへとになりながら、ようやく駅前にある職場兼自宅へ戻ってきた。日の長いこの季節でも、流石にこの時間になると日差しが夕方の色を帯びてきている。
あたしはカーゴPMを建物裏の勝手口の前に停めると、回収してきた郵袋を引きずるように運び入れながら、表の店の方へ声をかけた。
「あ、姉ちゃんお帰り!早く早くー!窓口頼むよ~」
途端に、待ってましたとばかりに嬉しそうな弟の弾んだ声が返ってくる。嫌な予感がして店に向かうと、そこには目を疑うような、そして眩暈のしそうな光景が広がっていた。カウンター前にずらりと並ぶ人、人、人。店始まって以来かもしれない満員御礼だ。あたしはサーッと血の引く音を聞きながら、どさりと郵袋を取り落とした。
「ちょ、ちょっと何よこの混みっぷり!蒼太、あんたどんだけお客さん待たせてんのよ!」
「えー?うーん、やっぱおれ内務向いてないかもー」
こんな状況に置かれながらも、弟・蒼太はあくまでのほほんとしている。
ろくに梳かしてもいないのだろう、ツンツンと寝癖で跳ね放題伸び放題の髪を無造作に結び、窓口業務用のエプロンさえ着けていない。とてもお客様の前に立つ格好ではないけど、本人は窮屈だと言って何度注意しても改めようとしない。決して悪い子ではないのだけれど、兎にも角にもとんでもなくマイペースなのだ。
とにかく、そんな弟の性格を分かっていながら窓口を任せてしまったあたしにも、この事態を収拾する責任があると言えよう。もちろん腑には落ちないけれど。
あたしは外回りの制服姿のまま、慌ててカウンターに駆け込んだ。普段のあたしなら当然、ちゃんとエプロン姿に着替えるし髪だってちゃんと整えてから窓口に立つ。でもこの状況ではとても身なりを気にしている暇はない。ちらりと時計を見れば、閉店時間まで既に残り30分を切っていた。
「姉ちゃん、書留の番号札ってどこ?あと着払いの伝票も」
「書留は右から二番目の箪笥で、伝票はそこに無いなら二階の倉庫……ああもう、クロ兄さん…いえ店長とヒトミさんは!?」
「クロ兄ちゃんは本店に呼ばれて出て行って、ヒトミばーちゃんはさっき老眼鏡を取りに行くって家に戻ってそれっきりだから、多分そのまま忘れて帰ったと思う」
「もう!わかったわよ、窓口はあたしがやるからあんたはそこの別納郵便の山にハンコ捺して!………いらっしゃいませー!大変お待たせいたしましたっ、お待ちのお客様、こちらの窓口へどうぞ~♪」
目尻を釣り上げて弟に指示を出した後、すぐさまくるりと満面の営業スマイル+1オクターブ高い声でお客さんに振り返る。
「いや~小紅ちゃん、相変わらず見事な百面相っぷりだねぇ」
「よっ、さすが『自称・桃園谷の看板娘』!」
その様子が余程面白かったようで、見ていたお客さんたちから茶化すような掛け声が飛んできた。
「自称は余計よ、畳屋さん!…ハイこちら、書留ですね。八百屋さんはいつもの収入印紙でいいかしら?…ATMのお客様~っ、そのお電話大丈夫ですか?詐欺じゃないですか~っ?」
天手古舞になりながらも、一つ一つてきぱきと仕事をこなしていく。
ここ桃園谷は新東京建設時代からの古い商店街で、この店に来るお客さんもほとんど顔なじみの常連さんたちだ。幸いにも大らかに見守ってくれる気の良い人たちばかりだけれど、もちろんお客様の優しさに甘んじてはいけない。手早く迅速に、かつ誠実に丁寧に。細かな気配りとプライドと責任を持って業務にあたる。何故ならこれがあたしの仕事だからだ。
今日はたまたま訳あってポスト周りをしていたけれど、あたしは本来この窓口を預かる者。この駅前で、この街にやってきたお客様をとびきりの笑顔でお迎えする、桃園谷の看板娘なのだ。
ここは『飛脚問屋』。
お手紙や荷物を運んだり、お金を預かったりするお店だ。ジパング大破壊の前は郵便局と呼ばれていて、国が運営していた時代もあったらしいけれど、ジパング再建の流れの中で民営化されて今では民間企業だ。
あたしはこの『飛脚問屋 桃園谷駅前店』で、見習い飛脚として兄弟たちと一緒に住み込みで働いている。店舗としては小さいけれど駅前という立地にも恵まれ、ありがたい事にそこそこ繁盛している。
とはいえ、流石にこの混雑はに身に余る。店の入り口はひっきりなしに開閉を繰り返し、その度にドアベル代わりの電子風鈴がチリチリと絶え間なく鳴り響く。
そんな中、一人のお客さんが出て行ったところで、入れ替わるように若い男性が一人入ってきた。ひょろりと背の高い白髪頭の姿は、黒山の人だかりの中で一際目立つ。
「おおっこりゃスゲーな!大盛況じゃねぇか」
彼はこの状況を見て、かけていたサングラスをひょいと白髪頭の上に乗せると、赤い目を細めてさも愉快とばかりに黒山の向こうからニヤニヤと声をかけてきた。
「あれ?ハク兄ちゃんもう帰ってきたの?今回は3日しか空けなかったね」
「えっハク兄さん!?も~~この忙しい時に…!言っとくけど、揉め事はもう御免だからね!!」
「何だよ手厳しいじゃねーか。黒羽いる?賭場でまたスッちまってよぉ、金貸してほしいんだけど」
「「帰れ!!」」
「ハハハ、だから帰ってきてんじゃ~ん」
真っ白な髪と肌に、赤い眼。一見神秘的ともいえる外見でありながら、いかにも遊び人といった軽薄な空気を纏っているこの人物は、白兎兄さん。あたしと蒼太の兄で、一応うちの長男だ。
いわゆるアルビノで、配色はまさにその名の通りの白ウサギ。しかし困ったことに素行は決してウサギのように可愛らしいものではなく、博打は打つわ女性は買うわ、先日なんて人妻に手を出そうとしたとかで旦那さんが鼻息荒く店に乗り込んできたほどだ。辛うじて犯罪になるようなことはしないだけまだマシだけれど、単にそこまで気が大きくないだけだろう。おまけに仕事もせずフラフラしていて、10日にいっぺん帰ってくるならまだ良い方だし、偶に帰ってきたと思えば今みたいに金の無心という有様。要は穀潰しのトラブルメーカーだ。
今ここにはいないもう一人の兄曰く「昔はマトモだった」との事だけれど、歳が離れているあたしと蒼太にはそのマトモだった頃とやらの姿の記憶がほとんど無く、今一つ信じ難い。
「いねぇならしゃーねぇ、忙しそうだし、また後でな」
「待ってハク兄さん、暇なら少しは手伝ってよ!」
ひらひらと手を振って踵を返そうとするハク兄さんを、逃がすものかとばかりに呼び止める。今はとにかく猫の手ならぬ兎の手も借りたい状況なのだ。
「裏のPMから荷物下ろしといてちょうだい!人並みの腕力があれば誰でも出来るから」
「え、俺の評価そんななの?」
「ブンソウオウだと思うよー、ハク兄ちゃん」
蒼太に冷やかされてぶつくさ文句を言いながらも、ハク兄さんは人混みをかき分けてこちらへやってくると、カウンターを上げて中に入ってきた。
「…小紅」
そして奥の勝手口に向かう前にふと立ち止まり、あたしに声をかけてきた。
「…あー、10歳だったか?」
「そんなワケないでしょ。14よ、14歳」
「おお、そーかそーか。いつまでもちびっこいまんまだから、蒼太と区別つかねぇぜ」
「成長期なんだからこれから伸びるの!…で、何かあたしに言う事は?」
「…へいへい、おめっとさん」
「えへへ、ありがと!」
あたしが笑顔で答えると、ハク兄さんもどこか照れ臭そうに二ッと微笑みを返し、店の奥へと消えていった。
(素直じゃないなー、ほんとに)
どうにも面倒くさい性格のあの長兄は、いちいち憎まれ口を叩かなければろくに『誕生日おめでとう』も言えないらしい。
とはいえ、滅多に帰ってこない彼が珍しく日の高いうちに帰ってきたのだ。ハク兄さんなりに祝ってくれているつもりなのは間違いない。
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