心さえも欺いて……

ハーマ

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本当の心

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ガルガード視点

ガルガード「電話?こんな時間に……」

その日の夜  ガルガードは偶々部屋でのんびりしていた……だが夜遅くに個人用のスマートフォンに電話が来てそれを取るとその相手はレオン

ガルガード「何事だ」

レオン『す、すいませ……ゆ…夢……夢を見て……起きてしま……て……発作……発作が起き……起きてて……そ……それ……それで……』

ガルガード  発作?この時期に?

ガルガード「分かったから落ち着け  私の部屋に来い……いや私が行った方が良いか?」

レオン『行き……行きます』

ガルガード  動揺しすぎて訳が分からなくなっているな……

ガルガード「……今回はかなり発作が激しい様だな  早く部屋に入れ……この時期にその姿では風邪を引く」

そう言ってガルガードは肩で息をするレオンの腕を引いて鍵をかけてから自室のベッドの中へ

ガルガード  身体中震えてるじゃないか……最近はここまで激しい物はなかった……身体も冷たいし……

布団の中でさえも震えるレオンを心配したガルガードは一緒に布団の中に入りレオンを抱きしめる

レオン「アルタイル……」

ガルガード「冷たいな……お前の身体は」

レオンを優しく撫でたガルガードが初めて見せた優しさに溢れたその表情……レオンの冷たくなったその身体を温めてくれる唯一の存在

レオン「……隣に居させて下さい……ずっと……貴方か俺が死ぬその時まで……」

ガルガード「…………」

レオンの言葉が予想外でガルガードは一旦停止

ガルガード「The business by which subordinate's wish is also I  If Alutile wishes, I'll always leave it in my side.(部下の願いも私の役目  アルタイルが望むなら常に私の傍に置いておいてやる)」

レオン「Please put it in the side, until that case by which life comes to an end.(傍に置いておいて下さい  命尽きるその時まで)」

英語には英語で返すレオンの律儀さは変わらずだが声が震えている

レオン「ガル……」

ふと聞こえた懐かしく呼ばれていない言葉……

ガルガード「レオン……私が好きか?」

無意識にガルガードはレオンに問いた「私が好きか?」と

レオン「好きです……愛しています……だから……俺を暖めて……?貴方の手で……心まで……」

ガルガード  愛おしい……

つい思ってしまったその言葉……

ガルガード「Because the intention that Leon is separated calmed at all, I stay on my side until that case by which life comes to an end, JIFASU.(私はレオンを離す気は毛頭ない  だから命尽きるその時まで私の側にいろジーファス)」

ガルガード  ジーファス……貴様は……

「似ている」とガルガードは思う……ガルガードが昔本気で心の底から愛した男に……

割れ物を労るかの様にガルガードはレオンを抱く紅い瞳の奥にある「願い」……美し過ぎるレオンの見てきた残酷過ぎる現実を一時でも忘れられる様に……

~朝~

ガルガード「いない……か……」

いつも通り起きると隣で眠っていたレオンは居らず代わりに暖かい食事と書置き

ガルガード「……律儀さは変わらず」

書置きには「申し訳ありません  緊急の仕事が入り何も言わずに出ていきました  朝食は朝余り食べる事の出来ない隊長に合わせてあります  仕事が完了次第部屋に向かいます」との事

ガルガード「シャルート  貴様又報告書の記入漏れがあったぞ  何回いえばわかる?仕置きが必要なようだな」

シャルート「最高司令官……申し訳有りません!!どうか痛いのだけは……!!」

ガルガード「何時もの部屋に来い  仕置だ」

シャルートに仕置きの報告をしてガルガードは何時ものオフィスへ

部下「キャプテン  面会をしたいと言う者が」

ガルガード「応接室に通せ」

部下「はっ」

ガルガードはガルガードの部隊の者には「隊長」と呼ばれ、他の隊の者には「最高司令官」か「キャプテン」と呼ばれるものの「最高司令官」としか言われない、どちらかと言うとガルガードの部隊の者に「キャプテン」と呼ばれる事の方が多い、レオンは珍しい方でガルガードの事を「隊長」と呼ぶ

ガルガード「ウィンラー  どうやってここまで来た?」

面会の相手は昔日本にいた時に仲の良かった部下の様な仲間

ウィンラー「ご無沙汰しています  俺の情報網を舐めないでくれません?ガルガード様」

ガルガード  久しぶりに会ったな……

ウィンラー「……日本で羚凰様が亡くなって早50世紀……貴方は大いに変わってしまった」

ガルガード「……変わるなと言う方が無理だと思うぞ  目の前で愛した男を殺され彼らも育ち今では音信不通……日本は爆発的なテロでほぼ壊滅状態な上に紅い瞳の持ち主は疎まれ殺される時代の中で……日本から離れたこの国で出会ったレオン・ジーファス・ルゼート……羚凰と国籍は違えど同姓同名……情が移りそうになる」

ウィンラー「もう移っているんじゃないですか?貴方の事だ気がついていないだけで」

ガルガード「…………」

ガルガード  この気持ちに気がついてしまったらきっと俺は今の俺ではなくなる……何かが壊れてしまう……

ガルガード「俺が愛しているのは今も昔も羚凰だけだ  彼じゃない」

ガルガードは苦し紛れにそう零す

ウィンラー「ならば何故彼を抱く?何故突き放さない?願いを叶えようとする?それは「愛」では無いのか?彼を抱いている時常に「性欲処理」以外で何を感じている?快楽では無い物を感じているのではないのか?」

ガルガード「…………」

ウィンラーの言葉にガルガードは何も言えなかった……正論過ぎて……答えが出ない

ガルガード「……もしこの気持ちを理解してしまったら……何かが壊れてしまう気がするんだ」

ウィンラー「それを人は「恐怖」と言うんですガルガード様  貴方は今が壊れる事を恐れている……羚凰様を目の前で失ったあの時から……」

ガルガード「……臆病になったと言いたいのか?」

ウィンラー「違いますよ  貴方は喪失を知った事によって限りなく続く「恐怖」を知った……貴方は誰よりも強い」

ガルガード  喪失の果てに手に入れる物など無い

ウィンラー「……俺は失礼します  弟が転生してこの組織に新人隊員として入りましたので面倒を見てやって下さい」

そう言い残してウィンラーは部屋から退室しガルガードもオフィスへ

羚凰『That a heart is I who has that together, live.(心は共に有る  俺の分も生きろ)』

日本で愛した男に言い残された言葉……その言葉は今尚ガルガードの中にある

ガルガード  同姓同名……面影、性格、容姿、肉付き、筋力、五感の良さ……全てが羚凰と被る

唯一違うのは「原因不明の発作持ち」と言う事だけ

ガルガード「考えれば考える程自分が分からない」

1人……オフィスの中で呟いた
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