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幕間 ーーモブ達の本編ーー①
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え~。
さすがに状況を細かく話すには、私のMPが足りなさすぎるので、ダイジェストで。
とりあえず、声が出るようになりまして。
器質性じゃなくて、精神的な理由だったんだねぇ、と自分でも納得。
そのまましみじみとしたいところ、なぜかアクシオ君が張り切ってしまい、夜が明けるまで私の部屋に居て…………はい。
ラクロアさんが来る前に、なんとか部屋(窓)から出てってもらったけど、部屋は一階じゃないけど、メインキャラ補正で怪我とかはしていないはず。
窓に足をかけて、
『また、来る』
っていって、去り際にキスをかすめ取っていったアクシオ君。
数時間前まで、チューも初々しかったのにっ。
誰が貴方をこんな風にっ(セルフ突っ込みの私ですね、はい)。
で、ぎりぎりでラクロアさんと鉢合わずに済んだ。
入室を求めるラクロアさんに返事をしたことで、声の復活公認。
その後、レリア王女には前回同様抱き着かれ地味に痛く(いや、喜んでいただいているのは感謝です、本当に)、お医者さんだなんだと呼ばれて検査されて、声の復活認定。
ラクロアさんの、
『お若い方と、気を張らずにお過ごしになったのがよかったのでしょうね、きっと』
のご発言に、プライバシーのなさを痛感。
見て見ぬふり、でしたのですね、やはり。
喜んでくれるみなさんと、微妙な変化ながらなぜかドヤ顔のアクシオ君。
ナジャ君に突っ込まれてるのに、なんか上機嫌ぽいのが解せぬ。
そしてさらに、ビミョーにご機嫌を損ねているお二人。
「気を張らない、か。
気絶させないように気を使ってたんだが、必要なかったってわけだ」
いや、イスリオさん。
相手がどなたかうかがいませんが、気絶させるっていうのは、穏やかでないのでは。
「そうだねぇ。
気を張る隙も与えずに責め抜くっていうのも、ひとつの解決法だったかもしれないねぇ」
いえ、だから暗黒がにじみ出ていらっしゃいますよ、サルファス王子サマ。
まぁ、メインストーリーに一切関係ないモブの状況が好転したところで、メインストーリーが進みだす。
メインキャラたちみんなが力をつけ、必殺技的なものを会得し、いざっ、魔王討伐に旅立たれたのでしたっ。
(え~、その前に。
なぜか私の復活した声が枯れたり、腰だのいろいろの箇所がだる重くなったり、肌に不明な虫刺され的なものや歯形が刻まれたとしても、メインストーリーには一切関係ありませんから。
王宮騎士の宿舎や、王太子の寝所の周りで一時寝不足の方や、私と目を合わせづらくされている方々が現れたのは、私のせいじゃないですって、ほんとにっ)
私はお茶ーー喉にいい蜂蜜入り。どなたか様からの差し入れーーをいただきつつ、ちょっと休憩中。
メインキャラたちがいなくなると、あとは粛々とした生活を進めていくのがモブの役目。
王宮や町の復旧や、魔王の住む城(らしい)までの資材の運搬の手配だとか(飲料食糧、替えの下着に武器やポーション、いるでしょ?)、小説では一切語られない、とってもフツーな日常業務をこなしている。
う~ん。
これぞ正しいモブ。
なんだけど。
「どうして、あなた様がここに残っていらっしゃるのでしょう、古の大魔導士 クラムド=クリシャ様」
小説の展開として知ってたけど、やっぱり納得いかない展開なわけで。
さすがに状況を細かく話すには、私のMPが足りなさすぎるので、ダイジェストで。
とりあえず、声が出るようになりまして。
器質性じゃなくて、精神的な理由だったんだねぇ、と自分でも納得。
そのまましみじみとしたいところ、なぜかアクシオ君が張り切ってしまい、夜が明けるまで私の部屋に居て…………はい。
ラクロアさんが来る前に、なんとか部屋(窓)から出てってもらったけど、部屋は一階じゃないけど、メインキャラ補正で怪我とかはしていないはず。
窓に足をかけて、
『また、来る』
っていって、去り際にキスをかすめ取っていったアクシオ君。
数時間前まで、チューも初々しかったのにっ。
誰が貴方をこんな風にっ(セルフ突っ込みの私ですね、はい)。
で、ぎりぎりでラクロアさんと鉢合わずに済んだ。
入室を求めるラクロアさんに返事をしたことで、声の復活公認。
その後、レリア王女には前回同様抱き着かれ地味に痛く(いや、喜んでいただいているのは感謝です、本当に)、お医者さんだなんだと呼ばれて検査されて、声の復活認定。
ラクロアさんの、
『お若い方と、気を張らずにお過ごしになったのがよかったのでしょうね、きっと』
のご発言に、プライバシーのなさを痛感。
見て見ぬふり、でしたのですね、やはり。
喜んでくれるみなさんと、微妙な変化ながらなぜかドヤ顔のアクシオ君。
ナジャ君に突っ込まれてるのに、なんか上機嫌ぽいのが解せぬ。
そしてさらに、ビミョーにご機嫌を損ねているお二人。
「気を張らない、か。
気絶させないように気を使ってたんだが、必要なかったってわけだ」
いや、イスリオさん。
相手がどなたかうかがいませんが、気絶させるっていうのは、穏やかでないのでは。
「そうだねぇ。
気を張る隙も与えずに責め抜くっていうのも、ひとつの解決法だったかもしれないねぇ」
いえ、だから暗黒がにじみ出ていらっしゃいますよ、サルファス王子サマ。
まぁ、メインストーリーに一切関係ないモブの状況が好転したところで、メインストーリーが進みだす。
メインキャラたちみんなが力をつけ、必殺技的なものを会得し、いざっ、魔王討伐に旅立たれたのでしたっ。
(え~、その前に。
なぜか私の復活した声が枯れたり、腰だのいろいろの箇所がだる重くなったり、肌に不明な虫刺され的なものや歯形が刻まれたとしても、メインストーリーには一切関係ありませんから。
王宮騎士の宿舎や、王太子の寝所の周りで一時寝不足の方や、私と目を合わせづらくされている方々が現れたのは、私のせいじゃないですって、ほんとにっ)
私はお茶ーー喉にいい蜂蜜入り。どなたか様からの差し入れーーをいただきつつ、ちょっと休憩中。
メインキャラたちがいなくなると、あとは粛々とした生活を進めていくのがモブの役目。
王宮や町の復旧や、魔王の住む城(らしい)までの資材の運搬の手配だとか(飲料食糧、替えの下着に武器やポーション、いるでしょ?)、小説では一切語られない、とってもフツーな日常業務をこなしている。
う~ん。
これぞ正しいモブ。
なんだけど。
「どうして、あなた様がここに残っていらっしゃるのでしょう、古の大魔導士 クラムド=クリシャ様」
小説の展開として知ってたけど、やっぱり納得いかない展開なわけで。
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