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第24話:3人での生活
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そういえば、学校側にも住所変更の手続きをしないといけない。
一度花子の学校に行く必要がありそうだ。
役所でも住所変更とか必要なはず。
花子の部屋もどうしようか。さすがにシングルベッドで3人は無理だと思う。
とはいえ、今の部屋にあれ以上大きなベッドも置けそうもない。
家具だってもう置く場所がない。佳乃も花子も学生だし。勉強机とかいるんじゃないだろうか?
ふと思えば佳乃が勉強しているところを見ていない。宿題とかやってないのでは?
最近の学校は宿題を出さないのかもしれないが、予習復習もやっている感じはしない。
もしかして佳乃って勉強できない説?まあ、高校2年を3回もやってるわけだし。
本人は出席日数がどうとか言ってたが普通に単位取れていないのでは?
後で確認しておこう。
服や勉強道具とか身の回りのものも花子の家に取りに行く必要がある。
佳乃はビックリするくらい荷物が少なかったけど、花子はどうだろう。
ああーもう、引っ越そうかな?さすがに今の1LDKに3人は狭いと思う。
同じ1LDKでももう少し広い部屋じゃないと。4畳半じゃ狭すぎる。
それでみんなの住所変更とかいっぺんにやればいいんじゃないかな?
やることいっぱいあるな。そういえば佳乃に花子を引き取るって言ってなかった。
夕方になり、学校が終わった佳乃が病室にやってきた。学校帰りだからセーラー服だ。
手には何やらお菓子を持っている。さすがに市販のものだ。
「シュークリーム!」
いつも良い匂いするお店のやつだ。
佳乃がみんなにシュークリームを配る。
「花子もうちに住むことになったから」
佳乃は嫌がるかと思ったけど、さも当然という感じに胸を張る。
「お嬢様ならそうすると確信していました!」
はあ、そうですか。信頼されてるのかな?
シュークリームを一口かじる。甘い。サクッとした生地に包まれているカスタードと生クリーム。スバラシイ。
甘さのハーモニーが絶妙なバランスで口の中に広がっていく。
「まあまあですね。私ならよりお嬢様の求めるものへ近づける自信があります!」
頼もしいんだけど、この自信はどこから溢れてくるんだろう?
「ところで、山田はいつ退院できるのですか?」
今すぐにでも連れて帰りそうな勢いだ。まあ落ち着け。
今日1日は様子見で病院に泊まると説明した。帰っても問題なさそうだけど。
「お嬢様、我々はどうするのですか?」
面会時間が終わったら帰らないとダメだよね?
花子がウルウルした瞳で見つめている。捨てられそうな子猫みたいな顔だ。
「マスター居なくなっちゃうの?」
みんなで病室に泊まるわけにもいかないし。
おいて帰ると花子の情緒が心配なので医師と相談して連れて帰ることにした。
しかし、花子の服がない。病院に搬送されたときに着ていたものは損傷がひどかったので処分された。
佳乃がメイド服に着替え、自分のセーラー服を花子に着させる。
あたしが買ってあげたメイド服を他人に着せたくはないのだと思う。
むしろ、なんでメイド服を持ち歩いている?
退院の手続きをして診察料を支払う。
花子は保険証を持っていなかったので全額負担をし、後日精算ということになった。
花子の健康保険はもともと兄の扶養になっていたわけだけど、今後はどうなるんだろう。
今度役所で相談してみよう。それとも、弁護士とかなのかな?
ここには救急車に乗ってきたので、帰りはタクシーを呼んだ。
途中、花子の家によって当面必要なものを持っていく。学校の制服や他の着替え、勉強道具などだ。
ついでに花子も自分の服に着替える。佳乃のセーラー服はサイズが大きすぎる。
ここからはあたしの家まで歩いてもすぐなので、荷物を佳乃に持ってもらって歩いて帰る。
歩き始めると花子があたしの手を掴む。並んで歩いていても不安なのだろうか?
花子と手をつないで帰るわけだけど、どう見ても私が妹だ。一番年上なのに。
10分ほど歩く家に到着する。荷物を置いて買い物に行く。予定だったが花子が寝てしまった。
こたつで寝ている花子を放置して出かけるわけにもいかない。
「まあ、もともと私の仕事ですので」
そういって、佳乃が一人で夕食の買い出しに出かける。
メニューはお任せだ。佳乃が作るのは何でもおいしい。
本日のメニューは酢豚だ。黒酢じゃなくてオレンジ色でパイナップルが入ってるやつ。
「やっぱり酢豚にはパイナップルだよねー」
ご飯をよそってこたつに並べる。テレビの向かいがあたしの席で、右が佳乃で左が花子。
花子も3人分の中華風卵スープを運んでいる。積極的に手伝いをする。
ただし、左手が使えないから1回に1人分しか運べない。
「「「いただきます」」」
佳乃の料理はいつもおいしい。花子も悪戦苦闘しながら黙々と食べている。
左手がギプスだから食べづらそうだ。でも、右手じゃなくてよかった。
食べ終わるとデザートが待っている。今日は杏仁豆腐。これも佳乃の手作り。
おいしい。佳乃すごい。あたしには杏仁豆腐の材料すらわからない。佳乃なんでも作れるなぁ。
「おや?どうしました山田?」
ちょっと物足りないのかな?花子はあたしと同じ分量だった。佳乃の3分の1くらいだ。
「ちょっと足りない」
佳乃がキッチンに行って何かを作ってる。良い匂い。チャーハンだ。
「お嬢様の基準では少し足りませんか。山田は今日が初めてですからね。量がわかりません」
あたしの量が少ないんだと思う。花子が普通じゃないかな?
ちなみにあたしはおなかいっぱいだ。
「明日からお米をもう1合多く炊かないとダメですね」
花子も満足したようだ。流しに食器を片付けて佳乃が洗ってあたしが拭く。
一度花子の学校に行く必要がありそうだ。
役所でも住所変更とか必要なはず。
花子の部屋もどうしようか。さすがにシングルベッドで3人は無理だと思う。
とはいえ、今の部屋にあれ以上大きなベッドも置けそうもない。
家具だってもう置く場所がない。佳乃も花子も学生だし。勉強机とかいるんじゃないだろうか?
ふと思えば佳乃が勉強しているところを見ていない。宿題とかやってないのでは?
最近の学校は宿題を出さないのかもしれないが、予習復習もやっている感じはしない。
もしかして佳乃って勉強できない説?まあ、高校2年を3回もやってるわけだし。
本人は出席日数がどうとか言ってたが普通に単位取れていないのでは?
後で確認しておこう。
服や勉強道具とか身の回りのものも花子の家に取りに行く必要がある。
佳乃はビックリするくらい荷物が少なかったけど、花子はどうだろう。
ああーもう、引っ越そうかな?さすがに今の1LDKに3人は狭いと思う。
同じ1LDKでももう少し広い部屋じゃないと。4畳半じゃ狭すぎる。
それでみんなの住所変更とかいっぺんにやればいいんじゃないかな?
やることいっぱいあるな。そういえば佳乃に花子を引き取るって言ってなかった。
夕方になり、学校が終わった佳乃が病室にやってきた。学校帰りだからセーラー服だ。
手には何やらお菓子を持っている。さすがに市販のものだ。
「シュークリーム!」
いつも良い匂いするお店のやつだ。
佳乃がみんなにシュークリームを配る。
「花子もうちに住むことになったから」
佳乃は嫌がるかと思ったけど、さも当然という感じに胸を張る。
「お嬢様ならそうすると確信していました!」
はあ、そうですか。信頼されてるのかな?
シュークリームを一口かじる。甘い。サクッとした生地に包まれているカスタードと生クリーム。スバラシイ。
甘さのハーモニーが絶妙なバランスで口の中に広がっていく。
「まあまあですね。私ならよりお嬢様の求めるものへ近づける自信があります!」
頼もしいんだけど、この自信はどこから溢れてくるんだろう?
「ところで、山田はいつ退院できるのですか?」
今すぐにでも連れて帰りそうな勢いだ。まあ落ち着け。
今日1日は様子見で病院に泊まると説明した。帰っても問題なさそうだけど。
「お嬢様、我々はどうするのですか?」
面会時間が終わったら帰らないとダメだよね?
花子がウルウルした瞳で見つめている。捨てられそうな子猫みたいな顔だ。
「マスター居なくなっちゃうの?」
みんなで病室に泊まるわけにもいかないし。
おいて帰ると花子の情緒が心配なので医師と相談して連れて帰ることにした。
しかし、花子の服がない。病院に搬送されたときに着ていたものは損傷がひどかったので処分された。
佳乃がメイド服に着替え、自分のセーラー服を花子に着させる。
あたしが買ってあげたメイド服を他人に着せたくはないのだと思う。
むしろ、なんでメイド服を持ち歩いている?
退院の手続きをして診察料を支払う。
花子は保険証を持っていなかったので全額負担をし、後日精算ということになった。
花子の健康保険はもともと兄の扶養になっていたわけだけど、今後はどうなるんだろう。
今度役所で相談してみよう。それとも、弁護士とかなのかな?
ここには救急車に乗ってきたので、帰りはタクシーを呼んだ。
途中、花子の家によって当面必要なものを持っていく。学校の制服や他の着替え、勉強道具などだ。
ついでに花子も自分の服に着替える。佳乃のセーラー服はサイズが大きすぎる。
ここからはあたしの家まで歩いてもすぐなので、荷物を佳乃に持ってもらって歩いて帰る。
歩き始めると花子があたしの手を掴む。並んで歩いていても不安なのだろうか?
花子と手をつないで帰るわけだけど、どう見ても私が妹だ。一番年上なのに。
10分ほど歩く家に到着する。荷物を置いて買い物に行く。予定だったが花子が寝てしまった。
こたつで寝ている花子を放置して出かけるわけにもいかない。
「まあ、もともと私の仕事ですので」
そういって、佳乃が一人で夕食の買い出しに出かける。
メニューはお任せだ。佳乃が作るのは何でもおいしい。
本日のメニューは酢豚だ。黒酢じゃなくてオレンジ色でパイナップルが入ってるやつ。
「やっぱり酢豚にはパイナップルだよねー」
ご飯をよそってこたつに並べる。テレビの向かいがあたしの席で、右が佳乃で左が花子。
花子も3人分の中華風卵スープを運んでいる。積極的に手伝いをする。
ただし、左手が使えないから1回に1人分しか運べない。
「「「いただきます」」」
佳乃の料理はいつもおいしい。花子も悪戦苦闘しながら黙々と食べている。
左手がギプスだから食べづらそうだ。でも、右手じゃなくてよかった。
食べ終わるとデザートが待っている。今日は杏仁豆腐。これも佳乃の手作り。
おいしい。佳乃すごい。あたしには杏仁豆腐の材料すらわからない。佳乃なんでも作れるなぁ。
「おや?どうしました山田?」
ちょっと物足りないのかな?花子はあたしと同じ分量だった。佳乃の3分の1くらいだ。
「ちょっと足りない」
佳乃がキッチンに行って何かを作ってる。良い匂い。チャーハンだ。
「お嬢様の基準では少し足りませんか。山田は今日が初めてですからね。量がわかりません」
あたしの量が少ないんだと思う。花子が普通じゃないかな?
ちなみにあたしはおなかいっぱいだ。
「明日からお米をもう1合多く炊かないとダメですね」
花子も満足したようだ。流しに食器を片付けて佳乃が洗ってあたしが拭く。
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