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第14話:サイズ調整
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「佳乃は?今着てるやつだけ?」
ジャージの店員さんが写真を見せてくれる。
この服、パーツごとに分解して差し替えられるんだ。
今は仮縫いっていうか安全ピンでとめてあるだけだ。
襟部分とか袖飾りとかスカートは丸ごと交換なのね。
「じゃあ、今佳乃が着ているのと、もう一着あたしが選んであげる」
ジャージの店員さんに画像を見ながら指示を出す。
襟がこれで、袖はこっちでスカートはこれ。エプロンはこれね。
再び佳乃が試着室に連れられて行く。
数分後に私が選んだ組み合わせの姿で現れる。
「うん、これもいいじゃない!」
佳乃もまんざらでもないようだ。
「じゃあ、さっきのとこれと予備を合わせてそれぞれ2着づつ」
選んだパーツを組み合わせて仕上げをしてくれる。
縫製には1着につき2時間かかるらしい。
1着だけすぐに欲しいから出来上がるまで少し出かけてくることにした。
その前にお会計だ。
「メイドさんの仕事着がセミオーダーで1着54800円。それが合計4着と、お嬢様の猫ワンピが29800円、軍服は34800円、下着は1セット2980円が2セット合計で、289,760円消費税を入れますと、312,940円になります」
まあ、そんなもんかな?さすがに現金では持ち合わせていない。佳乃は金額を聞いてフリーズしている。
「カードは使える?」
財布からカードを取り出す。
軍服の店員さんがカードを受け取ってレジに通す。
「お支払いは何回にしますか?」
ピッと人差し指だけ立てる。
「一括で!」
カードで支払いして、佳乃の服が出来上がるまでの時間を潰すためにファミレスに入った。
あたしはドリアで、佳乃はミートソース。それと山盛りポテトとからあげとドリンクバー。
佳乃がドリンクを持ってきてくれる。ふたりともコーラだ。
「あたしは、数日前に朝目が覚めるとこの身体だったの」
佳乃がビックリしている。そりゃそうだ。
「もともとは彼女いない歴イコール年齢のブサメンのオッサンだったの」
佳乃が嫌そうな顔をしている。
やっぱり気持ち悪いよね。なんせオッサンと一緒にお風呂入って抱き合って寝たんだもん。
佳乃は暫くの間黙って目をつぶっている。
コーラを一気に飲んで次のドリンクを取りに行く。今度はオレンジジュース。
ドリンクを注いで席に戻ると料理が来ていた。
佳乃は黙々とパスタを食べている。ポテトもからあげも。
そして自分の分とあたしの分のコーヒーを持ってくる。あたしには砂糖とクリームも忘れない。
「お話はそれだけですか?」
優雅にコーヒーを飲みながらそれだけつぶやく。
あたしはただ頷くしかなかった。泣きそうなのを必死に我慢しながら。
佳乃が席を立ってあたしの隣に座る。抱きしめて頭をなでてくれる。
「過去にどのようなことがあろうと関係ありません。私の雇い主はお嬢様です。そして今はこんなに可愛らしいお姿ではないですか」
そう言いながら胸を触ってくる。
「確かにお胸は慎ましやかですけど、こちらも可愛らしいスジでした。汚らわしいものはぶら下がっていませんでした。確認済みです」
佳乃の手が足の間に入ってくるのは思わずブロックしてしまった。
「それに今の所作、間違いなく今のお嬢様の中に入っているのは女の子です」
そうなんだ、段々と自分でも外見に中身が引きづられていくのを感じている。
知識と記憶はそっくり残っているけど、感覚がオッサンから変わってきているのが理解できる。
それと、よくわからない記憶も混じってきているんだよ・・・
「いいじゃないですか、今は可愛いお嬢様なのですから」
涙と鼻水でベチャベチャになった顔を拭いてくれる。
「そもそもこのなりで、こんな仕草を見せられてオッサンだなんて・・・」
ハァとため息をつく。
「たとえ事実だとしても信じられません」
プニプニとほっぺたを引っ張る。
「でも、またオッサンに戻るかもしれないし」
そこでピタッと佳乃の動きが停止する。
「そ、それはその時になってみないと・・・」
どうやら考えないことにしたらしい。
佳乃が自分の席に戻る。
「追加注文していいですか?」
佳乃がブザーを押して店員を呼ぶ。見ているのはメニューの一番うしろのページ。
「チョコレートケーキとヨーグルトサンデー」
2個も!?
「あたしはコレ。期間限定のパフェ!」
栗がたっぷり使われている。しかもクリームもマロンクリーム!
ドリンクバーに烏龍茶を取りに行く。口の中の味をリセットする。
「どう見ても女の子でお子様です・・・年上というのも信じられません・・・」
未だに納得がいかない佳乃が複雑な顔であたしの顔を覗いてる。
今度は紅茶を取りに行く。ホットミルクティー。
佳乃は夢中でパフェにがっついてるあたしを呆れた顔で見ている。
そしてすでに自分の分のケーキは食べ終わっている。いつの間に。
「ほら、お嬢様、ほっぺにクリームが・・・」
多分世間的にはお姉さんが年の離れた妹の世話を焼いているように見えるんだろう。
実際には私の方が一回り以上年上だ。
そろそろ時間なので、服を取りにお店に戻る。
「お待ちしてました。もう出来てますよ。最後に実際に着てみて調整を行います」
佳乃はジャージのデザイナーさんと試着室に入っていく。
「あたしは軍服着て帰る!」
せっかく買ったんだし。
「そうそう、この服は帽子とブーツもセットになってるんだけど、サイズ測ってなかったね」
店員さんがいくつかのサイズのブーツと帽子を持ってくる。
ブーツは20センチでいいのかな?履いてみよう。
試しに履いて少し歩いてみる。うん、いい感じ。
帽子はSサイズにした。Mサイズだとずり落ちてかっこ悪かった。
「ウンウン、カワイイし、カッコいいしバッチリだよ!」
店員さんが勲章っぽいのを着けてくれる。
「どうかな?お店の宣伝用に写真取らせてくれたらその勲章はサービスであげるよ」
コレくれるの?柏の葉に斜めにクロスした羽のデザイン。色もシルバーでカッコいい!
「じゃあ、モデルになる!でも、下着とかエッチなのはダメ!」
ジャージの店員さんが写真を見せてくれる。
この服、パーツごとに分解して差し替えられるんだ。
今は仮縫いっていうか安全ピンでとめてあるだけだ。
襟部分とか袖飾りとかスカートは丸ごと交換なのね。
「じゃあ、今佳乃が着ているのと、もう一着あたしが選んであげる」
ジャージの店員さんに画像を見ながら指示を出す。
襟がこれで、袖はこっちでスカートはこれ。エプロンはこれね。
再び佳乃が試着室に連れられて行く。
数分後に私が選んだ組み合わせの姿で現れる。
「うん、これもいいじゃない!」
佳乃もまんざらでもないようだ。
「じゃあ、さっきのとこれと予備を合わせてそれぞれ2着づつ」
選んだパーツを組み合わせて仕上げをしてくれる。
縫製には1着につき2時間かかるらしい。
1着だけすぐに欲しいから出来上がるまで少し出かけてくることにした。
その前にお会計だ。
「メイドさんの仕事着がセミオーダーで1着54800円。それが合計4着と、お嬢様の猫ワンピが29800円、軍服は34800円、下着は1セット2980円が2セット合計で、289,760円消費税を入れますと、312,940円になります」
まあ、そんなもんかな?さすがに現金では持ち合わせていない。佳乃は金額を聞いてフリーズしている。
「カードは使える?」
財布からカードを取り出す。
軍服の店員さんがカードを受け取ってレジに通す。
「お支払いは何回にしますか?」
ピッと人差し指だけ立てる。
「一括で!」
カードで支払いして、佳乃の服が出来上がるまでの時間を潰すためにファミレスに入った。
あたしはドリアで、佳乃はミートソース。それと山盛りポテトとからあげとドリンクバー。
佳乃がドリンクを持ってきてくれる。ふたりともコーラだ。
「あたしは、数日前に朝目が覚めるとこの身体だったの」
佳乃がビックリしている。そりゃそうだ。
「もともとは彼女いない歴イコール年齢のブサメンのオッサンだったの」
佳乃が嫌そうな顔をしている。
やっぱり気持ち悪いよね。なんせオッサンと一緒にお風呂入って抱き合って寝たんだもん。
佳乃は暫くの間黙って目をつぶっている。
コーラを一気に飲んで次のドリンクを取りに行く。今度はオレンジジュース。
ドリンクを注いで席に戻ると料理が来ていた。
佳乃は黙々とパスタを食べている。ポテトもからあげも。
そして自分の分とあたしの分のコーヒーを持ってくる。あたしには砂糖とクリームも忘れない。
「お話はそれだけですか?」
優雅にコーヒーを飲みながらそれだけつぶやく。
あたしはただ頷くしかなかった。泣きそうなのを必死に我慢しながら。
佳乃が席を立ってあたしの隣に座る。抱きしめて頭をなでてくれる。
「過去にどのようなことがあろうと関係ありません。私の雇い主はお嬢様です。そして今はこんなに可愛らしいお姿ではないですか」
そう言いながら胸を触ってくる。
「確かにお胸は慎ましやかですけど、こちらも可愛らしいスジでした。汚らわしいものはぶら下がっていませんでした。確認済みです」
佳乃の手が足の間に入ってくるのは思わずブロックしてしまった。
「それに今の所作、間違いなく今のお嬢様の中に入っているのは女の子です」
そうなんだ、段々と自分でも外見に中身が引きづられていくのを感じている。
知識と記憶はそっくり残っているけど、感覚がオッサンから変わってきているのが理解できる。
それと、よくわからない記憶も混じってきているんだよ・・・
「いいじゃないですか、今は可愛いお嬢様なのですから」
涙と鼻水でベチャベチャになった顔を拭いてくれる。
「そもそもこのなりで、こんな仕草を見せられてオッサンだなんて・・・」
ハァとため息をつく。
「たとえ事実だとしても信じられません」
プニプニとほっぺたを引っ張る。
「でも、またオッサンに戻るかもしれないし」
そこでピタッと佳乃の動きが停止する。
「そ、それはその時になってみないと・・・」
どうやら考えないことにしたらしい。
佳乃が自分の席に戻る。
「追加注文していいですか?」
佳乃がブザーを押して店員を呼ぶ。見ているのはメニューの一番うしろのページ。
「チョコレートケーキとヨーグルトサンデー」
2個も!?
「あたしはコレ。期間限定のパフェ!」
栗がたっぷり使われている。しかもクリームもマロンクリーム!
ドリンクバーに烏龍茶を取りに行く。口の中の味をリセットする。
「どう見ても女の子でお子様です・・・年上というのも信じられません・・・」
未だに納得がいかない佳乃が複雑な顔であたしの顔を覗いてる。
今度は紅茶を取りに行く。ホットミルクティー。
佳乃は夢中でパフェにがっついてるあたしを呆れた顔で見ている。
そしてすでに自分の分のケーキは食べ終わっている。いつの間に。
「ほら、お嬢様、ほっぺにクリームが・・・」
多分世間的にはお姉さんが年の離れた妹の世話を焼いているように見えるんだろう。
実際には私の方が一回り以上年上だ。
そろそろ時間なので、服を取りにお店に戻る。
「お待ちしてました。もう出来てますよ。最後に実際に着てみて調整を行います」
佳乃はジャージのデザイナーさんと試着室に入っていく。
「あたしは軍服着て帰る!」
せっかく買ったんだし。
「そうそう、この服は帽子とブーツもセットになってるんだけど、サイズ測ってなかったね」
店員さんがいくつかのサイズのブーツと帽子を持ってくる。
ブーツは20センチでいいのかな?履いてみよう。
試しに履いて少し歩いてみる。うん、いい感じ。
帽子はSサイズにした。Mサイズだとずり落ちてかっこ悪かった。
「ウンウン、カワイイし、カッコいいしバッチリだよ!」
店員さんが勲章っぽいのを着けてくれる。
「どうかな?お店の宣伝用に写真取らせてくれたらその勲章はサービスであげるよ」
コレくれるの?柏の葉に斜めにクロスした羽のデザイン。色もシルバーでカッコいい!
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