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数日後
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濃い目のブラック珈琲を淹れてテレビを点け、朝の情報番組から聞こえてくる行方不明者のニュースに耳を傾ける。
『佐東ミチルさんは今月十日に家族から捜索願が出されていました。
所持品とみられる携帯の電波は○○地方の山林付近で途絶えており、依然として行方は分からないままです。
一人で山に入ったと見られ、警察は今日も地元の猟友会とともに朝から五十人体制で佐東さんの行方を捜査する模様です。
以上、現場からでしたー』
ラッキーなことにミチルのスマホの通信履歴を調べたところ、誰にも俺に会いに行くとは教えていなかったようだった。 それを知って直ぐに遺書めいたメールを親族に送りつけ、スマホはまだ雪が残る遠くの山林に捨てた。
交際相手と破局したばかりという報道もされてることから、どうやら違和感なく自殺を疑われているようで、俺は気分よく珈琲を啜り、テレビを消した。
山林にはその後何度か新しい雪も降り、今頃は俺の足跡もかき消されていることだろう。
運は俺に味方したのだ。
まあ、もし警察が俺のところへ来たって、この辺りには防犯カメラもない。ミチルの足取りがここで途絶えたことを証明するものはないし、何より六年も音沙汰なかったんだ。 最後に知り合いの顔を見に寄った位の見立てで終わり、誰も俺を疑わないだろう―――。
「っくくく…
せいぜい頑張って捜査してくれよ。
もうどこを探したって見つかりゃしないのに……な、ミチル」
終
『佐東ミチルさんは今月十日に家族から捜索願が出されていました。
所持品とみられる携帯の電波は○○地方の山林付近で途絶えており、依然として行方は分からないままです。
一人で山に入ったと見られ、警察は今日も地元の猟友会とともに朝から五十人体制で佐東さんの行方を捜査する模様です。
以上、現場からでしたー』
ラッキーなことにミチルのスマホの通信履歴を調べたところ、誰にも俺に会いに行くとは教えていなかったようだった。 それを知って直ぐに遺書めいたメールを親族に送りつけ、スマホはまだ雪が残る遠くの山林に捨てた。
交際相手と破局したばかりという報道もされてることから、どうやら違和感なく自殺を疑われているようで、俺は気分よく珈琲を啜り、テレビを消した。
山林にはその後何度か新しい雪も降り、今頃は俺の足跡もかき消されていることだろう。
運は俺に味方したのだ。
まあ、もし警察が俺のところへ来たって、この辺りには防犯カメラもない。ミチルの足取りがここで途絶えたことを証明するものはないし、何より六年も音沙汰なかったんだ。 最後に知り合いの顔を見に寄った位の見立てで終わり、誰も俺を疑わないだろう―――。
「っくくく…
せいぜい頑張って捜査してくれよ。
もうどこを探したって見つかりゃしないのに……な、ミチル」
終
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いやぁ…スリリングとともに
本当に…?というもにょっとした感じの着地点でした
フフ(´∀`*)お見事お見事です~
(ネタバレ封印してくださいね♡)
ダークなエリートさまの表紙もステキです♡
イッチーさん!読んでくださり感想まで!ありがとうございます🙏✨
続きじゃないんですけど別の漫画でその後をリンクさせようとしたことがあるものの構想倒れになってますw😂いつか描けるかなぁ〜
二話目まで読みました。
今まで読んだRIKAOさんの漫画と雰囲気が違い、興味津々です。
漫画も文章も書けるって、ほんとに凄いです。
続き楽しみにしています(*^^*)
さくら乃さん!早速読んでくださってありがとうございますっ🥲🙏✨
書き方のセオリーとか全無視だし、完全素人なのでお恥ずかしい限りなのですが😂💦あと数日お付き合いくださると嬉しいです✨