Lara

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告白

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俺は立ち上がって笑っている怯えた表情をする椿の前に立って

―――抱きしめた

「ッ―――!!?」
「よく頑張ったな」
「は、はなし―――」
「その人殺しだっけか?だからなんだ?」
「い、いやそん」

俺はしっかりと目を合わせて声に力を込めて言う。

「俺は本当に椿が人を殺したなんて見たこともねぇしそんなことを言われたって信じてねぇ。たとえ事実でもな」

目を大きく見開いている。そんなに意外だったか、いや意外の塊しかねぇだろうな。

「俺が知ってんのは生徒会会計である神崎 椿だけだ。ああ、Bloodsadyもだったな」

人殺しなんて忌避されるものだ。そのはずだが…………俺は椿をとった。

「あ、ああ…………」
「それともなんだ?お前自身が、お前自身だけの意識を持ってその人たちを殺そうとしたのか?」

この様子では椿以外の意思も入っているだろう。椿に殺させたいとする誰かが…

「あ、あ、わからない……俺、は、白でも、あるか、ら……」
「…………どういうことだ?」
「俺の考えは、白に、侵されて…………俺、自身の意思でやろうって、思ったかも、しれな…………」

白に侵食されている…ってことか?それで自分の考えが変わってしまっているから本当に自分が殺そうと思ったのかもしれない…………と。

「アホ」
「な…………!?」
「そんなんだったら、お前は今こんな苦しんでいるはずないだろう?…………」
「ッ……おれ」
「泣け、泣いて少しでも軽くなってしまえ」
「っ…………ふっ…………ぁ、ぁああああああああ!!」

それに答えるように声を上げて幼子のように泣く。辛い思いを、血反吐を吐くように。

「俺はっ!白になんてなりたくなかったっ!」

「ただ、普通に生きて!笑ってっいたかった!なのにっ!」

俺の肩に手を置いて痛いぐらいに強く握りしめる。ああ、こんなにも細い身体に溜めこんでいたのか。薄く強張った肩を優しく抱く。

ほろほろと涙を流している椿は、この世のなによりも美しく感じた。
今、そんな風に感じた自分を恥じる。こんなにも辛そうな人を見てなんて感性だ。

「それだけの、願いも…………叶えられないの…………?」

力なく、手が落ちる。

「叶えよう」
「え…………?」
「やろう、椿に何だか知らねぇが人を殺すのを押し付けているやつらを出し抜いて、笑って普通に生きるんだ」
「簡単に、いうな…………」
「俺は、赤の他人でもあるからな」
「ははっ…………だったら、関わんなよ」
「だから、関係者になりたい」
「は?」

緊張する。椿の冷たさが指先に伝わって冷える。

伝えろ

「好きだ」

どうか、届いてくれ。

固まる椿を見つめて今まで願ったこともない神に初めて強く願った。


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