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最終章 白神編 薄氷の上

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コツ

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カチャ

「…は…………?」

扉を開けた先には椿が椅子に座ってPCに向かって仕事をしているのが見えた。



「椿…………?」
「ん?おはよ、会長。…………どうした?そんなところに突っ立って、なんか幽霊でも見たような顔してるが」

名前を呼ばれて見ると、会長が扉を開けたままそこに突っ立っていた。俺のことをあり得ないものを見るような目で見ている。

「お前、大丈夫なの、か…?」


だ い じ ょ う ぶ ?


「なにがだ?」

崩れかけた表情を即座に戻す。
会長は酷く狼狽えていた。

「とりあえず、中入れば?」
「あ、ああ…そうだな……」

生徒会室の中も暖房をつけて温めているが流石に扉を開けたままだと冷たい空気が入ってきて寒い。

会長がおずおずと扉を閉めて歩いてくるのを横目に悴んだ手でホットコーヒーのカップを包み込み、一口飲む。それでもまだ寒い。だけどそれを表に出すことはない。

”}‘!O${=Ja*+}"、@2。

うるさいな、少し黙れ。

……………………

ん、視線を感じるな。と言っても会長しかいないが。

「なんだ?」
「あ、いや…………いや、聴こうか」
「どうぞ?」
「お前は、誰だ?」

昨日も聴いてこなかったか?その質問。まあいいけどな、答えは変わらねぇし。

「誰だ、と言われても俺はわからねぇ」
「…………」
「だけど、これだけは言える。昨日も言ったようにな」

は【白】だ。

「まあ、今の俺には椿という名があるけどな。あ、あと不本意ではあったがBloodsadyという二つ名もだな」
「そう、か…………」

もう、認めるしかない。否定しても、変わらないからな。
―――時間もねぇし。その後のことは俺には関係がなくなるからな。どんな風に思われたって…………

考え込む会長を他所に俺は仕事を再開する。

o0-]:、N?

黙れ、お前は中に閉じこもっていろ。

C*e…………

と、そうこうしているうちにやって来たようだ。

ばあんっ!

「「うわぁーんっ!椿がぁいないのぉっ!」」

おい

涙を大粒零して入ってきた双子。

「「かいちょーづばぎがあ゛ぁ゛…………部屋に゛ぃ゛っ゛」」
「ここにいるわボケ勝手に消すな」
「「!?…………つっつーん!!!」」

思わず声を上げるとシンクロした動作で振り向き、声を上げて走って飛び込んできた。おい!ちょっ、あぶねぇなっ!ホットコーヒーがあるから飛び込んでくるんじゃねぇっ!PCがショートしたらどうしてくれるんだよっ!

ここまで泣いてやって来たのは言葉から察するにおおかた俺の部屋に突撃したんだろう。それで、誰も出てこなかったと。いや、ここにいるから出れる訳ねぇし。

「「びえ゛ぇ゛っ゛!つっつーん!!!」」
「あーはいはい」
「って!」
「つっつん冷たい…………ひんやりしてる……?」

…………あはぁ、気づかなければよかったのにな?


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