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れっつとらい星光祭!
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「椿…………」
「アーウッセェナ…………ン?」
哄笑から一転、イライラしげに吐き下したその時、白は硬直した。
だが、それも一瞬のこと。彼はすぐに笑みを深めた。
「キヘぇアハハはハ!!!ヨカぁッタナぁ腑抜ケェドォモァ!」
大仰に両腕を左右に広げて嗤う。
「ドーォヤラ、オレェは正気ィニ戻れルッポォいゾ?アヒャひャヒゃヒャヒャ!!!」
さもおかしいとお腹を押さえて嗤う。その果てに何を見ているのか龍たちにはわからない。
この世界は残酷で醜悪で滑稽で、それ以外の何物でもない。
彼はそれを知っていた。何故ならそれがあったからこそ彼の存在はできたから。できてしまったからだ。
「…………優しくて美しくて寛大だったら、俺は普通に生きていけたのだろうか」
誰にも聞こえない小さな声で呟く。その言葉は今までの様子と違ったはっきりとした言葉だった。それを発したのは白なのか、それともわずかに取り戻された椿なのか、わからない。
白は頭を小さく横に振って笑った。
「…ヒィヒぃヒ、もォ用はァネェかラカァエロッと…………キヒェひェ…じゃあな、愚鈍で脆弱で無知な人間タちヨォ」
白はそう言って力が補充されたことにより強化された身体能力で跳び上がり、校舎の壁を蹴って向かい側の森に突っ込んだ。
そこに残されたのは色々とあり得ない展開と豹変した身近な人物にどうすればいいのかわからず呆然とするばかりの龍たち。
彼はいったい何者なのか。
律の言っていたことは何なのか。
豹変した彼の様子がそれでもおかしかったのは何故なのか。
情報も足りず混乱した頭で彼が消えていった森を呆然と見つめていた。
地面を蹴り、木や飛び出た根を避け、人間には出せない速度で走る。
壁が見えた時、足に力を溜めて上に向かって跳ね上がった。ベランダの塀に手をかけて乗り上げて中に転がり込む。
窓に手をかけて開けようとするが開かない。鍵がかかっているようだ。
彼は窓枠の鍵付近に手を当てて力を使う。
カチリ
今度は何の抵抗もなく窓が開く。ふらふらと中に入り、靴を脱いで空いた窓も閉めずにリビングのソファーに横たわる。
「ッ―――ハァ、ア、ハァ……ハァ……ハァ」
前日から置いたままの毛布を手繰り寄せて被る。
寒くて冷たくてとてつもなく狂う。それは力が体に満ちている証でどんなに身体を温めてもその冷えが収まることはない。
少しずつ塗りつぶされた白の下から取り戻し、人格を形成していく。またいつものように戻るように。せめて、残りの時間をしっかりと感じたいから。それはできないのだろうと分かっていても。それしか方法がないのだ。
寒い、寒い、さむい。
誰とも言えない彼は包まった毛布の中で思う。どうして俺だったんだと、なんで俺だけなんだと。
口元に手を当ててハァと息を吐く。その息は冷たく、人間が出せるものではなかった。
彼は思う。自分がこんなのになる前は周りのやつらと同じ存在だったのだろうか。どんな風に過ごして笑って泣いて怒って、その生を謳歌していたのだろう。なんで、なんでと思考が空回る。その考えに意味は無いのに。
「アーウッセェナ…………ン?」
哄笑から一転、イライラしげに吐き下したその時、白は硬直した。
だが、それも一瞬のこと。彼はすぐに笑みを深めた。
「キヘぇアハハはハ!!!ヨカぁッタナぁ腑抜ケェドォモァ!」
大仰に両腕を左右に広げて嗤う。
「ドーォヤラ、オレェは正気ィニ戻れルッポォいゾ?アヒャひャヒゃヒャヒャ!!!」
さもおかしいとお腹を押さえて嗤う。その果てに何を見ているのか龍たちにはわからない。
この世界は残酷で醜悪で滑稽で、それ以外の何物でもない。
彼はそれを知っていた。何故ならそれがあったからこそ彼の存在はできたから。できてしまったからだ。
「…………優しくて美しくて寛大だったら、俺は普通に生きていけたのだろうか」
誰にも聞こえない小さな声で呟く。その言葉は今までの様子と違ったはっきりとした言葉だった。それを発したのは白なのか、それともわずかに取り戻された椿なのか、わからない。
白は頭を小さく横に振って笑った。
「…ヒィヒぃヒ、もォ用はァネェかラカァエロッと…………キヒェひェ…じゃあな、愚鈍で脆弱で無知な人間タちヨォ」
白はそう言って力が補充されたことにより強化された身体能力で跳び上がり、校舎の壁を蹴って向かい側の森に突っ込んだ。
そこに残されたのは色々とあり得ない展開と豹変した身近な人物にどうすればいいのかわからず呆然とするばかりの龍たち。
彼はいったい何者なのか。
律の言っていたことは何なのか。
豹変した彼の様子がそれでもおかしかったのは何故なのか。
情報も足りず混乱した頭で彼が消えていった森を呆然と見つめていた。
地面を蹴り、木や飛び出た根を避け、人間には出せない速度で走る。
壁が見えた時、足に力を溜めて上に向かって跳ね上がった。ベランダの塀に手をかけて乗り上げて中に転がり込む。
窓に手をかけて開けようとするが開かない。鍵がかかっているようだ。
彼は窓枠の鍵付近に手を当てて力を使う。
カチリ
今度は何の抵抗もなく窓が開く。ふらふらと中に入り、靴を脱いで空いた窓も閉めずにリビングのソファーに横たわる。
「ッ―――ハァ、ア、ハァ……ハァ……ハァ」
前日から置いたままの毛布を手繰り寄せて被る。
寒くて冷たくてとてつもなく狂う。それは力が体に満ちている証でどんなに身体を温めてもその冷えが収まることはない。
少しずつ塗りつぶされた白の下から取り戻し、人格を形成していく。またいつものように戻るように。せめて、残りの時間をしっかりと感じたいから。それはできないのだろうと分かっていても。それしか方法がないのだ。
寒い、寒い、さむい。
誰とも言えない彼は包まった毛布の中で思う。どうして俺だったんだと、なんで俺だけなんだと。
口元に手を当ててハァと息を吐く。その息は冷たく、人間が出せるものではなかった。
彼は思う。自分がこんなのになる前は周りのやつらと同じ存在だったのだろうか。どんな風に過ごして笑って泣いて怒って、その生を謳歌していたのだろう。なんで、なんでと思考が空回る。その考えに意味は無いのに。
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