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れっつとらい星光祭!
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しおりを挟む白き集団が立ち去った後、中庭では静寂が舞い戻った。
立ち尽くしたままの龍たちと椿。膠着した空気を破ったのは薙刀だった。
「椿…ねぇ、聴いて、い、い?」
「…………」
椿は何も答えずに夜空に浮かぶ月を見た。薙刀は気にせずに話しかける。
「…………椿は…【Bloodsady】な、の…?」
薙刀は問いかけたものの、何を言っていいのかわからなかったから、それを聴いた。
不意に椿は薙刀を見やると嗤った。
「そーだよ、文句あっか」
「…そっか…………えっ、と…」
「あーこうすれば、嫌でも分かるか…?」
椿は抑え込んでいたそれを解放する。既に、分ける暇もなく、椿の人格はエラーを起こし、狂っていったから、人格を変える鍵となるフードすらも、不要となった。
歪む表情、濁る瞳、纏うオーラはその姿を変え、堕ちていく。
彼は龍たちのよく知る夜の狂人と同じ動作をして振り向いた。
「ドォだァ…?コレぇでェ、ワカぁっタァだロぉ?ヒひャはハはっ!!」
「「「「「「…………ッ!?」」」」」」」
「いヒヒへぇッ?どぉしタァんだァ?ソォンナ驚イぃタ顔をシィてヨぉ…」
ケひぃヒ…と嗤いながらBloodsadyはズボンのポケットに手を突っ込んだ。とても、寒いとでも言うように。
豹変したBloodsadyを見て誰かが唾を飲み込む。薙刀は手をきゅっと握り込んだ。
その様子にBloodsadyはつまらなそうにまた月を見上げた。これはいつ終わるのかと、寒々しく白く光る月を。
「…モウ、話すコォトがァネェンだッタラ帰ンぞぉ…………」
「「まって…!!」」
返ろうとするBloodsadyに双子が引き止める。今度は何だとBloodsadyは顔を歪めた。
「ンダァよぉ…………」
「「つ、つばきは…………ナニ………?」」
「…………シシシ…ヒャハハハははッ!!!」
突如哄笑しだしたBloodsadyに皐月と睦月はびくりと肩を強張らせる。それを見てBloodsadyは笑みを深めた。もはや今のBloodsadyに正常な感性はない。
今までの余裕のない状態での抑制、力が注ぎ込まれ、侵されていく精神。あまりの急展開と変わってしまった思考にそれを抑えるという考えはなく、抑え込んでいたエラーの部分を曝け出してしまった。
「オレェは白だ。全てを染め上げる白。それだけだよ。ひゃはっ」
そんなの望んでいないのに、白はそれすらも塗りつぶしてしまった。
そこに残るのは白く染まった見たものを嘲笑うナニカだけ。
それが、どういうことなのか貴方も後にわかるだろう。
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