204 / 280
れっつとらい星光祭!
1
しおりを挟む
ついに学園祭がやって来た。ここのところ多忙に多忙を重ねてようやく昨日疲れたままで学園祭を迎えても楽しめないだろうってことで休んだ。もう萌え漁りもする気力も無く、一日中寝てたよ。あれ?飯って食ったっけ…………?
ま、まあいいや。今日朝飯食ったし、今まで気づいてないことから大丈夫だろう。
『それでは、星光祭を開始します。ルールをしっかりと守り、楽しみましょう』
今の放送は副会長。わざわざ開会式など開くのも面倒なので放送で終わらした。まあ、注意事項とかごく基本的なことしか言っていないから別にいいけどな。
学園祭は全三日。一日目は学園関係者のみ。二日目は家族、護衛のみに限って開放。三日目はまた戻って学園関係者のみとなる。
「準備はいいか?」
「ばっちり」
「ああ」
「「おっけーだよー!」」
会長の問いかけに返す。俺たちは全員執事服を着ていた。会長は少し着崩した感じに、ワンコは蝶ネクタイをつけて、双子はベスト姿で。俺?ホストみたいにひらひらとしたシャツのボタンを開けていつもとは違う前髪を上げたような髪型にしている。なんで俺ホスト先生みたいな格好にならなきゃいけねぇんだ?執事って…………なんだろ…………
「じゃあ、開けるぞ」
「おう」
服装よし、室内の飾りつけよし、設備よし!扉に手を当てて押し出すと既に扉の前では並んでいる生徒たちがいた。普段はこの生徒会専用の階には来れないのだが、学園祭の特例で公開している。
俺は姿には合わないが左手を前にして腹部に当て、右手は後ろに回して礼をする。重心の移動、指先から髪の一本一本まで意識して動く。
「只今より、生徒会主催、執事喫茶を開店いたします。ご主人様、それでは中へどうぞ」
言い切ると一瞬の静寂の後に歓声が広がった。どうやら何時にない俺の振る舞いに興奮したらしい。執事なんて見飽きるほどに見てきた彼らだが生徒会に羨望や恋慕を送っていた彼らにとっては俺たちがフリだけでも仕える立場になったのは新鮮らしい。中に入った後でもきゃーきゃー話し合っている姿をしばしば見かけられた。
俺は裏に回って入ってきた注文に応える。このメニューのなかには会長たちの食べたいスイーツも入っている。全体的にスイーツの割合が多くなっているのは偶然ではないだろう。
みんな甘党だからなー
と考えながらスポンジにクリームをきれいに盛り付けていると厨房に入ってきた副会長が呆れた声を出した。
「よく、その量を並行して捌けますね」
「おっ、帰ってきたのか。あー、これは慣れだな」
「慣れって……慣れで済ませられる量ではないと思うのですが…?」
「そうか…………?」
ちなみに副会長の執事姿は正統派である。王子様みたいな甘いマスクにあっている。
ま、まあいいや。今日朝飯食ったし、今まで気づいてないことから大丈夫だろう。
『それでは、星光祭を開始します。ルールをしっかりと守り、楽しみましょう』
今の放送は副会長。わざわざ開会式など開くのも面倒なので放送で終わらした。まあ、注意事項とかごく基本的なことしか言っていないから別にいいけどな。
学園祭は全三日。一日目は学園関係者のみ。二日目は家族、護衛のみに限って開放。三日目はまた戻って学園関係者のみとなる。
「準備はいいか?」
「ばっちり」
「ああ」
「「おっけーだよー!」」
会長の問いかけに返す。俺たちは全員執事服を着ていた。会長は少し着崩した感じに、ワンコは蝶ネクタイをつけて、双子はベスト姿で。俺?ホストみたいにひらひらとしたシャツのボタンを開けていつもとは違う前髪を上げたような髪型にしている。なんで俺ホスト先生みたいな格好にならなきゃいけねぇんだ?執事って…………なんだろ…………
「じゃあ、開けるぞ」
「おう」
服装よし、室内の飾りつけよし、設備よし!扉に手を当てて押し出すと既に扉の前では並んでいる生徒たちがいた。普段はこの生徒会専用の階には来れないのだが、学園祭の特例で公開している。
俺は姿には合わないが左手を前にして腹部に当て、右手は後ろに回して礼をする。重心の移動、指先から髪の一本一本まで意識して動く。
「只今より、生徒会主催、執事喫茶を開店いたします。ご主人様、それでは中へどうぞ」
言い切ると一瞬の静寂の後に歓声が広がった。どうやら何時にない俺の振る舞いに興奮したらしい。執事なんて見飽きるほどに見てきた彼らだが生徒会に羨望や恋慕を送っていた彼らにとっては俺たちがフリだけでも仕える立場になったのは新鮮らしい。中に入った後でもきゃーきゃー話し合っている姿をしばしば見かけられた。
俺は裏に回って入ってきた注文に応える。このメニューのなかには会長たちの食べたいスイーツも入っている。全体的にスイーツの割合が多くなっているのは偶然ではないだろう。
みんな甘党だからなー
と考えながらスポンジにクリームをきれいに盛り付けていると厨房に入ってきた副会長が呆れた声を出した。
「よく、その量を並行して捌けますね」
「おっ、帰ってきたのか。あー、これは慣れだな」
「慣れって……慣れで済ませられる量ではないと思うのですが…?」
「そうか…………?」
ちなみに副会長の執事姿は正統派である。王子様みたいな甘いマスクにあっている。
10
お気に入りに追加
297
あなたにおすすめの小説
もういいや
senri
BL
急遽、有名で偏差値がバカ高い高校に編入した時雨 薊。兄である柊樹とともに編入したが……
まぁ……巻き込まれるよね!主人公だもん!
しかも男子校かよ………
ーーーーーーーー
亀更新です☆期待しないでください☆
地味で冴えない俺の最高なポディション。
どらやき
BL
前髪は目までかかり、身長は160cm台。
オマケに丸い伊達メガネ。
高校2年生になった今でも俺は立派な陰キャとしてクラスの片隅にいる。
そして、今日も相変わらずクラスのイケメン男子達は尊い。
あぁ。やばい。イケメン×イケメンって最高。
俺のポディションは片隅に限るな。
気づいて欲しいんだけど、バレたくはない!
甘蜜 蜜華
BL
僕は、平凡で、平穏な学園生活を送って........................居たかった、でも無理だよね。だって昔の仲間が目の前にいるんだよ?そりゃぁ喋りたくて、気づいてほしくてメール送りますよね??突然失踪した族の総長として!!
※作者は豆腐メンタルです。※作者は語彙力皆無なんだなァァ!※1ヶ月は開けないようにします。※R15は保険ですが、もしかしたらR18に変わるかもしれません。
父が腐男子で困ってます!
あさみ
BL
父子家庭に育った尾崎リョウは16歳の誕生日に、若くてイケメンの父、宗親(ムネチカ)に腐男子である事をカミングアウトされる。
趣味に文句は言わないと思うリョウだったが、宗親のBL妄想はリョウの友人×リョウだった。
いつでも誰といても、友人×リョウで妄想されては聞かされるリョウは大迷惑。
しかも学校にいる美少年をチェックしては勧めてくる始末。
どう見ても自分と釣り合わない優等生や、芸能人の美少年まで攻キャラとして推してくる。
宗親本人は腐男子であるだけで、恋愛対象は美女だという事で、自分勝手にリョウだけを振り回す毎日。
友人達はみんな心が広く、宗親の趣味を受け入れたり、面白がったりで、今までよりもリョウの家に集まるようになる。
そんな中、宗親に感化されたかのように、自分も腐男子かもしれないと言いだす友人や、リョウの事を好きになったとストレートに伝えてくる友達まで現れてしまう。
宗親の思い通りにはなりたくないと思うリョウだが、友人達の事も気になりだして……。
腐男子の父親に振り回される、突っ込み系主人公総受けBLラブコメ。
俺の事嫌ってたよね?元メンバーよ、何で唇を奪うのさ!?〜嵌められたアイドルは時をやり直しマネージャーとして溺愛される〜
ゆきぶた
BL
時をやり直したアイドルが、嫌われていた筈の弟やメンバーに溺愛される話。R15のエロなしアイドル×マネージャーのハーレム物。
※タイトル変更中
ー ー ー ー ー
あらすじ
子役時代に一世を風靡した風間直(かざまなお)は現在、人気アイドルグループに所属していた。
しかし身に覚えのないスキャンダルで落ちぶれていた直は、ある日事故でマンションの11階から落ちてしまう。
そして何故かアイドルグループに所属する直前まで時間が戻った直は、あんな人生はもう嫌だと芸能界をやめる事にしたのだった。
月日が経ち大学生になった直は突然弟に拉致られ、弟の所属するアイドルグループ(直が元いたグループ)のマネージャーにされてしまう。
そしてやり直す前の世界で嫌われていた直は、弟だけでなくメンバーにも何故か溺愛されるのだった。
しかしマネージャーとして芸能界に戻って来てしまった直は、スキャンダル地獄に再び陥らないかという不安があった。
そんな中、直を嵌めた人間がメンバーの中にいるかもしれない事を知ってしまい───。
ー ー ー ー ー
直のお相手になるアイドルグループには
クール、オレ様、ワンコ、根暗がいます。
ハーレムでイチャイチャ、チュッチュとほんのりとした謎を楽しんでもらえば良いと思ってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる