Lara

文字の大きさ
上 下
156 / 280
第三章 星光祭編 二学期の幕開けは騒動と共に

しおりを挟む
「お、お前は風紀じゃないだろっ!!」
「そうだっ!」
「あは~☆残ね~ん、生徒会会計兼 風紀代理だよ~ん」

腕章をぴらぴらと見せつけて言う。男たちは愕然とした表情で俺の腕についているそれを見る。ああ、隙ができたな。

「ばーん(棒)」

まず襲い掛かってたやつを蹴っ飛ばす。突然のことで対処もできずにすっ飛んでいった。わは、綺麗な放物線を描いてったんだけど笑える。

ケタケタと笑っていたら呆然としていた周りの男たちは激高して襲い掛かってくるもあっさりといなしてのす。弱い、体格ばかりで技も速さもない。ゼロ点。

「も~大丈夫だよぉ~」
「ひっ、あ。す、すみま、せ…」

シャツが大きく引き裂かれて服の体をなしていないので着ていたカーディガンをかけて隠してあげる。本当にぎりぎりだったようだ。パンツも脱げてる。

近づくと怖がって体を縮める。

「ん~やっぱ殴り合いしてて怖い、かな~?ごめんね~?」
「あっ!い、いえ、ちが…ごめ、なさ…」

じわり、じわりと涙が浮かんでは零れ落ちる。俺は膝をついて拭い取ってやる。うーん、平凡顔だけどこうしてみると可愛い、な。だから連れ込まれたのか?

「す、すごく……気持ち悪、いかもしれませんが、一度ギュってしてくれませんか。怖くて、俺は…」

そう言ってくる体は微かに震えていた。何故俺なんだ、保険医とかにでも言えばいいのに。と思いながらそれに答える。

「わかった…」
「あっ、あり、がとう…ございます…」

優しく腕の中に包み込むと恐る恐る抱き返してくる。できれば触ってほしくないんだけどな。なんか最近触れ合う機会が多いけど俺って触られたりするの駄目なんだよ。何故かわんこは大丈夫だったけど。

「急いでやってきたん、だけど…………何やってるのかな?」
「あっ」
「あ、茜部様!」

扉の方を見てみると茜部が立っていた。そういえば

「わっすれてた~」
「おい」
「テヘペロ♪」
「かわっ…いいけど、騙されないんだからねっ!いきなり木に飛び乗ってびっくりしたんだから!」
「木に…会計様…何やったんですか…………」
「いや~だって時間なかったし~こうして助けられたからいいじゃ~ん。結果オーライだよぉ」

マジで一歩手前だったんだし。結果的にはそれが最善だったんだからいいだろ。

「もうっ!この下半身野郎どもも縛ってないし!危ないじゃない!」
「えへ☆」
「誤魔化されないからねっ!ったく!」

その後、無事に保険医に送り届けて、悪さをした加害者たちは風紀室に引きずって持って行った。後日、それを見た生徒が俺のことを魔王と噂してたとかなかったとか…………
そいつには親衛隊を使って自粛してもらいました~☆ってな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

表情筋が死んでいる

白鳩 唯斗
BL
無表情な主人公

もういいや

senri
BL
急遽、有名で偏差値がバカ高い高校に編入した時雨 薊。兄である柊樹とともに編入したが…… まぁ……巻き込まれるよね!主人公だもん! しかも男子校かよ……… ーーーーーーーー 亀更新です☆期待しないでください☆

僕が玩具になった理由

Me-ya
BL
🈲R指定🈯 「俺のペットにしてやるよ」 眞司は僕を見下ろしながらそう言った。 🈲R指定🔞 ※この作品はフィクションです。 実在の人物、団体等とは一切関係ありません。 ※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨 ので、ここで新しく書き直します…。 (他の場所でも、1カ所書いていますが…)

地味で冴えない俺の最高なポディション。

どらやき
BL
前髪は目までかかり、身長は160cm台。 オマケに丸い伊達メガネ。 高校2年生になった今でも俺は立派な陰キャとしてクラスの片隅にいる。 そして、今日も相変わらずクラスのイケメン男子達は尊い。 あぁ。やばい。イケメン×イケメンって最高。 俺のポディションは片隅に限るな。

気づいて欲しいんだけど、バレたくはない!

甘蜜 蜜華
BL
僕は、平凡で、平穏な学園生活を送って........................居たかった、でも無理だよね。だって昔の仲間が目の前にいるんだよ?そりゃぁ喋りたくて、気づいてほしくてメール送りますよね??突然失踪した族の総長として!! ※作者は豆腐メンタルです。※作者は語彙力皆無なんだなァァ!※1ヶ月は開けないようにします。※R15は保険ですが、もしかしたらR18に変わるかもしれません。

父が腐男子で困ってます!

あさみ
BL
父子家庭に育った尾崎リョウは16歳の誕生日に、若くてイケメンの父、宗親(ムネチカ)に腐男子である事をカミングアウトされる。 趣味に文句は言わないと思うリョウだったが、宗親のBL妄想はリョウの友人×リョウだった。 いつでも誰といても、友人×リョウで妄想されては聞かされるリョウは大迷惑。 しかも学校にいる美少年をチェックしては勧めてくる始末。 どう見ても自分と釣り合わない優等生や、芸能人の美少年まで攻キャラとして推してくる。 宗親本人は腐男子であるだけで、恋愛対象は美女だという事で、自分勝手にリョウだけを振り回す毎日。 友人達はみんな心が広く、宗親の趣味を受け入れたり、面白がったりで、今までよりもリョウの家に集まるようになる。 そんな中、宗親に感化されたかのように、自分も腐男子かもしれないと言いだす友人や、リョウの事を好きになったとストレートに伝えてくる友達まで現れてしまう。 宗親の思い通りにはなりたくないと思うリョウだが、友人達の事も気になりだして……。 腐男子の父親に振り回される、突っ込み系主人公総受けBLラブコメ。

管理委員長なんてさっさと辞めたい

白鳩 唯斗
BL
王道転校生のせいでストレス爆発寸前の主人公のお話

俺の事嫌ってたよね?元メンバーよ、何で唇を奪うのさ!?〜嵌められたアイドルは時をやり直しマネージャーとして溺愛される〜

ゆきぶた
BL
時をやり直したアイドルが、嫌われていた筈の弟やメンバーに溺愛される話。R15のエロなしアイドル×マネージャーのハーレム物。 ※タイトル変更中 ー  ー  ー  ー  ー  あらすじ 子役時代に一世を風靡した風間直(かざまなお)は現在、人気アイドルグループに所属していた。 しかし身に覚えのないスキャンダルで落ちぶれていた直は、ある日事故でマンションの11階から落ちてしまう。 そして何故かアイドルグループに所属する直前まで時間が戻った直は、あんな人生はもう嫌だと芸能界をやめる事にしたのだった。 月日が経ち大学生になった直は突然弟に拉致られ、弟の所属するアイドルグループ(直が元いたグループ)のマネージャーにされてしまう。 そしてやり直す前の世界で嫌われていた直は、弟だけでなくメンバーにも何故か溺愛されるのだった。 しかしマネージャーとして芸能界に戻って来てしまった直は、スキャンダル地獄に再び陥らないかという不安があった。 そんな中、直を嵌めた人間がメンバーの中にいるかもしれない事を知ってしまい───。 ー  ー  ー  ー  ー  直のお相手になるアイドルグループには クール、オレ様、ワンコ、根暗がいます。 ハーレムでイチャイチャ、チュッチュとほんのりとした謎を楽しんでもらえば良いと思ってます。

処理中です...