Lara

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初めてのお家に帰ることにしました。

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「待ってる間にドリンクバー行く?」
「…そうだな」

俺はアイスコーヒー、養父はメロンソーダをだ。メロンソーダ…別に普通なのに養父が持つとなると何故かいたたまれなくなる。何故俺はこんなのを養父にしたんだ。って思えてくる。

席に座り、コーヒーを飲んでいると養父が俺の持つグラスを見て話しかけてくる。

「ねーねー、いつもコーヒー飲んでるけど、カフェイン中毒なの?」
「ん?そんなことはないぞ?ただ一日三回はコーヒー飲んでるってだけで」
「それは十分カフェイン中毒かなー減量しない?」
「何故?こんな素晴らしいものを三回しか飲んでないんだぞ?三回しか」
「一日だけなら、うんまあ百歩譲っていいとしてもそれを毎日っていうのはなー」
「好きなものを好きなだけ飲んで何が悪い」
「…うーん、僕は君の健康が将来どうなっているのか考えるだけでも怖いよ」

大丈夫なのはこの五年で証明されてる。初めて飲んでからもう毎日三回は欠かさず飲んでるからな。多く飲んだとしても少なくしたことはない。
でも将来か…俺はどうなっているんだろうな。多分この自我は吞まれてしまっているだろう。そしてそのままあいつらの願いを叶える為に……

「お待たせいたしました。ミートスパゲッティ、コンポタージュスープ、ハンバーグ、ライス中でございます。ご注文の品は揃いましたでしょうか。」
「…ああ」
「ごゆっくりどうぞ。失礼します。」

店員が去り、目の前の料理に目を向ける。

「わあ、美味しそー!食べよ食べよ!」
「っ…ああ、そうだな」
「?…椿大丈夫?」
「大丈夫だ…」
「そっか、じゃあ食べよう。いただきます!」
「いただきます」

ハンバーグ、そういえば一回も食べたことがなかった。何故だろう…
多分今回も養父に勧められなかったら選ばなかっただろうし。無意識に避けていたのか?だが一体何故……

俺は少し動揺しながらフォークとナイフを手に取り、ハンバーグに刺し入れた。溢れ出てくる肉汁、香る芳香。一口大に切って口に運び

『―――』

涙を一つこぼした。

「ああ、そっか」

だから、避けてたんだ。

目をつぶった。その浮かんできた光景が掻き消されないように。脳裏に深く深く刻み込むために。

「…椿?」

どうしたの?

俺は涙を拭って笑った。

「義父さん、ありがとう」
「椿、どうしたんだ?そんな急に」
「別に…ただ、言いたかっただけだ。」
「…そっか」

明らかに変だったのに気づかないふりをしてくれたのはありがたかった。
今は、どうしてもそのことに触れてほしくなかったから。





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全ては、繋がる―――――――――
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