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血を啜る者たちと鳥獣と血狂いと
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☆★☆★☆
「っ、ハッ……」
血を頭から被ったかのような格好に俺は青くなった。
頭に痛みが入り、意識が明瞭になったのは先ほど。そこで紅鴉に文句を言おうとしたら自分の格好がどうなっているのか知ることになった。
また、やってしまった。幾ら黒い服を着ていると言っても血の色はわかる。
「ま…た……」
「『血狂い』」
「ッ、な、ンダァ?」
「とりあえず、戻ってこい。【ヴァンパイア】狩り続けるぞ」
「あ、アアそウだ、なァ…」
自己嫌悪で落ち込むのは後だ。今は状況を把握しよう。周囲には積み重ねられた男の山、【crow】、【cat】、【ヴァンパイア】の幹部数人。【ヴァンパイア】幹部は既に押さえつけられ、無力と化していた。もう終わってんじゃん。
「…………」
「マァ、ソンなこともぉアルよォ?」
「………クッ」
若干生暖かい目で見てしまうのも致し方ないと思う。格好つけたはいいもののもう終わっていたことに赤面した紅鴉を見つめて精神を追い詰めていると
「…そろそろいいか?」
「アッ、ソゥダァね。でェ、コレからドゥすんのぉ?」
「ああ、中断してしまったがあいつらに質問をしようとな」
「ソッカァ…口のスベェリが悪くゥナっタライエぇよォ?滑りヨクしてェヤァルからァ」
「あ、ああわかった、そのときは頼もう」
三人で縄にぐるぐる巻きにされた幹部組へと向かう。双子よ、巻くのは良いが巻きすぎじゃないか?というか口まで覆ったら駄目だろ。
豹は口まで巻いた縄を下ろし、幹部たちに質問をする。
「お前たちは何故俺たちの縄張りに進出してきた」
「へー、へへ。言ってやーるよ」
この状況下でもニタニタと頬を歪めていた表情を一変させる。
「お前らが奪っていった姫を取り戻すためだよ」
「「「はっ?」」」
「ン?アぁー」
王道な。その言葉を口の中に留めて続きを聞く。
「こっちは知ってんだよっ!お前らがお前らがお前らがッ!!」
「どういうことだ?」
「……Bloodsady、お前は、その姫とやらの居場所は知ってるのか?」
「ンー、ドウだっタかなぁ~お金がァあったラァ思イィ出せそォーナ気がァスルンだけどぉなァ~」
「……ハァ、わかったよ」
「毎度アリィ~♪アーオモイダシタオモイダシター」
「茶番はいいからさっさと言え」
ツレネェナァ
「クシシ…姫…インやぁ【クイーン】ハぁ【星陵学園】にイルよォ~?」
「「「「はっ!!?」」」」
「いたのかよ!?」
「いったい何時…」
「何年だ?」
「ヒヒひ…別料金で…と言いィたイトこォロダけドサービスしてヤンよ。クイーン、または成香 律は現在【星陵学園】高等部第二学年に今年五月三日に編入。癖のある鬘、野暮ったい瓶底眼鏡をかけている。…これでドォダァ?」
あーあ、ネタバラシしてしまった。いやまあ、知らないと言っても調べろって言われるだけなのだが
「あいつが?…だからか……」
「い、嫌ですね…私はなんてことを……」
「「うげぇ~!!」」
「あ、確かに似て、る?」
クイーンもとい、成香 律にベッタリだった蒼鴉と双鴉はもの凄く嫌そうな顔をしていて、紅鴉と狼鴉は納得の表情をしていた。ここまで別れると逆に面白い。思わずニヤニヤと笑ってしまう。
「っ、ハッ……」
血を頭から被ったかのような格好に俺は青くなった。
頭に痛みが入り、意識が明瞭になったのは先ほど。そこで紅鴉に文句を言おうとしたら自分の格好がどうなっているのか知ることになった。
また、やってしまった。幾ら黒い服を着ていると言っても血の色はわかる。
「ま…た……」
「『血狂い』」
「ッ、な、ンダァ?」
「とりあえず、戻ってこい。【ヴァンパイア】狩り続けるぞ」
「あ、アアそウだ、なァ…」
自己嫌悪で落ち込むのは後だ。今は状況を把握しよう。周囲には積み重ねられた男の山、【crow】、【cat】、【ヴァンパイア】の幹部数人。【ヴァンパイア】幹部は既に押さえつけられ、無力と化していた。もう終わってんじゃん。
「…………」
「マァ、ソンなこともぉアルよォ?」
「………クッ」
若干生暖かい目で見てしまうのも致し方ないと思う。格好つけたはいいもののもう終わっていたことに赤面した紅鴉を見つめて精神を追い詰めていると
「…そろそろいいか?」
「アッ、ソゥダァね。でェ、コレからドゥすんのぉ?」
「ああ、中断してしまったがあいつらに質問をしようとな」
「ソッカァ…口のスベェリが悪くゥナっタライエぇよォ?滑りヨクしてェヤァルからァ」
「あ、ああわかった、そのときは頼もう」
三人で縄にぐるぐる巻きにされた幹部組へと向かう。双子よ、巻くのは良いが巻きすぎじゃないか?というか口まで覆ったら駄目だろ。
豹は口まで巻いた縄を下ろし、幹部たちに質問をする。
「お前たちは何故俺たちの縄張りに進出してきた」
「へー、へへ。言ってやーるよ」
この状況下でもニタニタと頬を歪めていた表情を一変させる。
「お前らが奪っていった姫を取り戻すためだよ」
「「「はっ?」」」
「ン?アぁー」
王道な。その言葉を口の中に留めて続きを聞く。
「こっちは知ってんだよっ!お前らがお前らがお前らがッ!!」
「どういうことだ?」
「……Bloodsady、お前は、その姫とやらの居場所は知ってるのか?」
「ンー、ドウだっタかなぁ~お金がァあったラァ思イィ出せそォーナ気がァスルンだけどぉなァ~」
「……ハァ、わかったよ」
「毎度アリィ~♪アーオモイダシタオモイダシター」
「茶番はいいからさっさと言え」
ツレネェナァ
「クシシ…姫…インやぁ【クイーン】ハぁ【星陵学園】にイルよォ~?」
「「「「はっ!!?」」」」
「いたのかよ!?」
「いったい何時…」
「何年だ?」
「ヒヒひ…別料金で…と言いィたイトこォロダけドサービスしてヤンよ。クイーン、または成香 律は現在【星陵学園】高等部第二学年に今年五月三日に編入。癖のある鬘、野暮ったい瓶底眼鏡をかけている。…これでドォダァ?」
あーあ、ネタバラシしてしまった。いやまあ、知らないと言っても調べろって言われるだけなのだが
「あいつが?…だからか……」
「い、嫌ですね…私はなんてことを……」
「「うげぇ~!!」」
「あ、確かに似て、る?」
クイーンもとい、成香 律にベッタリだった蒼鴉と双鴉はもの凄く嫌そうな顔をしていて、紅鴉と狼鴉は納得の表情をしていた。ここまで別れると逆に面白い。思わずニヤニヤと笑ってしまう。
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