Lara

文字の大きさ
上 下
114 / 280
どうやら合宿があるそうですよ

しおりを挟む
翌日、俺たちは海に出ていた。

「わー!海だー!」
「みんな早く早く!」
「ちょっと!待ちなさいよ!まずは準備運動でしょ!足攣るよ!」

双子は海に興奮して走りだし、咲蔵が追いかけていった。ちびっ子たちの追いかけっこ、なんか小学生に見えるのが不思議だなー

「ここに、パラソル挿す?」
「そうだな。」
「…………」
「…………」

黙々とスコップで穴を掘るワンコとパラソルを持って待機する六万寺。この二人が合わさると無言になるから面白い。俺も手伝うとするか。

「僕も穴掘り手伝うよぉ~」
「……助かる」
「ん!こ、れスコップ」
「ありがと~」

穴が十分な深さになったらパラソルを挿して埋めて固める。倒れると危ないからな。よーく固めよう。後はみんなでレジャーシートを敷いたり荷物を置いたりして完成。横を見ると会長たちがテントをいくつか立てていた。それ、暑くない?

「かんせーかなぁ、二人は海に遊びに行っていいよぉ」
「ああ」
「ん…椿は?」
「僕ぅ?ここでみんなを眺めとくよぉ~」
「もしかして、腕……んーん、なんでもない」
「あははぁ、気を遣わせちゃったねぇ。でもまぁ、気が向いたらそっちに行くよぉ」
「わかった」

俺は今水着を着ているが海に入るつもりはない。鬘濡れるのやだし。なので上にワイシャツを羽織っていた。チャラ男なので前は閉めてません。色気は無いと思うけど、別に面倒になったからではない。ないったらない。もう一度言う、面倒になったからではない!
いったい誰に言い訳しているのかはさておき、パラソルの下に設置したビーチチェアに寝っ転がる。あーいいなこれ。自分の荷物からペットボトルを取り出して飲んだ。

「おーおー満喫してるねぇ」
「あーホストせんせーだぁ~」
「誰がホストだ!」
「だったらその見た目を直しなよぉ」
「そうですよ、ホスト先生。生徒の情操教育に悪いので帰って着替えてきてください」
「嫌に決まってんだろ。お前こそジャラジャラつけまくったアクセを取れ。視界がウザい。」
「何言ってるんですか、見なさいこの輝きを。この美の集大成を!」
「へーへー」

やって来たのは我らが生徒会の顧問のホスト先生と風紀委員の顧問の織川 創輝おりかわ そうきだった。この二人の関係はこの学園に在学していた時からあって、当時は生徒会長と風紀委員長をやっていたらしい。今は丸く(?)なったらしいけど、学生時代の時はバッチバチに争っていたらしい。代々仲悪いからな生徒会と風紀。
……俺はどっちもどっちだと思う。

「ホスト先生はぁ、その色気を仕舞ってくださ~い、キモイのでぇ~キラキラ先生はぁ、太陽光が反射してぇ眩しいだけなのでぇ、どっかにそれ、捨ててきてください。」
「どうやって仕舞えと、というか出してねぇよ。」
「最後真顔でしたね、捨てる気はありませんので我慢してください。」

だったら視界に入ってこないでほしい。マジで眩しい。

しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

表情筋が死んでいる

白鳩 唯斗
BL
無表情な主人公

もういいや

ちゃんちゃん
BL
急遽、有名で偏差値がバカ高い高校に編入した時雨 薊。兄である柊樹とともに編入したが…… まぁ……巻き込まれるよね!主人公だもん! しかも男子校かよ……… ーーーーーーーー 亀更新です☆期待しないでください☆

さよならの合図は、

15
BL
君の声。

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話

みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。 数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

せっかく美少年に転生したのに女神の祝福がおかしい

拓海のり
BL
前世の記憶を取り戻した途端、海に放り込まれたレニー。【腐女神の祝福】は気になるけれど、裕福な商人の三男に転生したので、まったり気ままに異世界の醍醐味を満喫したいです。神様は出て来ません。ご都合主義、ゆるふわ設定。 途中までしか書いていないので、一話のみ三万字位の短編になります。 他サイトにも投稿しています。

処理中です...