Lara

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騒ぎの終結と夕焼けの空

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「わかった、俺たちは帰るな。」
「ん、後、よろしく」

よほど疲れていたのかすぐに帰ろうと扉に向かう二人。何を思ったのか副会長は目を剥いて立ち上がった。

「な、なぜ私たちは残って龍たちは帰るんですか!」
「そうだよー」
「僕も帰りたい」

やっぱわかってなかったねこの野郎。テメェらに文句言われる筋合いはねぇんだよ。

Sit on床に the floor座れ.」
「は?」
「「え、」」
Don't sitソファーに on th座らe sofaないでSit on床に the floor座れ!」
「は、はい!」
「「Sir, yes, Sir!」」

デジャヴを感じる。あ、チャラ男副委員長の時に一回やったわこの流れ。道理で見覚えのある素晴らしい景色で。

「体育座りじゃなくて正座で。」
「はぁっ!?」
「「むりむりむ――」」
「あ゛あ゛っ?」
「「喜んでやらせてもらいますぅー!!」」

なんか前よりもシンクロ度が増してないか?無意識でやってるだろこれ。
少し生意気…文句を言いそうだったから思わず低い声が出てしまったらすぐに正座になってくれたよ。なんでだろうなー

「その様子だと何故残らされたか理解できてないよなーうん、今日の不審者の件でだよ。」

にっこりと微笑む。どうしてか三人の顔は引きつっているが床が痛いのかな?
カーテンの隙間から伸びてきた赤い光がテーブルを包み込む。もう日が落ちそうだ、もう直ぐ夏だがまだ五月。日入りは早い。

「明らかに不審者の格好で迫ってきたのにもかかわらず風紀への連絡もなし、なにも準備せずただ突っ立って不審者と話し出す始末。挙句の果てに転校生のことばっかりで不審者が目の前にいるにもかかわらず警戒もなく話し出す。俺が見てなかったら無事でいられなかっただろうなァ?テメェら坊ちゃんは家がでけぇ、誘拐とかあるだろうと警戒くらいはすると思いきやこれだもんなァ?一体どんな思考回路だったらそんなことが出来るんだァ?」

あ、やべ、少しBloodsadyの人格が混ざった。語尾が、語尾が、こればっかりはシャレにならん。とりあえず表出んな、戻れ、帰れ。

「それは……」
「いくら学園が厳重な警備だったとしても、今回の場合ゲームの会場以外は手薄になるよなぁ?立ち入り禁止区域だもんな、かの有名な生徒会役員様がいるとは思わないんもなぁ?」
「ぐっ…」
「はぁ、いじめるのはこれくらいにしておこうか。言っとくが、今回は偶々気づけたからいいものの、次はどうかはわからんぞ。」
「ええ、もうやりません。…椿」
「なんだ?」
「改めて、申し訳ございませんでした。」
「睦月…」
「皐月…」
「「もーしわけございませんでした!」」

はぁ、こいつら…

「別にいいよ。若気の至りってもんだろ。大人になって思い返して悶えとけぐらいは思うけどな。」
「なんか、爺臭いですね…年齢詐称でもしてません?」
「ハンッ!馬鹿じゃねぇの?」
「椿ー」
「なんか」
「「毒舌だね?」」
「うっせー……転校生のことはどうするんだ?」
「…私は、少し考えて見ました。初対面で指摘することについてですが……」

副会長は膝の上に手を置いて強く握り、深く息を吐いて吸った。

「確かに失礼な態度だったと今は分かります。ですが指摘されて私が嬉しかったのも事実。世界が変わる程かと思いました。」

昔を懐かしむかのような笑みを浮かべ、こちらを見やる。目はとても澄んでいた。

「それでも、一度離れようかと思います。周囲が見えていなかったのもまた事実。迷惑もかけるほどだったのですから、余裕をもって静かに考えて見ようかと。」
「うん、いいんじゃないか?副会長が良いんだったらな。」
「僕もー!」
「皐月…?」
「僕だって離れるよー元から睦月を悲しませるほど一緒に居たいとは思っていなかったしーそれにまた椿と龍と大樹とわんわんと睦月も合わせてみんなで遊びたいからねー」
「皐月ぃー!」
「わっ……!」

なんてことでしょう、ここのところ過労死しそうなほど頑張った俺への誰かからのご褒美なのだろうか。萌えが連発してる、わちゃわちゃしてる……ハァ
二人が落ち着いたところで話を再開する。

「それじゃあ、三人はしっかりと生徒会に戻ってくるってことでいいよな?」
「ええ」
「「うん」」
「そうか、それは良かった。それじゃあ、話も終わったことだし……」
「帰る!」
「貯まった仕事でも捌いてもらおうか。」
「「「え…?」」」
「え?じゃないよ、ほらしばらくさぼってただろう?ちゃんとやってもらうよ?」
「そ、それは明日に持ち越したり出来ないかなーって」

扉の方に歩いていき俺特製の内鍵を取り出す。これで何があっても開かないだろう。

「できないが、なにか?ほら、一徹二徹簡単だからやろうか。俺も付き合ってやるから。―――」

―――覚悟しろや。

双子の魂の叫びを聞きながら俺は鍵をかちゃりとかけた。
時間はたっぷりあるからなぁ?
夜はゆっくりと更けていった。


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