Lara

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NEXT!食堂イベント

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「おーい!副会長たち~待ってよぉ~!」

ようやく追いついた。と思ったら食堂の少し前。

「遅いですよ、馬鹿二人組。何処をほっつき歩いていたんですか。待たせないでください。」

あ、どうやら待たせていたようだ。副会長たちと合流して、食堂へと歩く。
副会長たちが待って、立っていたからか周りには生徒たちが集まっていた。

そろそろつけるか、耳栓。
制服のブレザーの内ポケットに忍ばせている耳栓を取り出して、耳に装着する。まあ、着けていてもここだとあまり変わらない気がするが、無いよりはマシだろう。

さて、扉の前に到着したわけだが

「さあさあ早く!」
「開けちゃうよー!」
「あっ!ちょ、待ってください!」
「おい!待て――――」
「「せーのっ!」」

ギイイイッ

こちらを向いた数々の視線。訪れる静寂。
それは、ある生徒の手から落ちたフォークの音で破れた。

「「「「「きゃぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」」」」
「「「「「うっおおおおおおっ!!!!」」」」」

――ッ!!!!!

いってぇぇぇっ!!?耳がいてえっ!!あー俺一人の時でも悲鳴と怒声がすげえのにこれが生徒会全員になったらもはや終末だよな。分かってたさ。

「ああああ、会長様っ!メイクメイク……」「会長様、抱いてぇ……」「ああ、副会長様に罵られたい。蹴とばされたい。」「副会長様…お綺麗ですぅ」「会計様…今夜抱いてくださらないかな…」「会計のやつ…相変わらず細っせーな、舐めて、追い詰めてぐしゃぐしゃにして……」「書記様だっ!みんな、静かにするんだよっ書記様は大きな声が苦手でらっしゃるからね」「「「……はいっ(小声)」」」「庶務様ー!こっち見てくださーいっ!」「ああ、死ねる…わが一生に一片の悔いなし…」「「「キターーーーーー!!!食堂イベント!」」」「やべえ…」「歴史的邂逅の時間…」「王道転校生と生徒会の距離、残り15.748m!!!」

おいっ、俺を舐めたいって言ったやつ、後で潰す。弱みは握ってんだからな。後、腐男子たち隠れなさすぎ、何言ってんのこいつらって目で見られてるぞ。って、距離の計測細かいな!…って思ったら光藤かよ…


ったくほんっと、くらくらする。俺って人よりとびぬけて五感が良いからこういうのは、ちときついんだわ。イベントの興奮で忘れ去られてた。って、あっ――

ぽすん

「ん……だい、じょぶ?」

揺れる頭で体勢を崩して倒れそうになったら、ワンコが支えてくれた。俺は顔を上げて

「うん!ありがと~!もう大丈夫~」
「そ……なら、よか……た。」
「えへへぇ~そんなやさしいわんわんには、お礼を差し上げちゃいます!」

あ、わんわんってワンコ書記のことだ。初っ端からこのあだ名を付けて呼んだら、きょとんって目をパチパチした後、ふにゃりって笑って承諾してくれたんだ。以降、このあだ名で呼んでたらそこらに湧いてくる腐男子とか周りのワンコ書記の親衛隊の人たちが“うんうん、そうだよな。犬だよな”って感じのきらきらとした目を向けてきて笑った。

「ほら、わんわん手を出して~」
「?…わか、た……」

今度は耳栓を出した内ポケットとは反対側の内ポケットからクッキーの入った小袋を取り出して、ワンコの頭を傾げた動きと一緒に(ぐはっ…癒される)差し出された手に乗せる。

「わ…あ、っ!」
「僕ちんのぉ~お手製クッキーでーす!大事に食べてねぇ~」
「あ……と!」

これは、ありがとうって言ったなかな?では、

「うんにゃ、お礼はいいんだよ~だって、僕のぉお礼だしい~もとからあげるために用意したんだからにぇ~」
「ん…!それ、でも!」
「にしし、じゃあ今度一緒に中庭でお茶会しよ~」
「お、け!!たの……し…み!!」

うんうん、俺も楽しみにしてるよ。だから―――




―――俺のそばから消えてしまわないで……


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