キラワレモノノ学園

Lara

文字の大きさ
上 下
22 / 28

九月四日 11

しおりを挟む
「さて、もう夜も遅いわけだが……寝るか?」

映画も見終わり、削除して時計を確認したら既に夜も更けていた。

「うん?……ほんとだ、もうこんな時間」
「で、寝るか?」
「泊って良いの?」

何を言ってるんだ?こんな時は

「セックスするか?って聞いてるんだ」
「……」
「クククッ、口が開きっぱなしだぞ」

内股を撫ぜて囁くと顔を真っ赤にさせて俺の方を振り向いた。なんだ、そういうことだろう?夜の遊びとは。堂々と誘ってきたんだ、いくら無自覚でもなぁ?

「だって、そうだろう?夜の遊びとはそういう意味を持つと捉えられるし、この学園ではそういう風に捉えやすい」
「……」
「まさか、そんなことを考えもしなかったって言いたいのか?」

それこそ違うだろう。

「鶴白、お前は期待していたんだ。心の何処か奥底で、俺に近づきたい、なら」

―――どうすればいい?

「ってな。昼の態度からもお前の心境に変化があったのは明確だ。それも、特大のな」

鶴白は目をまんまるにして俺を見つめている。

「なぁ、お前の願いは何だ?」

叶えてやるよ。と耳元でささめく。さあ言えよ、その望みを。欲望を剥き出しにして、愚かに、醜悪に、甘ったるい無様な願いを。それが王たる俺の命だ。

「―――っは」

洩れる息。唇が震えてその望みを外へと曝け出した。

「よくできたな」

それを聞いた俺は鶴白を抱き上げ、流れたままのテレビと明かりをそのままに寝室へと向かう。その際鶴白は借りてきた猫のように固まったままだ。そんなところがまた、面白い。

ギシリ―――

ベッドの上に鶴白を乗せ、俺もその上に乗り上げる。

「あ、あま、かわさ、ま……」
「そのまま大人しくしておけ」

伸ばされた手をするりと撫ぜ、扉の脇に置いてある小棚からローションとコンドームを取り出す。

「一応聞くが、アナニーをした経験は?」
「えっっ、あ、な、ないけ、ど……」

なら面倒だが慣らすしかねぇか。

時計を見る。さて、本番に入るまで何時間かかるか。その頃にはグズグズに悦がり狂ってるかもな。

「あ、あ、あまかわ、さま?あ、ちょ、まって」
「待たない」

そのまま鶴白のズボンのベルトを取り外し、ズボンを下ろす。

「にゃ!?ひぇ……」
「間抜けな声を出すな」

色気が台無しだ。かといって無くなるわけではないが。

その内股を撫で、下着の上に滑らし、ゆっくりと下ろした。

「な、あっ……ちょ、ちょっとタンマッ!」
「なんだ、ここに来て怖気ついたのか」
「あ、うん……あ、いや、じゃなくて!天川様と触れ合えるのは嬉しいなぁって思ってたりするんだけど……って何を言ってるんだ俺!?」

真っ赤になって早口で言い訳をする。ふむ、それならば

「なら止めにするか」
「あ……え?」

そう言って体を起こすと呆然とした表情で俺を見つめてくる。何故だ?止めるってことは嫌だという表現だ。だから、嫌なんだろう?なぁ?

「止めるってことは、そういうことだろう?なら、そうするまでだ」
「え、っと………だ」

最後の方は声が小さく掠れているため上手く聞こえなかった。

「なんだ?」
「やめる、のやだ……」
「「…………」」

ああ、これは逸材だ。

「クッ、ククク…やだか……」
「ッ……」
「なら、続けるか?」

それを見下ろすといつのまにやらゆるりと立ち上がっている男根があった。淡いピンクでそういうことではあまり使ってなさそうだ。

それをゆるりと掴むとまたか細く悲鳴を上げる。それがまた、男の劣情を煽っているとは知らずにな。

「さて、楽しくいこうか」

目を細め、獲物を狙い定めた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

『これで最後だから』と、抱きしめた腕の中で泣いていた

和泉奏
BL
「…俺も、愛しています」と返した従者の表情は、泣きそうなのに綺麗で。 皇太子×従者

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版) 読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭 1/27 1000❤️ありがとうございます😭

十七歳の心模様

須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない… ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん 柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、 葵は初めての恋に溺れていた。 付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。 告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、 その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。 ※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。

お飾り王妃の死後~王の後悔~

ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。 王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。 ウィルベルト王国では周知の事実だった。 しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。 最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。 小説家になろう様にも投稿しています。

あなたの隣で初めての恋を知る

ななもりあや
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。 その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。 そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。 一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。 初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。 表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした

亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。 カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。 (悪役モブ♀が出てきます) (他サイトに2021年〜掲載済)

【BL】こんな恋、したくなかった

のらねことすていぬ
BL
【貴族×貴族。明るい人気者×暗め引っ込み思案。】  人付き合いの苦手なルース(受け)は、貴族学校に居た頃からずっと人気者のギルバート(攻め)に恋をしていた。だけど彼はきらきらと輝く人気者で、この恋心はそっと己の中で葬り去るつもりだった。  ある日、彼が成り上がりの令嬢に恋をしていると聞く。苦しい気持ちを抑えつつ、二人の恋を応援しようとするルースだが……。 ※ご都合主義、ハッピーエンド

処理中です...