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2022年2月

(26)母が息子に恋した瞬間…

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【2022年2月24日】


『いつから息子さんを好きになったんですか?』

そう言えば、そのことは文章にしていました。

そのときの文章が残っていましたので再掲します。

ただ、一部は修正しています。



(お母さん、たぶん、ずっとゆうちゃんが好きだったの…。)

息子に男性を感じたのは、下着を悪戯されたときが初めてではありません。

初めて愛し合ってから、もう2年以上も前になります。

食べ盛り、と言うのでしょうね。

成長期に部活が重なり、食事の量もみるみる増えていきました。

ご飯おかわり5、6回は当たり前でした。

それに比例するように、身長もぐんぐん伸びていきました。

そんなある日の事でした。

夕飯の支度の為、普段通りキッチンに立っていました。

メインのお肉料理も終わり、あとは主人のお酒のおつまみを作ろうとしていたとき、背後に気配を感じました。

「お母さん…。」

「えっ!?あ、ゆうちゃん…。はぁ、びっくりしたぁ…。」

「ごめんなさい、ちょっと比べてみたくて…。」

「えっ?何を?」

「身長!」

「えっ、あっ、そうなの?」

「うん!だからお母さんも真っ直ぐ立ってみて!」

「あっ、はい。これでいい?」

「うん!じゃあ…。」

その直後でした。

(ち、ちょっと…。)

息子の顔が、目の前に迫ってきます。

(なにも、こんな近づかなくたって…。)

もし地面が揺れて、どちらかが傾いたら、唇が触れてしまいそうな距離でした。

「ゆ、ゆうちゃん…。まだ?」

「ちょっと待って…。ほら、やっぱりだ。もうお母さんより背が高いよ!」

嬉しそうに言うと、息子は母を頭を撫でてきました。

「ちょっと、ゆうちゃん…。」

もちろん、恋人や夫婦がする、撫で撫で、とは違います。

母の身長を超えたことで、優越感に浸っている、撫で撫で、でした。

けど、私には別の昂りがありました。

(なんでだろう…。胸が、ドキドキする…。)

目の前に迫られたこと、頭を撫でられたこと、そして息子から漂う若い男の子の匂い。

それらが相まって、男性として意識してしまったのだと思います。

もちろん、それは一瞬だけでした。

ただ、成長する息子を見るたびに、時々、思い浮かべるようになりました。

(ゆうちゃんとキスする人は、ドラマみたいにつま先立ちするのかな…。)

最初はすぐに考えを振り払いました。

しかし、その妄想は次第にエスカレートしていきました。

(ゆうちゃんとなら、ヒール履いても目立たないかな…。)

(ゆうちゃんとなら、腕組んで歩いても釣り合いが取れるのかな…。)

(ゆうちゃんとなら、キスしても…。)

ただ、最後の妄想に辿り着いた時、ようやく我に帰りました。

「母親なのに、何考えてるのよ…。」

口に出す事で、自分を諌めようとしました。

結局、それらの妄想は、それ以上の現実になりました。

たぶん、あの日から、結ばれることは決まっていたのかもしれません。

もしこの事を知ったら、息子はなんと言うのでしょう。

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