［ R-18 ］息子に女の悦びを教え込まれた母の日常

2021年12月

（2）嫌な想い出も…

【2021年12月22日】


私の朝は早いです。

早朝と言ってて５時に、いつも目覚めます。

これは昔からの習慣です。

今はお弁当を用意したりする必要もないので、こんなに早く起きる必要性はありません。

８時前に出掛ける夫の、朝食とその準備が出来れば良いので、もう少し遅く起きても不都合はありません。

しかし、私はその朝の時間を大切にしています。

今の時期は真っ暗ですが、その静寂の中で過ごす１人の時間は、妻と母の立場から解放される唯一とも言える時間です。

目覚めとともにキッチンに向かい、コーヒーを淹れます。

パソコンとスマートフォンで、ＳＮＳのコメントやメッセージ、そして投資の情報などを確認します。

それから時間があれば、ブログのお話を書いたりもします。

ただ、夜中に届くメッセージやコメントが、私の心を惑わせます。

特に昨日のような投稿をすると、嬉しいような、恥ずかしいようなメッセージがたくさん届きます。

『恵子に酷い事をするなんて、許せない。』

『俺が傍にいたら絶対守るよ。』

昔の事とは言え、電車内での卑怯な行動に、憤慨される優しい皆さんがたくさんいました。

こういうときは、本当にＳＮＳをやっていて良かったと思います。

そして、その当時にＳＮＳがあったら、どれだけ救われたかとも思います。

ただ、そんな優しい皆さんの想いを、今の私は、裏切っています。

（もし、今の私が、あんなことされてたら…。きっとその人と、また会いたいと…。）

昔の事なので、あのときの手の感触を覚えてはいません。

しかし、少しずつ追いつめられるようなあの感覚は、まだ覚えています。

そんなことを思い出してしまうと、朝の清々しい時間は、まったく別のものになっていました。

薄暗いダイニングで、私は深夜のような、うっとりした表情をしていました。