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☆
香水と僕
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「今日は趣向を変えようと思いまーす」
「趣向を変える?」
「いつも同じようなセックスはつまんねぇもん。奈央だってそう思うだろ」
「別にそんなことないけど・・・」
いいからいいから、と言って大貴は僕のことをベッドに押し倒し、ポケットから薄いタオルを取り出した。
大貴に会ったのは久しぶり。2ヵ月ぶりくらい。
付き合っているわけではない僕たちは、いわゆるセフレという都合の良い関係で仲良くしている。
もともとノンケだったこいつをバイに変えたのは僕だった。
「じゃーん」
「手でも縛るの?」
「違う違う、俺が目隠しするの」
大貴はベッドから降り、ちょっと待っててと自分のカバンを漁った。
突然そんなこと言い出すなんて思っていなかったから、僕は内心焦ってしまう。
いつものセックスでは、物足りなかったのだろうか。
「見て、コレ」
そう言って取り出したのは、女物の香水。
「これ、ネットで買ったら間違えて女物買ってたらしいわ」
シュッと大貴が僕に向かって香水をかける。
ムワっと香る女の匂いに僕は少しクラクラしてしまった。
「ゲホッ・・・ケホ・・・・急にかけないでよ・・・僕に匂い付いちゃうじゃん・・・」
「それでいーの」
大貴はにやにやと笑って、目隠しして、と僕にタオルを渡す。
何がしたいのか分からず困惑してしまったが、言われるがままに僕は大貴を目隠しした。
「僕にじゃなくて、大貴が目隠しするの?」
「そーだよ。お、いい感じに何も見えない」
手をバタバタと動かす。僕に触ろうとしているのだろうか。
「できたよ。ねぇ、僕の顔見えないじゃん」
僕が聞くと、大貴が答えた。
「やば、まじで女とヤるみたい」
「え?」
想像もしていなかった返答に、僕は思わずフリーズしてしまう。
「その香水、まじで女が目の前にいるみたい。興奮してきちゃったんだけど」
大貴は僕の右手を探り当て、そのまま自分の股間へと持っていく。
勃起して苦しそうにしているモノがズボンの上からでも分かる。
「大貴・・・勃ってる・・・」
「興奮しちゃったからな」
そう言って大貴は無理やり僕にキスをし、雰囲気なんて二の次で舌を押し込んできた。
「んん!・・・んんぁ・・・っ」
大貴の力にあらがえず、そのまま舌を受け入れる。
どうやら、自分も興奮してきているようだ。ジーンズの股間部分がどんどんキツくなる。
が、それ以上に大貴が僕を女の代用としている、そんな屈辱感の溢れるこのシチュエーションを虚しく思う自分がいた。
「・・・っ!わっ・・!」
大貴が僕の服の中に手を入れ、そのまま胸の突起に触れると思わず声が出てしまう。
「声出すなって。低い声じゃ萎える」
大貴が耳元で囁くように言った。その声にゾクゾクしてしまう。
「ん・・・ふぅ・・・んんっ・・・」
カリカリと爪で突起を弾くとますます勃起してしまう。
「まじでやばい。貧乳の女とヤってるみたいで笑える」
大貴はそう言いながら、自分の勃起した股間をグイグイと僕に押し付けてきた。
「大貴・・・大貴っ・・・!」
「喋んなって、男の声なんか聞いたら萎えんだろーがよ」
僕は悲しくなった。目からは涙が出る。なぜそんなにも悲しい気持ちになったのかは分からなかった。
そして、とうとう僕は大貴の目隠しを外す。
「っ!ちょ、なんで取るんだよ~」
まぶしそうに目を細める大貴。
「・・・え、泣いてんじゃん・・・ごめん、なんか変なことしちゃった・・・?」
泣いている僕を見て大貴はギョっとする。
そして、ぽんぽんと頭を撫でた。
「今は僕とセックスしてるんだから、僕のことだけ見てよ」
頭で考えるよりも先に、僕は言葉として伝えていた。
そうか、僕は僕を見て欲しかったのか。
大貴は一瞬キョトンとした顔をしたが、すぐいつものような優しい笑顔に戻って言った。
「たしかに、ごめん。さすがに酷かったよな」
「僕たちはセフレだけど・・・セックスしてる時くらいは僕のこと見てよ」
我ながら、面倒くさい男だ。
言動だけで見れば僕はその辺の女の子よりよっぽど女々しい。
大貴は笑って、もう一度頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「相変わらず奈央は面倒くせぇなぁ」
にしし、と笑い、大貴はもう一度キスをした。唇に触れるだけの、子どものようなキスを。
「んじゃ、次はちゃーんと奈央のことを見て奈央だけど気持ち良くしてやるからな」
「なにそれ!僕だって大貴のこと気持ち良くしたいんだけど?」
「お前、いっつも俺にヒィヒィ言わされてるだけじゃねーかよ」
「今日は僕も攻めるの!いいでしょ!」
「はいはい」
大貴がおいで、と腕を伸ばす。
僕は、それに飛び込んでキスをした。
僕たちはセフレだ。
でも、セックスしている間だけは、僕の恋人でいてね。
「趣向を変える?」
「いつも同じようなセックスはつまんねぇもん。奈央だってそう思うだろ」
「別にそんなことないけど・・・」
いいからいいから、と言って大貴は僕のことをベッドに押し倒し、ポケットから薄いタオルを取り出した。
大貴に会ったのは久しぶり。2ヵ月ぶりくらい。
付き合っているわけではない僕たちは、いわゆるセフレという都合の良い関係で仲良くしている。
もともとノンケだったこいつをバイに変えたのは僕だった。
「じゃーん」
「手でも縛るの?」
「違う違う、俺が目隠しするの」
大貴はベッドから降り、ちょっと待っててと自分のカバンを漁った。
突然そんなこと言い出すなんて思っていなかったから、僕は内心焦ってしまう。
いつものセックスでは、物足りなかったのだろうか。
「見て、コレ」
そう言って取り出したのは、女物の香水。
「これ、ネットで買ったら間違えて女物買ってたらしいわ」
シュッと大貴が僕に向かって香水をかける。
ムワっと香る女の匂いに僕は少しクラクラしてしまった。
「ゲホッ・・・ケホ・・・・急にかけないでよ・・・僕に匂い付いちゃうじゃん・・・」
「それでいーの」
大貴はにやにやと笑って、目隠しして、と僕にタオルを渡す。
何がしたいのか分からず困惑してしまったが、言われるがままに僕は大貴を目隠しした。
「僕にじゃなくて、大貴が目隠しするの?」
「そーだよ。お、いい感じに何も見えない」
手をバタバタと動かす。僕に触ろうとしているのだろうか。
「できたよ。ねぇ、僕の顔見えないじゃん」
僕が聞くと、大貴が答えた。
「やば、まじで女とヤるみたい」
「え?」
想像もしていなかった返答に、僕は思わずフリーズしてしまう。
「その香水、まじで女が目の前にいるみたい。興奮してきちゃったんだけど」
大貴は僕の右手を探り当て、そのまま自分の股間へと持っていく。
勃起して苦しそうにしているモノがズボンの上からでも分かる。
「大貴・・・勃ってる・・・」
「興奮しちゃったからな」
そう言って大貴は無理やり僕にキスをし、雰囲気なんて二の次で舌を押し込んできた。
「んん!・・・んんぁ・・・っ」
大貴の力にあらがえず、そのまま舌を受け入れる。
どうやら、自分も興奮してきているようだ。ジーンズの股間部分がどんどんキツくなる。
が、それ以上に大貴が僕を女の代用としている、そんな屈辱感の溢れるこのシチュエーションを虚しく思う自分がいた。
「・・・っ!わっ・・!」
大貴が僕の服の中に手を入れ、そのまま胸の突起に触れると思わず声が出てしまう。
「声出すなって。低い声じゃ萎える」
大貴が耳元で囁くように言った。その声にゾクゾクしてしまう。
「ん・・・ふぅ・・・んんっ・・・」
カリカリと爪で突起を弾くとますます勃起してしまう。
「まじでやばい。貧乳の女とヤってるみたいで笑える」
大貴はそう言いながら、自分の勃起した股間をグイグイと僕に押し付けてきた。
「大貴・・・大貴っ・・・!」
「喋んなって、男の声なんか聞いたら萎えんだろーがよ」
僕は悲しくなった。目からは涙が出る。なぜそんなにも悲しい気持ちになったのかは分からなかった。
そして、とうとう僕は大貴の目隠しを外す。
「っ!ちょ、なんで取るんだよ~」
まぶしそうに目を細める大貴。
「・・・え、泣いてんじゃん・・・ごめん、なんか変なことしちゃった・・・?」
泣いている僕を見て大貴はギョっとする。
そして、ぽんぽんと頭を撫でた。
「今は僕とセックスしてるんだから、僕のことだけ見てよ」
頭で考えるよりも先に、僕は言葉として伝えていた。
そうか、僕は僕を見て欲しかったのか。
大貴は一瞬キョトンとした顔をしたが、すぐいつものような優しい笑顔に戻って言った。
「たしかに、ごめん。さすがに酷かったよな」
「僕たちはセフレだけど・・・セックスしてる時くらいは僕のこと見てよ」
我ながら、面倒くさい男だ。
言動だけで見れば僕はその辺の女の子よりよっぽど女々しい。
大貴は笑って、もう一度頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「相変わらず奈央は面倒くせぇなぁ」
にしし、と笑い、大貴はもう一度キスをした。唇に触れるだけの、子どものようなキスを。
「んじゃ、次はちゃーんと奈央のことを見て奈央だけど気持ち良くしてやるからな」
「なにそれ!僕だって大貴のこと気持ち良くしたいんだけど?」
「お前、いっつも俺にヒィヒィ言わされてるだけじゃねーかよ」
「今日は僕も攻めるの!いいでしょ!」
「はいはい」
大貴がおいで、と腕を伸ばす。
僕は、それに飛び込んでキスをした。
僕たちはセフレだ。
でも、セックスしている間だけは、僕の恋人でいてね。
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