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08.合流、パーティ集合

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「あ、ルリールから電話だ」
シュビルはスマホを取り出し電話に出る。
「もしも・・・なっ・・・え?またかよ~・・・はいはい、行くから待ってて」

シュビルはため息をつきながらベッドから立ち上がる。

「どうしたの?」
「ルリールが怪我したらしい。歩けないし金もなくて誰にも治癒魔法使ってもらえないから迎えに来てほしいんだってさ」
「大丈夫なの」
「うん、いつものこと。奏人はどうする、ここにいる?」
「僕も行くよ」

奏人は外の世界をもう少し見ておきたいと思い、シュビルについて行くことにした。



15分ほど歩いたところにダンジョンの案内所はある。そこの医務室でルリールは待っているようだ。

「医務室って、お医者さんがいるの?」
「ううん、名前だけで誰もいない。一応簡単な救急セットはあるけど、ただの休憩所みたいになってる」

扉を開けると、長椅子に寝転がる青年が一人。むくり、と起き上がったのはルリールだった。

「シュビルー!」
シュビルに気が付いたルリールがニコニコしながら手を振っている。
シュビルははぁ、とため息をついて手を挙げた。


「奏人!奏人ももう来てたんだね。おはよう」
「おはよう、ルリール。怪我は大丈夫なの?」

見て、とルリールはズボンの裾をめくりあげると、真っ赤な血に染まった白いタオルが出てきた。
「うっわ・・・なにこれ、噛まれたの?」
「うん、いけると思ったら武器のレベルが足りなくてダメだった。逃げようとしたけど間に合わなくて」

痛々しそうにも程がある。
奏人は思わず目を逸らしそうになったが、痛がるルリールを見て治癒魔法を今すぐ使ってやりたい気持ちに駆られた。
「ルリール、ここでもう魔法使うよ。痛そうで見てられない。シュビルだってルリールを担いで帰るの大変でしょ」
ルリールは、ありがとう~!と奏人に抱き着いて礼を言う。


奏人は、よし、と呟いて手をルリールの足に伸ばした。

「・・・治れ!」

紋章が浮かぶ。光に包まれ、ルリールの足は一瞬にして元通りになる。

「あ、痛くない・・・」
どうやら成功のようだ。
ルリールは足を動かしてみせ、ありがとうと言った。

「よし、帰るか」
シュビルが立ち上がろうとすると、医務室へ猫のような耳を生やした男が息を切らして入ってきた。


「誰か!・・・誰か助けてくれ!!!!」
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