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19. フリーダンスの相手選び
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フリータイムになると、パートナー以外の相手とも踊れるようになる。その上、デビュタントやキャバリエでなくてもダンスに参加出来る。
ニコラスとドリスのまわりには、一緒に踊って欲しい人達で、あっという間に人集りが出来た。
ダンスは基本的に女性からは誘えないため、女性達はニコラスの近くに寄ってモジモジするだけだが、男性達は猛烈なアピール合戦を始めた。
「私は昨年、ダンス大会で入賞した腕前で、ダンスのリードには自信があります」
「彼はダンスは上手いかもしれないが、衣装がダサいですよね? 僕の衣装はギルドアカデミーのデザイナーに特別特別注文した衣装で...」
「衣装が良くても、中身が良くないといけませんよね?」
「でしたら私はいかがですか? 彼らは男爵家だが、私は伯爵家ですよ?」
「だが、三男で爵位は継がない。私は将来的に男爵の爵位を継ぐ予定です」
「貧乏な男よりも、金持ちの男はいかがですか? 侯爵家の分家ですが、騎士として王宮の騎士団に所属していますよ」
「この方のダンスはお世辞にも上手いとは言えません」
「何だと!? そういうお前はどのくらいの腕前なんだ!?」
ドリスは溜息をついた。
正直なところ、もうダンスは踊りたくないのよね。衣装を縫ってもらっている間、60分間も立ちっぱなしだったから。すでに足が痛いのよ。
でも、この方達、身分的には皆、ワタクシよりも上の身分だし...何とかニコに、追い払って貰えないかしら?
ドリスがニコラスの方を見ると、ニコラスはラウンドガールのように、商品カタログを広げていた。アンジェリカ伯爵が何やらカタログを指差して熱弁をふるっている。
アンジェリカ
「ホワイト領のギルドアカデミーが誇る最新式の馬車はいかがですか? 車軸と車体を繋ぐ部分にサスペンションを取り入れ、車輪も弾力性のある特殊素材を採用したことで、従来の馬車よりも大幅に揺れを軽減! 馬車が安定しているので馬への負担も解消! 座席は本革のフカフカシートで、対面ボックスシートの4人乗り! 御者や小姓が座るシートも本革でフッカフカです! 窓にはベルベットのカーテン付きでプライバシー保護や防寒もバッチリ! ランプの装着場所が前後左右に付いているから夜道も安心! 降車の際に足元を照らすランプまで付いている!
隅から隅まで嬉しい機能と高級感が満載で、何とお値段はたったの1,000万イェニ(3,000万円位) !
先行予約販売ですから、今なら売り切れの心配なく買えちゃいまっす!
そ・し・て! 今すぐにご予約頂ければ、先着順でニコラスとダンスを踊る権利が手に入ります! 先着10名様まででっす!」
うわぁ~、伯爵様、こんな日にまで商売に勤(いそ)しんでいらっしゃる。ニコまで商品の特典にされちゃって...流石、ギルドアカデミーの女主人!
「買いますわ!」
「ワ、ワタクシも!」
「お父様! お願い! 馬車を買って!」
シルバー公爵
「3台下さい。ダンスの権利は私の妻(ドリス祖母)とアリアンナ、それからセレス(アリアンナの姉)に」
アンジェリカ
「毎度ご贔屓に! 有難うございます!」
ニコラス
「有難うございまっす!」
ドリス
「ちょ、ちょっと! お祖父様!?」
シルバー公爵
「ドリスはもう充分ニコラスと踊ったからいいだろう? それとも、もう一台買うかい?」
デボラ
「お父様、ワタクシも!」
ドリス
「お母様まで!」
シルバー公爵
「では、もう一台!」
アンジェリカ
「全部で4台ですね! お買い上げ誠に有難うございます!」
ドリス
「お金の無駄遣いですわ!」
シルバー公爵
「ちょうど新しい馬車が欲しかったのだよ」
ドリス
「去年も買ってませんでした?」
シルバー公爵
「最新の馬車がいいよね? ピーター君?」
ピーター
「はい。長時間、馬車に乗る身としましては、少しでも乗り心地の良い馬車が良いかと」
ドリス
「お父様まで! お父様は自宅勤務の文官じゃない! 趣味で乗り回してるだけでしょ!」
ニコラス
「馬車は男のロマンなのです!」
ピーター
「左様でございます!」
ドリス
「あっそう!」
ニコラス
「ダンスの権利はあと4名様まででございます!」
国王
「残りは予が購入しよう。女王と姫達の相手を頼む」
国王はシルバー公爵と同世代であるため、お姫様もデボラとそう年齢は変わらない。親世代の中年女性である。
ニコラス
「かしこまりました! 喜んでお相手致します!」
ドリス
「嘘でしょ!? 完売した...」
アンジェリカ
「ダンスの権利は完売ですが、馬車のご予約はまだまだ受け付けております~!」
かくして、ニコラスはダンスの相手が決まり、ダンスを踊るのに大忙しで、ドリスを助ける余裕はなさそうだ。
痺れを切らした男達がドリスに詰め寄る。
「「「誰を選ぶのですか!?」」」
ドリスは考えに考えて答えた。
ドリス
「ワタクシ、緊張でお腹の調子が良くありませんの。ですから、お化粧室に行きたいのです。嬉しいお申し出を断って恐縮ですが、失礼致しますわ」
ドリスは、そうして化粧室へと離脱した。
_________
避難した化粧室で、ついでに用を足し、ドリスが化粧直しをしていると、後から入って来た女性達に囲まれた。
「この魔女! よくもワタクシのデビューをめちゃくちゃにしてくれたわね!?」
「一体、何人の男に色目を使えば気がすむの!?」
「ワタクシのフィアンセにかけた魔法を解きなさい!」
ドリスは首を傾げた。
ドリス
「人間にも分かるようにお話しして下さる?」
「アンタ! ワタクシ達を馬鹿にしてるの!?」
ドリス
「えぇ、だって、言葉が正しくないから意味が分からないわ。ワタクシはアナタのデビューをめちゃくちゃにはしていないし、男に色目など使っていないし、魔法使いではないのよ?」
「嘘おっしゃい! ワタクシのパートナーを誘惑して、鼻血を出させたわ!」
「ワタクシのパートナーは転倒させられたでしょ!」
「ワタクシのフィアンセは貴女の事が好きだと言い出したのよ!」
ドリスはさっきとは逆側に首を傾げた。
ニコラスとドリスのまわりには、一緒に踊って欲しい人達で、あっという間に人集りが出来た。
ダンスは基本的に女性からは誘えないため、女性達はニコラスの近くに寄ってモジモジするだけだが、男性達は猛烈なアピール合戦を始めた。
「私は昨年、ダンス大会で入賞した腕前で、ダンスのリードには自信があります」
「彼はダンスは上手いかもしれないが、衣装がダサいですよね? 僕の衣装はギルドアカデミーのデザイナーに特別特別注文した衣装で...」
「衣装が良くても、中身が良くないといけませんよね?」
「でしたら私はいかがですか? 彼らは男爵家だが、私は伯爵家ですよ?」
「だが、三男で爵位は継がない。私は将来的に男爵の爵位を継ぐ予定です」
「貧乏な男よりも、金持ちの男はいかがですか? 侯爵家の分家ですが、騎士として王宮の騎士団に所属していますよ」
「この方のダンスはお世辞にも上手いとは言えません」
「何だと!? そういうお前はどのくらいの腕前なんだ!?」
ドリスは溜息をついた。
正直なところ、もうダンスは踊りたくないのよね。衣装を縫ってもらっている間、60分間も立ちっぱなしだったから。すでに足が痛いのよ。
でも、この方達、身分的には皆、ワタクシよりも上の身分だし...何とかニコに、追い払って貰えないかしら?
ドリスがニコラスの方を見ると、ニコラスはラウンドガールのように、商品カタログを広げていた。アンジェリカ伯爵が何やらカタログを指差して熱弁をふるっている。
アンジェリカ
「ホワイト領のギルドアカデミーが誇る最新式の馬車はいかがですか? 車軸と車体を繋ぐ部分にサスペンションを取り入れ、車輪も弾力性のある特殊素材を採用したことで、従来の馬車よりも大幅に揺れを軽減! 馬車が安定しているので馬への負担も解消! 座席は本革のフカフカシートで、対面ボックスシートの4人乗り! 御者や小姓が座るシートも本革でフッカフカです! 窓にはベルベットのカーテン付きでプライバシー保護や防寒もバッチリ! ランプの装着場所が前後左右に付いているから夜道も安心! 降車の際に足元を照らすランプまで付いている!
隅から隅まで嬉しい機能と高級感が満載で、何とお値段はたったの1,000万イェニ(3,000万円位) !
先行予約販売ですから、今なら売り切れの心配なく買えちゃいまっす!
そ・し・て! 今すぐにご予約頂ければ、先着順でニコラスとダンスを踊る権利が手に入ります! 先着10名様まででっす!」
うわぁ~、伯爵様、こんな日にまで商売に勤(いそ)しんでいらっしゃる。ニコまで商品の特典にされちゃって...流石、ギルドアカデミーの女主人!
「買いますわ!」
「ワ、ワタクシも!」
「お父様! お願い! 馬車を買って!」
シルバー公爵
「3台下さい。ダンスの権利は私の妻(ドリス祖母)とアリアンナ、それからセレス(アリアンナの姉)に」
アンジェリカ
「毎度ご贔屓に! 有難うございます!」
ニコラス
「有難うございまっす!」
ドリス
「ちょ、ちょっと! お祖父様!?」
シルバー公爵
「ドリスはもう充分ニコラスと踊ったからいいだろう? それとも、もう一台買うかい?」
デボラ
「お父様、ワタクシも!」
ドリス
「お母様まで!」
シルバー公爵
「では、もう一台!」
アンジェリカ
「全部で4台ですね! お買い上げ誠に有難うございます!」
ドリス
「お金の無駄遣いですわ!」
シルバー公爵
「ちょうど新しい馬車が欲しかったのだよ」
ドリス
「去年も買ってませんでした?」
シルバー公爵
「最新の馬車がいいよね? ピーター君?」
ピーター
「はい。長時間、馬車に乗る身としましては、少しでも乗り心地の良い馬車が良いかと」
ドリス
「お父様まで! お父様は自宅勤務の文官じゃない! 趣味で乗り回してるだけでしょ!」
ニコラス
「馬車は男のロマンなのです!」
ピーター
「左様でございます!」
ドリス
「あっそう!」
ニコラス
「ダンスの権利はあと4名様まででございます!」
国王
「残りは予が購入しよう。女王と姫達の相手を頼む」
国王はシルバー公爵と同世代であるため、お姫様もデボラとそう年齢は変わらない。親世代の中年女性である。
ニコラス
「かしこまりました! 喜んでお相手致します!」
ドリス
「嘘でしょ!? 完売した...」
アンジェリカ
「ダンスの権利は完売ですが、馬車のご予約はまだまだ受け付けております~!」
かくして、ニコラスはダンスの相手が決まり、ダンスを踊るのに大忙しで、ドリスを助ける余裕はなさそうだ。
痺れを切らした男達がドリスに詰め寄る。
「「「誰を選ぶのですか!?」」」
ドリスは考えに考えて答えた。
ドリス
「ワタクシ、緊張でお腹の調子が良くありませんの。ですから、お化粧室に行きたいのです。嬉しいお申し出を断って恐縮ですが、失礼致しますわ」
ドリスは、そうして化粧室へと離脱した。
_________
避難した化粧室で、ついでに用を足し、ドリスが化粧直しをしていると、後から入って来た女性達に囲まれた。
「この魔女! よくもワタクシのデビューをめちゃくちゃにしてくれたわね!?」
「一体、何人の男に色目を使えば気がすむの!?」
「ワタクシのフィアンセにかけた魔法を解きなさい!」
ドリスは首を傾げた。
ドリス
「人間にも分かるようにお話しして下さる?」
「アンタ! ワタクシ達を馬鹿にしてるの!?」
ドリス
「えぇ、だって、言葉が正しくないから意味が分からないわ。ワタクシはアナタのデビューをめちゃくちゃにはしていないし、男に色目など使っていないし、魔法使いではないのよ?」
「嘘おっしゃい! ワタクシのパートナーを誘惑して、鼻血を出させたわ!」
「ワタクシのパートナーは転倒させられたでしょ!」
「ワタクシのフィアンセは貴女の事が好きだと言い出したのよ!」
ドリスはさっきとは逆側に首を傾げた。
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