3 / 25
2. ドラゴンの贈り物なんて厨二病でしょ
しおりを挟む
飛び出したニコラスは3ヶ月家に帰らなかった。捜索隊は出されたが、ニコラスと合流した捜索隊のメンバーは何故か旅を続けた。
ニコラス
「ニコラス・ホワイトはここに、永遠の愛と誠を誓う! その証として、ドラゴンを献上致します!」
戻ったニコラスは全長2メートルのオオトカゲを抱えて来た。
ドリス
「何ソレ!?」
ニコラス
「コモドドラゴンっていう種なんだ!」
ドリス
「どうして捕まえて来たの?」
ニコラス
「お姫様に愛を示すために悪いドラゴンを退治するって本に書いてあったから、家畜を襲っているヤツを捕まえて来たんだ!」
ドリス
「そんな本、何処で読んだの!?」
ニコラス
「シルバー公爵が貸して下さったんだ!」
お祖父様!? ニコをからかったわね! ニコはアホの子なんだから真に受けるに決まってるじゃない! どうしてくれるのよ!?
ドリス
「ど、どうするのソレ?」
なんか嫌な予感がする。
ニコラス
「あげる! 遅れたけど誕生日プレゼントだよ!」
ニコラスはドリスにオオトカゲを差し出した。
やっぱり!
ドリス
「トカゲの死体なんかいりません!」
ニコラス
「生きてるよ? 女の子なんだ! な? ドラ子?」
オオトカゲの口が開き、ちゅるちゅると舌が飛び出してきた。
ドリス
「ひぃ!」
ニコラス
「大丈夫だよ。元々人に飼われてた個体で、人には懐いてるんだ。餌が足りなくて家畜を襲っちゃったみたいけど、いっぱいご飯をあげたら懐いて一緒に散歩も出来るようになったんだ! 可愛いヤツだよ?」
ドリス
「そ、そうなの?」
ドリスは恐る恐るドラ子の頭を撫でた。
ドリス
「暖かいわ」
撫でられたドラ子はドリスにすり寄ってくる。
確かに可愛いかもしれない。
ニコラス
「牛や鹿、ヤギなんかも食べるし、鳥類や爬虫類、虫なんかも食べるから色んな餌をあげてね」
ドリス
「ふ~ん」
ドラ子はドリス膝にのしかかってきて、ご機嫌そうだ。
ニコラス
「散歩だけじゃなくて、泳ぐのも得意だから、一緒にプール遊びもできるよ!」
ドリス
「そうなんだ」
ドラ子はドリスの膝の上でくつろいでいる。
ニコラス
「あ、でも、猫や犬、馬なんかも食べるから襲われないように気を付けてね! 毒も持ってるから噛み付かれたら危険だから」
ドリス
「は? え?」
ドリスは一気に血の気が引いた。
ニコラス
「気に入った? オレと結婚してくれる?」
ドリス
「こんなプレゼントでワタクシと結婚出来るわけないでしょ!」
ニコラス
「ドラ子のことが気に入らないの?」
ドラ子もドリスをじっと見つめる。
ぎえぇ~! ここで、ドラ子を否定したら生命危険では!?
ドリス
「ド、ドラ子ちゃんは気に入ったけど、結婚は無理!」
ニコラス
「何で? 気に入ったんだろ?」
ドリス
「気に入る贈物を貰ったらニコは誰とでも結婚するの!?」
ニコラス
「なるほど! ドリちゃん頭いい! そっか...プレゼントじゃ駄目なのか...今後こそ、本物の愛を見つけてくる!」
ニコラスが立ち去ろうとするので、ドリスは慌てて呼び止めた。
ドリス
「ま、待って! ドラ子ちゃんを返すわ! 結婚しないもの!」
ニコラス
「いいよ。あげる! 気に入ったんだろ? じゃあ、また!」
ニコラスは部屋から飛び出すように去っていった。
ドリス
「ちょ、ちょっと!? ドラ子ちゃんをどうすればいいのよ~!!」
ドラ子は満足そうにドリスの膝の上で眠りについた。
翌日。
お目付役のブラウン卿が悲鳴をあげた。
ブラウン卿
「コ、コモドオオトカゲ(コモドドラゴン)!? ど、どうしてここに!?」
ドリス
「あら? ご存知なの?」
ドリスはドラ子の背中を枕にして寝転がっている。
ブラウン卿
「体重1トンのバッファローでも、その猛毒で倒し捕食する、ヤギ以下のサイズの動物なら丸呑みにするという、恐ろしい生き物です! 1キロ先まで見える視覚を持ち、4キロ以上先の匂いも嗅ぎ分ける! 時速20キロ近いスピードで走り、3時間以上獲物を追い続ける持久力まである! 生息地では敵なしで生態系の頂点に君臨するため、恐怖心が少なく穏やかに見えますが、人間すら捕食する事がある危険生物ですよ!」
ドリス
「でも、ワタクシには懐いてるいるみたい。寂しいのかワタクシにくっついてきて可愛いのよ? 言葉が分かるみたいで名前を呼ぶとリード(紐)無しでも散歩が出来るの」
ブラウン卿
「し、しかし! コモドオオトカゲは本当に危険で...」
「キャーーー!!!」
屋敷の下の階から悲鳴が聞こえた。
バタバタと人々が走り回る音。
ドリス
「何事!?」
安全を確認するためにブラウン卿が部屋の外を覗くと、目の前に、もう1匹のコモドドラゴンが顔を出した。
ブラウン卿は中年とは思えない、華麗なバク転をキメ、距離をとった。人間、危険が迫ると信じられない能力を発揮するものである。
ニコラス
「あ、ブラウン卿、ドリちゃんいますか?」
よく見るとコモドドラゴンはニコラスが抱えている。2mある巨体を、13歳の少年がよく持てるものだ。
ドリス
「何の用!?」
ニコラス
「愛を見つけたんだ!」
ドリス
「そ、そう...それでどうしてコモドドラゴンをもう1匹連れてきたの?」
ニコラス
「ドラ助だよ! コモドドラゴンの男の子なんだ! ドラ子1匹で飼うのはストレスがかかって良くないからツガイにしてあげよう! 愛でしょ?」
ドリス
「そ、そうね」
ニコラス
「結婚してくれる?」
ドリス
「えぇ」
ドリスは微笑んだ。
ニコラスは胸いっぱいに空気を吸い込み、頬を限界まで持ち上げて笑顔を作った。
ニコラス
「ドリちゃん!」
ニコラスはそっとドラ助を床に下ろすと、ドリスを抱きしめた。
ニコラスの匂いがドリスの鼻をくすぐる。
スキッと爽やかな森緑のような、でもほのかに甘く、落ち着く匂いだ。
シャンプーや石鹸に最高級のアロマオイルでも使っているのかしら? ニコはホワイト領の次期領主なだけはあるのよね。ホワイト領にはギルドアカデミー(職業組合の研究機関)や巨大マーケットがあるし、ホワイト家の資産は今や国1番と言われる。
要するに、ニコは非常に御坊ちゃま(クソボンボン)だ。
ブラウン卿
「え!? 宜しいのですか? そんな事を仰られて!? お父上やお母上にご相談せずに!?」
ドリス
「えぇ、もちろん! 結婚するのはドラ子とドラ助ですもの!」
ニコラス
「えっと...ドリちゃんとオレは?」
ドリス
「結婚するわけないでしょ! 馬鹿じゃないの!? コモドドラゴンの生態には随分詳しいみたいだけど、人間の女性の事は何にも分かっていないじゃない!」
ニコラス
「そっか!」
そっか! じゃない! 改善点に気が付いて喜んじゃって! やっぱり落ち込まないのね...
ニコラス
「分かった! 勉強してくる! 人間の求愛と生殖について! じゃ、また!」
やはり飛び出し行くニコラスの背中を見送って、ドリスは溜息をついた。
ニコラス
「ニコラス・ホワイトはここに、永遠の愛と誠を誓う! その証として、ドラゴンを献上致します!」
戻ったニコラスは全長2メートルのオオトカゲを抱えて来た。
ドリス
「何ソレ!?」
ニコラス
「コモドドラゴンっていう種なんだ!」
ドリス
「どうして捕まえて来たの?」
ニコラス
「お姫様に愛を示すために悪いドラゴンを退治するって本に書いてあったから、家畜を襲っているヤツを捕まえて来たんだ!」
ドリス
「そんな本、何処で読んだの!?」
ニコラス
「シルバー公爵が貸して下さったんだ!」
お祖父様!? ニコをからかったわね! ニコはアホの子なんだから真に受けるに決まってるじゃない! どうしてくれるのよ!?
ドリス
「ど、どうするのソレ?」
なんか嫌な予感がする。
ニコラス
「あげる! 遅れたけど誕生日プレゼントだよ!」
ニコラスはドリスにオオトカゲを差し出した。
やっぱり!
ドリス
「トカゲの死体なんかいりません!」
ニコラス
「生きてるよ? 女の子なんだ! な? ドラ子?」
オオトカゲの口が開き、ちゅるちゅると舌が飛び出してきた。
ドリス
「ひぃ!」
ニコラス
「大丈夫だよ。元々人に飼われてた個体で、人には懐いてるんだ。餌が足りなくて家畜を襲っちゃったみたいけど、いっぱいご飯をあげたら懐いて一緒に散歩も出来るようになったんだ! 可愛いヤツだよ?」
ドリス
「そ、そうなの?」
ドリスは恐る恐るドラ子の頭を撫でた。
ドリス
「暖かいわ」
撫でられたドラ子はドリスにすり寄ってくる。
確かに可愛いかもしれない。
ニコラス
「牛や鹿、ヤギなんかも食べるし、鳥類や爬虫類、虫なんかも食べるから色んな餌をあげてね」
ドリス
「ふ~ん」
ドラ子はドリス膝にのしかかってきて、ご機嫌そうだ。
ニコラス
「散歩だけじゃなくて、泳ぐのも得意だから、一緒にプール遊びもできるよ!」
ドリス
「そうなんだ」
ドラ子はドリスの膝の上でくつろいでいる。
ニコラス
「あ、でも、猫や犬、馬なんかも食べるから襲われないように気を付けてね! 毒も持ってるから噛み付かれたら危険だから」
ドリス
「は? え?」
ドリスは一気に血の気が引いた。
ニコラス
「気に入った? オレと結婚してくれる?」
ドリス
「こんなプレゼントでワタクシと結婚出来るわけないでしょ!」
ニコラス
「ドラ子のことが気に入らないの?」
ドラ子もドリスをじっと見つめる。
ぎえぇ~! ここで、ドラ子を否定したら生命危険では!?
ドリス
「ド、ドラ子ちゃんは気に入ったけど、結婚は無理!」
ニコラス
「何で? 気に入ったんだろ?」
ドリス
「気に入る贈物を貰ったらニコは誰とでも結婚するの!?」
ニコラス
「なるほど! ドリちゃん頭いい! そっか...プレゼントじゃ駄目なのか...今後こそ、本物の愛を見つけてくる!」
ニコラスが立ち去ろうとするので、ドリスは慌てて呼び止めた。
ドリス
「ま、待って! ドラ子ちゃんを返すわ! 結婚しないもの!」
ニコラス
「いいよ。あげる! 気に入ったんだろ? じゃあ、また!」
ニコラスは部屋から飛び出すように去っていった。
ドリス
「ちょ、ちょっと!? ドラ子ちゃんをどうすればいいのよ~!!」
ドラ子は満足そうにドリスの膝の上で眠りについた。
翌日。
お目付役のブラウン卿が悲鳴をあげた。
ブラウン卿
「コ、コモドオオトカゲ(コモドドラゴン)!? ど、どうしてここに!?」
ドリス
「あら? ご存知なの?」
ドリスはドラ子の背中を枕にして寝転がっている。
ブラウン卿
「体重1トンのバッファローでも、その猛毒で倒し捕食する、ヤギ以下のサイズの動物なら丸呑みにするという、恐ろしい生き物です! 1キロ先まで見える視覚を持ち、4キロ以上先の匂いも嗅ぎ分ける! 時速20キロ近いスピードで走り、3時間以上獲物を追い続ける持久力まである! 生息地では敵なしで生態系の頂点に君臨するため、恐怖心が少なく穏やかに見えますが、人間すら捕食する事がある危険生物ですよ!」
ドリス
「でも、ワタクシには懐いてるいるみたい。寂しいのかワタクシにくっついてきて可愛いのよ? 言葉が分かるみたいで名前を呼ぶとリード(紐)無しでも散歩が出来るの」
ブラウン卿
「し、しかし! コモドオオトカゲは本当に危険で...」
「キャーーー!!!」
屋敷の下の階から悲鳴が聞こえた。
バタバタと人々が走り回る音。
ドリス
「何事!?」
安全を確認するためにブラウン卿が部屋の外を覗くと、目の前に、もう1匹のコモドドラゴンが顔を出した。
ブラウン卿は中年とは思えない、華麗なバク転をキメ、距離をとった。人間、危険が迫ると信じられない能力を発揮するものである。
ニコラス
「あ、ブラウン卿、ドリちゃんいますか?」
よく見るとコモドドラゴンはニコラスが抱えている。2mある巨体を、13歳の少年がよく持てるものだ。
ドリス
「何の用!?」
ニコラス
「愛を見つけたんだ!」
ドリス
「そ、そう...それでどうしてコモドドラゴンをもう1匹連れてきたの?」
ニコラス
「ドラ助だよ! コモドドラゴンの男の子なんだ! ドラ子1匹で飼うのはストレスがかかって良くないからツガイにしてあげよう! 愛でしょ?」
ドリス
「そ、そうね」
ニコラス
「結婚してくれる?」
ドリス
「えぇ」
ドリスは微笑んだ。
ニコラスは胸いっぱいに空気を吸い込み、頬を限界まで持ち上げて笑顔を作った。
ニコラス
「ドリちゃん!」
ニコラスはそっとドラ助を床に下ろすと、ドリスを抱きしめた。
ニコラスの匂いがドリスの鼻をくすぐる。
スキッと爽やかな森緑のような、でもほのかに甘く、落ち着く匂いだ。
シャンプーや石鹸に最高級のアロマオイルでも使っているのかしら? ニコはホワイト領の次期領主なだけはあるのよね。ホワイト領にはギルドアカデミー(職業組合の研究機関)や巨大マーケットがあるし、ホワイト家の資産は今や国1番と言われる。
要するに、ニコは非常に御坊ちゃま(クソボンボン)だ。
ブラウン卿
「え!? 宜しいのですか? そんな事を仰られて!? お父上やお母上にご相談せずに!?」
ドリス
「えぇ、もちろん! 結婚するのはドラ子とドラ助ですもの!」
ニコラス
「えっと...ドリちゃんとオレは?」
ドリス
「結婚するわけないでしょ! 馬鹿じゃないの!? コモドドラゴンの生態には随分詳しいみたいだけど、人間の女性の事は何にも分かっていないじゃない!」
ニコラス
「そっか!」
そっか! じゃない! 改善点に気が付いて喜んじゃって! やっぱり落ち込まないのね...
ニコラス
「分かった! 勉強してくる! 人間の求愛と生殖について! じゃ、また!」
やはり飛び出し行くニコラスの背中を見送って、ドリスは溜息をついた。
0
お気に入りに追加
284
あなたにおすすめの小説

【完結】王太子殿下が幼馴染を溺愛するので、あえて応援することにしました。
かとるり
恋愛
王太子のオースティンが愛するのは婚約者のティファニーではなく、幼馴染のリアンだった。
ティファニーは何度も傷つき、一つの結論に達する。
二人が結ばれるよう、あえて応援する、と。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
【完結】リクエストにお答えして、今から『悪役令嬢』です。
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「断罪……? いいえ、ただの事実確認ですよ。」
***
ただ求められるままに生きてきた私は、ある日王子との婚約解消と極刑を突きつけられる。
しかし王子から「お前は『悪』だ」と言われ、周りから冷たい視線に晒されて、私は気づいてしまったのだ。
――あぁ、今私に求められているのは『悪役』なのだ、と。
今まで溜まっていた鬱憤も、ずっとしてきた我慢も。
それら全てを吐き出して私は今、「彼らが望む『悪役』」へと変貌する。
これは従順だった公爵令嬢が一転、異色の『悪役』として王族達を相手取り、様々な真実を紐解き果たす。
そんな復讐と解放と恋の物語。
◇ ◆ ◇
※カクヨムではさっぱり断罪版を、アルファポリスでは恋愛色強めで書いています。
さっぱり断罪が好み、または読み比べたいという方は、カクヨムへお越しください。
カクヨムへのリンクは画面下部に貼ってあります。
※カクヨム版が『カクヨムWeb小説短編賞2020』中間選考作品に選ばれました。
選考結果如何では、こちらの作品を削除する可能性もありますので悪しからず。
※表紙絵はフリー素材を拝借しました。
拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】
僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。
※他サイトでも投稿中

【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる