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ヴィルヘルムは庭をソワソワしながらグルグルと歩き回っていた。
何故、出て来てしまったんだ!? 自分が求婚せずにここにいるということは、クリスチナは他の求婚者から結婚相手を選ばなくてはならないということだ。
いや、クリスチナは間違ったりしない! あんなショボイ奴らの求婚なんて受けるはずがない!
だが、クリスチナは先程、アイツらの事を『国を憂う素晴らしい方々』と言っていた。そういえば、求婚者の輪の端の方に、宰相のヘルムート・マイヤーも立っていなかったか? アイツは孫もいる老人だが、妻に先立たれて男やもめだったはず...何て事だ!? まずいぞ、このままではクリスチナが、あの老人と結婚してしまう!
今からでも、戻って求婚者に加わるか?
だが、クリスチナはあんなに嬉しそうにしていた。私が加わった所で、クリスチナが他の男を選んだら?
だが、私が行かなければ、クリスチナは他の男と結婚してしまうかもしれない...
ヴィルヘルムが会場に戻ろうとしたとき、クリスチナが庭に出て来る姿が見える。
「クリスチナ!」
ヴィルヘルムは喜んで駆け寄った。
「な、何の用だ?」
「殿下...お部屋でお話しさせて頂いても良いでしょうか?」
「部屋で? どうしてだ?」
「ここでは、護衛の方も聞いていらっしゃいます。2人だけでお話しがしたいのです」
「...あぁ、まぁ、いいだろう」
2人きりでないと話せないことって何だ!? 言い辛いことか? まさか...他の男との結婚が決まったとか? いや、それなら護衛騎士が聞いていてもいいはず。
気持ちがグルグルしたまま移動し、ヴィルヘルムは自室にクリスチナを招き入れた。
2人きりになるとクリスチナは、ヴィルヘルムの手を取った。
確か、エミリア嬢は椅子ではなくベッドに座れと言っていた。手を取って、ベッドに座り、まずは一言。
「殿下、仲良くして下さい」
「は!? 仲良く!?」
こんな事で仲直り出来るとは、到底思えない。直接的過ぎる。現に、殿下もビックリして固まっている。
「な、仲良くとは...一体...?」
ヴィルヘルムはゴクッと生唾を飲み込んだ。
クリスチナはエミリアに習った通り、ベッドにゴロンと横になる。
ベッドに横になったら、もう一言。そしたら、あとは殿下に任せれば、仲直り出来るとエミリア嬢は言っていた。
「優しくして下さい」
「い、いいのか?」
いいのか? こちらから、お願いしているのだから、良いに決まっている。
「...はい」
「いや、しかし...婚約破棄したというのに...普通に考えてダメだろ...」
「ダメ...ですか...」
やはり、ストレートに要求を言った所で、仲直りは出来ないようだ。
クリスチナはガッカリして目を閉じた。
もう、自分が考えられる手はない...だが、一体、どうなるというのだろう? エミリア嬢がただの友人だったとなると、殿下の結婚相手を新たに探さなくてはいけない。ワタクシも誰か別の人と結婚しなくてはいけないだろう。
このまま側近として暮らせるのだろうか? それとも他国の貴族や国内の地方の貴族に嫁いで王宮を去らなくてはいけないのだろうか?
権力を手にしたい訳ではない。ただ人々の幸せのために生きたいと思っていた。だけど結局、殿下1人を幸せにすることも出来ないのだ。
殿下はいつも、ワタクシを幸せにしてくれるのに...
何故、出て来てしまったんだ!? 自分が求婚せずにここにいるということは、クリスチナは他の求婚者から結婚相手を選ばなくてはならないということだ。
いや、クリスチナは間違ったりしない! あんなショボイ奴らの求婚なんて受けるはずがない!
だが、クリスチナは先程、アイツらの事を『国を憂う素晴らしい方々』と言っていた。そういえば、求婚者の輪の端の方に、宰相のヘルムート・マイヤーも立っていなかったか? アイツは孫もいる老人だが、妻に先立たれて男やもめだったはず...何て事だ!? まずいぞ、このままではクリスチナが、あの老人と結婚してしまう!
今からでも、戻って求婚者に加わるか?
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だが、私が行かなければ、クリスチナは他の男と結婚してしまうかもしれない...
ヴィルヘルムが会場に戻ろうとしたとき、クリスチナが庭に出て来る姿が見える。
「クリスチナ!」
ヴィルヘルムは喜んで駆け寄った。
「な、何の用だ?」
「殿下...お部屋でお話しさせて頂いても良いでしょうか?」
「部屋で? どうしてだ?」
「ここでは、護衛の方も聞いていらっしゃいます。2人だけでお話しがしたいのです」
「...あぁ、まぁ、いいだろう」
2人きりでないと話せないことって何だ!? 言い辛いことか? まさか...他の男との結婚が決まったとか? いや、それなら護衛騎士が聞いていてもいいはず。
気持ちがグルグルしたまま移動し、ヴィルヘルムは自室にクリスチナを招き入れた。
2人きりになるとクリスチナは、ヴィルヘルムの手を取った。
確か、エミリア嬢は椅子ではなくベッドに座れと言っていた。手を取って、ベッドに座り、まずは一言。
「殿下、仲良くして下さい」
「は!? 仲良く!?」
こんな事で仲直り出来るとは、到底思えない。直接的過ぎる。現に、殿下もビックリして固まっている。
「な、仲良くとは...一体...?」
ヴィルヘルムはゴクッと生唾を飲み込んだ。
クリスチナはエミリアに習った通り、ベッドにゴロンと横になる。
ベッドに横になったら、もう一言。そしたら、あとは殿下に任せれば、仲直り出来るとエミリア嬢は言っていた。
「優しくして下さい」
「い、いいのか?」
いいのか? こちらから、お願いしているのだから、良いに決まっている。
「...はい」
「いや、しかし...婚約破棄したというのに...普通に考えてダメだろ...」
「ダメ...ですか...」
やはり、ストレートに要求を言った所で、仲直りは出来ないようだ。
クリスチナはガッカリして目を閉じた。
もう、自分が考えられる手はない...だが、一体、どうなるというのだろう? エミリア嬢がただの友人だったとなると、殿下の結婚相手を新たに探さなくてはいけない。ワタクシも誰か別の人と結婚しなくてはいけないだろう。
このまま側近として暮らせるのだろうか? それとも他国の貴族や国内の地方の貴族に嫁いで王宮を去らなくてはいけないのだろうか?
権力を手にしたい訳ではない。ただ人々の幸せのために生きたいと思っていた。だけど結局、殿下1人を幸せにすることも出来ないのだ。
殿下はいつも、ワタクシを幸せにしてくれるのに...
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