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第二幕 幼少期
24.髪色と魔力の関係
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アントニオ
「ところで、全然、ローレライが見つからないね? やっぱり、魔族領側にいるのかな?」
バルド
「ん? ここがすでに魔族領側だが?」
アントニオ
「む!? また、俺の知らないうちに危険地帯に突入していたのか...まぁ、2人と一緒で安全ならいいけど」
アントニオは、前にもこんなことあったなと思った。深淵の森に入っていたときも、そうした重要事項を後から聞いたのだ。
リン
「別に危険なんかないだろ? 霊峰山は俺の庭だし、ルドより危険な魔物は出ない」
バルド
「俺は魔物じゃなくて魔人だ! 危険な魔物はリンお前だろ!?」
リン
「俺は魔物ではありません。龍人です! 女性にとって危険な男なのは否定しないがな!」
アントニオ
「あ、そういえば、霊峰山はリンの家だったんだよね...」
リン
「そうそう。ほら、あっちはちょっと暗いだろ?魔素が濃い所は、光が届きにくいんだ。今日みたいに晴れている日はわかりやすいんだ」
アントニオ
「そうなんだ! じゃ、めっちゃ魔素が濃い...不死者の谷とかは、めっちゃ暗いの?」
バルド
「そうだな。かなり暗い場所だな」
アントニオ
「あぁ! それで、ルドはアルビノというか、色素が薄いんだね」
バルド
「アルビノ? 何だそれは?」
アントニオ
「メラニン色素を持たない個体のことで...
日光に当たると、多くの生き物はメラニン色素というものを体内で作り出して、強い光の刺激から体を守るんだよ。それで、いっぱい光を浴びていると人間は肌が黒くなったりしてくるんだ。髪の色も...俺が前いた世界では、それが常識だったんだけど...日差しが弱い寒い国とかに長く住んでいる民族は肌が白くて、金髪とか明るい髪の色になる。日差しが強い国に長く住んでいる民族は肌が黒くて黒髪とか暗い色の髪で生まれてくるんだ。
でも、たまに突然変異でメラニン色素を持たない子供が生まれてくることがあるんだ。そういう、メラニン色素を持たない生き物のことをアルビノっていうんだ。日差しに弱いから生きるのは大変らしいけど。突然変異じゃなくても、長く真っ暗な洞窟とか深海とかに住んでいる生き物もアルビノっぽくなるんだ。
厳密なアルビノの定義は、俺はよく分かってないんだけど、大体そんな感じ」
バルド
「ふぅ~ん。じゃ、魔人族はアルビノばっかだな」
アントニオ
「え!? そうなの? でも、絵本に出てくる魔族は髪も肌も真っ黒なのばっかだけど、あれは魔人族とは違う種族なのかな?」
バルド
「いや、同じ魔人族の可能性が高い。アントニオの言う通り、魔人族は日差しに弱い。だから、日差しが強い人族領では闇属性の魔法で光を吸収している奴が多い。絵本に出てくる奴も光吸収魔法を使った魔人族なんじゃないか?」
アントニオ
「でも、ルドは人族領でも白いままだよね?」
バルド
「あぁ、俺は光属性の魔法の方が得意だから、光反射魔法を使っている」
やっぱりそうか!
魔素が濃い地域の民族は魔力が高いが、日差しが弱いので色素が薄い者が多く生まれ、魔素が薄い地域の民族は魔力は低いが、日差しが強いので色素が濃い者が多く生まれるんじゃないだろうか? 銀髪が多いという、王族の源流を調査したら、魔人と繋がってたりして!
色んな人種が混じった俺は、先祖返りで焦茶になったのかもしれない。
アントニオ
「そうなんだ!? じゃ、リンも?」
リン
「俺はアルビノじゃないと思う。魔法ではなくて身体的に変色が使える。カメレオンとかいう動物と一緒だ。俺の友人にはクラーケン族の奴がいるが、そいつも変色する」
アントニオ
「えぇ! 凄い、髪の色とか変えられるの?」
アントニオの質問に答えるように、リンは真っ白な髪から青緑の髪に変色させた。
アントニオ
「凄い!」
バルド
「では俺も」
バルドが光魔法で髪を真っ赤にしてみせた。
アントニオ
「いいな! 俺にも! 魔法かけて!」
アントニオがお願いすると、バルドは少し考えてから、悪戯っ子のようにニヤニヤして、魔法をかけた。
バルド
「金髪、青い目にしてやったぞ。みるか?」
これまた、魔法で鏡を作り出す。
魔法の鏡には、グリエルモそっくりの黄金の髪とスカイブルーの瞳をもつ幼子が映っている。
アントニオ
「おぉ! 父上と同じ色だ!」
バルド
「そうやって色を変えると、お前、父親によく似ているよな。」
アントニオ
「そうかも...俺は二重じゃないし、子供だから、別人だってわかるけど、結構似てるかも?」
リン
「そうなのか? 俺は勇者に会ったことなかったよな? 今度、紹介しろ!」
アントニオ
「いいよ」
リン
「あ、...勇者だけな。」
アントニオ
「ん? どうして? 母上はいいの?」
バルド
「ハハハッ! リン、お前、怖いんだろう?」
リン
「強くて怖いと言っていたのはルドだろ!?」
バルド
「俺は怖いとは言っていない」
リン
「じゃあ、優しいのか?」
アントニオ
「大丈夫だよ! 襲い掛からなければ、襲って来ないよ?」
リン
「やはり、怖いんじゃないか!」
「ところで、全然、ローレライが見つからないね? やっぱり、魔族領側にいるのかな?」
バルド
「ん? ここがすでに魔族領側だが?」
アントニオ
「む!? また、俺の知らないうちに危険地帯に突入していたのか...まぁ、2人と一緒で安全ならいいけど」
アントニオは、前にもこんなことあったなと思った。深淵の森に入っていたときも、そうした重要事項を後から聞いたのだ。
リン
「別に危険なんかないだろ? 霊峰山は俺の庭だし、ルドより危険な魔物は出ない」
バルド
「俺は魔物じゃなくて魔人だ! 危険な魔物はリンお前だろ!?」
リン
「俺は魔物ではありません。龍人です! 女性にとって危険な男なのは否定しないがな!」
アントニオ
「あ、そういえば、霊峰山はリンの家だったんだよね...」
リン
「そうそう。ほら、あっちはちょっと暗いだろ?魔素が濃い所は、光が届きにくいんだ。今日みたいに晴れている日はわかりやすいんだ」
アントニオ
「そうなんだ! じゃ、めっちゃ魔素が濃い...不死者の谷とかは、めっちゃ暗いの?」
バルド
「そうだな。かなり暗い場所だな」
アントニオ
「あぁ! それで、ルドはアルビノというか、色素が薄いんだね」
バルド
「アルビノ? 何だそれは?」
アントニオ
「メラニン色素を持たない個体のことで...
日光に当たると、多くの生き物はメラニン色素というものを体内で作り出して、強い光の刺激から体を守るんだよ。それで、いっぱい光を浴びていると人間は肌が黒くなったりしてくるんだ。髪の色も...俺が前いた世界では、それが常識だったんだけど...日差しが弱い寒い国とかに長く住んでいる民族は肌が白くて、金髪とか明るい髪の色になる。日差しが強い国に長く住んでいる民族は肌が黒くて黒髪とか暗い色の髪で生まれてくるんだ。
でも、たまに突然変異でメラニン色素を持たない子供が生まれてくることがあるんだ。そういう、メラニン色素を持たない生き物のことをアルビノっていうんだ。日差しに弱いから生きるのは大変らしいけど。突然変異じゃなくても、長く真っ暗な洞窟とか深海とかに住んでいる生き物もアルビノっぽくなるんだ。
厳密なアルビノの定義は、俺はよく分かってないんだけど、大体そんな感じ」
バルド
「ふぅ~ん。じゃ、魔人族はアルビノばっかだな」
アントニオ
「え!? そうなの? でも、絵本に出てくる魔族は髪も肌も真っ黒なのばっかだけど、あれは魔人族とは違う種族なのかな?」
バルド
「いや、同じ魔人族の可能性が高い。アントニオの言う通り、魔人族は日差しに弱い。だから、日差しが強い人族領では闇属性の魔法で光を吸収している奴が多い。絵本に出てくる奴も光吸収魔法を使った魔人族なんじゃないか?」
アントニオ
「でも、ルドは人族領でも白いままだよね?」
バルド
「あぁ、俺は光属性の魔法の方が得意だから、光反射魔法を使っている」
やっぱりそうか!
魔素が濃い地域の民族は魔力が高いが、日差しが弱いので色素が薄い者が多く生まれ、魔素が薄い地域の民族は魔力は低いが、日差しが強いので色素が濃い者が多く生まれるんじゃないだろうか? 銀髪が多いという、王族の源流を調査したら、魔人と繋がってたりして!
色んな人種が混じった俺は、先祖返りで焦茶になったのかもしれない。
アントニオ
「そうなんだ!? じゃ、リンも?」
リン
「俺はアルビノじゃないと思う。魔法ではなくて身体的に変色が使える。カメレオンとかいう動物と一緒だ。俺の友人にはクラーケン族の奴がいるが、そいつも変色する」
アントニオ
「えぇ! 凄い、髪の色とか変えられるの?」
アントニオの質問に答えるように、リンは真っ白な髪から青緑の髪に変色させた。
アントニオ
「凄い!」
バルド
「では俺も」
バルドが光魔法で髪を真っ赤にしてみせた。
アントニオ
「いいな! 俺にも! 魔法かけて!」
アントニオがお願いすると、バルドは少し考えてから、悪戯っ子のようにニヤニヤして、魔法をかけた。
バルド
「金髪、青い目にしてやったぞ。みるか?」
これまた、魔法で鏡を作り出す。
魔法の鏡には、グリエルモそっくりの黄金の髪とスカイブルーの瞳をもつ幼子が映っている。
アントニオ
「おぉ! 父上と同じ色だ!」
バルド
「そうやって色を変えると、お前、父親によく似ているよな。」
アントニオ
「そうかも...俺は二重じゃないし、子供だから、別人だってわかるけど、結構似てるかも?」
リン
「そうなのか? 俺は勇者に会ったことなかったよな? 今度、紹介しろ!」
アントニオ
「いいよ」
リン
「あ、...勇者だけな。」
アントニオ
「ん? どうして? 母上はいいの?」
バルド
「ハハハッ! リン、お前、怖いんだろう?」
リン
「強くて怖いと言っていたのはルドだろ!?」
バルド
「俺は怖いとは言っていない」
リン
「じゃあ、優しいのか?」
アントニオ
「大丈夫だよ! 襲い掛からなければ、襲って来ないよ?」
リン
「やはり、怖いんじゃないか!」
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