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第2話 再会と19歳
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その後の僕は、定時制の高校に転校する。しかし、勉強もやる気を失くした僕は深夜にゲーム漬け、
夕方まで寝てから学校に行く自堕落な生活を送り、本来なら卒業になる年で留年と告げられる。
もう一度4年生をやり直さなくてはいけない。卒業する頃には20歳か。普通高校の同級生たちは短大や専門学校を卒業する年だ。
恥ずかしくて成人式になんて行けたもんじゃないな。
両親からは、あと1年だけ学費を払ってやるからその代わりにアルバイトをしろと言われた。
そして僕は、近所のドラッグストアでアルバイトをすることに決めた。
面接に向け、久しぶりに髪を切り、髭を剃る。なんだか引きこもりの社会復帰みたいだ。まあ、大差ない。
従業員として雇ってもらって働き、数週間が過ぎた頃、いつものようにレジに立っているとベージュの可愛らしい服を着た女性が
買い物をしている姿が見える。同い年くらいだろうか。長らく女の子と関わってない僕は、ときめきを忘れていた。
数分してその女性がレジに来る。「いらっしゃいませ!」僕は気取った声で挨拶する。
するとどうだろう、目が合ったその女性は紛れもなく過去の僕にときめきを教えてくれたみちるちゃんではないか。
僕は動揺する。「あ・・・。」と全てを察したように彼女も気まずそうにこちらを見てくる。
「みちるちゃん、だよね・・・?」僕が小さな声で聞くと彼女は頷く。
「あ、元気だったかな・・・?」レジを打ちながら僕は不自然な笑顔で話しかける。数秒の沈黙をおいて彼女は
「うん。元気だよ。月くんも変わってなくてよかった。」と言う。
そうか、俺あの頃から全然変われてないのか。みちるちゃんは大人っぽい化粧ですごく綺麗な女性になった。
知性や性格の良さが表われたような、誰もが振り向くような美しい人になった。
「それじゃぁ、またね。」会計を終えた彼女は少し微笑んで僕に手を振って店を後にした。
バイトが終わり、家に帰る。今日の僕はゲームやネットの世界に浸らない。現実をよく見据えようと考えていた。
楽しかった高校1年生前半の思い出が蘇る。みちるちゃんと両思いになれそうだったあの頃。
あれからみちるちゃんは恋をしたりしたのだろうか?今彼氏はいるんだろうか?いなければもう一度僕と・・・。
いや。ダメだ。もう住む世界が違う。僕のような惨めな男はみちるちゃんに似合わない。
そう一人、頭の中で叫び続けた。気付けばもう深夜0時。日付も変わった。おもむろに僕は携帯を取り出し、LINEを開く。
みちるちゃんはまだ同じアカウントを使っていた。プロフィールも最近更新されている。
ブロックされていなければメッセージが届くはずだ。すかさず僕は送る。
『久しぶり!急な再会でびっくりしたね もし良かったらこれからもうちの店で買い物していってね』
なかなか返信は来ない。既読もつかない。もやもやした気分を抱えながら、気付いたら寝落ちしていた。
目が覚めたら、朝8時。携帯を見てもやはりみちるちゃんからのメッセージはない。
そういえば、今日は休日だった。肩を落としながら朝11時からバイトに向かう。
きっともう、みちるちゃんとは仲良く出来ない運命なんだ。仕方ない。
ずっとうわの空のまま、18時、退勤の時間になった。ユニフォームを脱ぎ、とぼとぼと店を後にする。
「あっ、もう上がりなの・・・?」僕の耳に飛び込んだその声の方向を向くと、なんとそこにいたのはみちるちゃんだった。
僕は動揺を隠せず、手に汗を握り締めながら「う、うん。今日は・・・ね。」と笑いながら言った。
食い気味にみちるちゃんが言う。「月くん、昨日返事返せなくてごめんね。まだ気持ちの整理がつかなかったの。
でもせっかくまた会えたからさ、遊びに行こうよ。」
驚いた。僕は焦りながら二つ返事で快諾した。
僕の青春はここから再び始まるのだろうか?
あれから4年の時を経てついに初となる僕らのデートは、夜桜を見るドライブになった。
車はもちろんみちるちゃんの運転だ。僕は免許すらも持っていない。
最寄り駅のロータリーで待っていると、赤い軽自動車が来た。どうやらみちるちゃんの車のようだ。
「月くん!待ったー?」窓を開け、手を振るみちるちゃん。まるで恋人同士のようなシチュエーション。
助手席に乗る僕。そのまま僕らは飲み物とお菓子を買いに、コンビニに出かける。
まずは僕らの通っていた高校など、思い出の地をくまなく回った。しばらく行ってないうちに潰れた店、取り壊されたアパート・・・。
あの頃の思い出が蘇ってなんだかノスタルジーな気持ちになってきてしまう。
カーステレオからは当時の僕が好きだったクリープハイプやKEYTALKが流れている。
「覚えててくれたんだね。」そう僕が言うと
「昔よく聴いてたよね。最近になって私も好きになってきたんだ。」とみちるちゃんが答える。
そしてみちるちゃんが僕に尋ねる。「月くんは今好きな女の子とかいるの?」
チャンスだ!と思いつつも僕は「え、今はいないかな。」と答える。
「そっかぁ。いい子見つかるといいね。」みちるちゃんが言う。
あれ、告白ではないのか?まぁ、夜桜まで待ったほうがいいな。みちるちゃんから来なかったら僕から行くしかない。
そう心に決めた。
時刻は18時になろうとしている。夜桜スポットまで僕らは向かう。僕は、予定外のドキドキで胸がいっぱいになる。
着いた。屋台の唐揚げや焼き鳥を食べながら一緒に写真を撮る。そこには、あの日から変わらないままの僕と
綺麗な大人になったみちるちゃんがいて、まるでサナギと蝶のようだった。
肝心の桜は散り始め、葉桜が目立つ。桜が舞い散る道を歩きながら僕が言う。
「みちるちゃん、もう大学2年でしょ?好きな人いたりする?」車内の会話をもう一度膨らませ、告白に持っていこうとした。
みちるちゃんの表情が少し曇る。「うぅん。じゃ、月くんにだけは言うね。私、大学の教授と今付き合ってて・・・。」
想定外の返事に僕の胸は一瞬で張り裂けそうになった。みちるちゃんはさらに衝撃の事実を告げる。
「その人、奥さんも子供もいて・・・。別居してて近々離婚するからって去年からずっと言ってるんだけど、ズルズル引きずって
全然離婚する気配ないんだよね。」
僕は黙っていられなかった。感情が溢れ出した。
「みちるちゃん!そんな男やめろよ!不倫するやつなんてロクなもんじゃないって!」僕はそう叫んだ。
みちるちゃんは俯いたまま「でも彼は本当は優しい人で・・・。」と小さな声で言う。
僕は思わず「みちるちゃん、もう一度あの日の続きをやろう。俺らでやり直そう!」と言い、みちるちゃんの手を握った。
おかしいのは自分でも分かっている。だけど壊れそうな僕は叫んだ。「4年前の夏休みの続き。俺のイくところ見て!」
「嫌!」みちるちゃんは思い切り僕の手を振り解いた。軽蔑の眼差しで僕を睨みつける。
「ごめん。」僕は自分の愚かな言動を謝る。「・・・。もういいよ。帰ろう。」みちるちゃんは呆れながらそう言った。
車に乗った僕らは終始無言状態で気まずい。どうしてこうなってしまったのだろうか。行きの車内の楽しさを思い返しながら
涙が滲んできた。すぐそばにみちるちゃんがいるのにこんな気持ちにならなければいけないのは、自業自得と分かっていても辛い。
結局、一言も会話がないまま最寄り駅まで着く。「ありがとう・・・。気をつけてね。」そう僕は言い残して走り去った。
とてもじゃないがみちるちゃんの顔を見ることなどできなかった。
こうして僕はまたしくじってしまった。せっかく再会できたのに。全てを自分で壊してしまった。
再び僕はその日から自暴自棄になってしまう。
夕方まで寝てから学校に行く自堕落な生活を送り、本来なら卒業になる年で留年と告げられる。
もう一度4年生をやり直さなくてはいけない。卒業する頃には20歳か。普通高校の同級生たちは短大や専門学校を卒業する年だ。
恥ずかしくて成人式になんて行けたもんじゃないな。
両親からは、あと1年だけ学費を払ってやるからその代わりにアルバイトをしろと言われた。
そして僕は、近所のドラッグストアでアルバイトをすることに決めた。
面接に向け、久しぶりに髪を切り、髭を剃る。なんだか引きこもりの社会復帰みたいだ。まあ、大差ない。
従業員として雇ってもらって働き、数週間が過ぎた頃、いつものようにレジに立っているとベージュの可愛らしい服を着た女性が
買い物をしている姿が見える。同い年くらいだろうか。長らく女の子と関わってない僕は、ときめきを忘れていた。
数分してその女性がレジに来る。「いらっしゃいませ!」僕は気取った声で挨拶する。
するとどうだろう、目が合ったその女性は紛れもなく過去の僕にときめきを教えてくれたみちるちゃんではないか。
僕は動揺する。「あ・・・。」と全てを察したように彼女も気まずそうにこちらを見てくる。
「みちるちゃん、だよね・・・?」僕が小さな声で聞くと彼女は頷く。
「あ、元気だったかな・・・?」レジを打ちながら僕は不自然な笑顔で話しかける。数秒の沈黙をおいて彼女は
「うん。元気だよ。月くんも変わってなくてよかった。」と言う。
そうか、俺あの頃から全然変われてないのか。みちるちゃんは大人っぽい化粧ですごく綺麗な女性になった。
知性や性格の良さが表われたような、誰もが振り向くような美しい人になった。
「それじゃぁ、またね。」会計を終えた彼女は少し微笑んで僕に手を振って店を後にした。
バイトが終わり、家に帰る。今日の僕はゲームやネットの世界に浸らない。現実をよく見据えようと考えていた。
楽しかった高校1年生前半の思い出が蘇る。みちるちゃんと両思いになれそうだったあの頃。
あれからみちるちゃんは恋をしたりしたのだろうか?今彼氏はいるんだろうか?いなければもう一度僕と・・・。
いや。ダメだ。もう住む世界が違う。僕のような惨めな男はみちるちゃんに似合わない。
そう一人、頭の中で叫び続けた。気付けばもう深夜0時。日付も変わった。おもむろに僕は携帯を取り出し、LINEを開く。
みちるちゃんはまだ同じアカウントを使っていた。プロフィールも最近更新されている。
ブロックされていなければメッセージが届くはずだ。すかさず僕は送る。
『久しぶり!急な再会でびっくりしたね もし良かったらこれからもうちの店で買い物していってね』
なかなか返信は来ない。既読もつかない。もやもやした気分を抱えながら、気付いたら寝落ちしていた。
目が覚めたら、朝8時。携帯を見てもやはりみちるちゃんからのメッセージはない。
そういえば、今日は休日だった。肩を落としながら朝11時からバイトに向かう。
きっともう、みちるちゃんとは仲良く出来ない運命なんだ。仕方ない。
ずっとうわの空のまま、18時、退勤の時間になった。ユニフォームを脱ぎ、とぼとぼと店を後にする。
「あっ、もう上がりなの・・・?」僕の耳に飛び込んだその声の方向を向くと、なんとそこにいたのはみちるちゃんだった。
僕は動揺を隠せず、手に汗を握り締めながら「う、うん。今日は・・・ね。」と笑いながら言った。
食い気味にみちるちゃんが言う。「月くん、昨日返事返せなくてごめんね。まだ気持ちの整理がつかなかったの。
でもせっかくまた会えたからさ、遊びに行こうよ。」
驚いた。僕は焦りながら二つ返事で快諾した。
僕の青春はここから再び始まるのだろうか?
あれから4年の時を経てついに初となる僕らのデートは、夜桜を見るドライブになった。
車はもちろんみちるちゃんの運転だ。僕は免許すらも持っていない。
最寄り駅のロータリーで待っていると、赤い軽自動車が来た。どうやらみちるちゃんの車のようだ。
「月くん!待ったー?」窓を開け、手を振るみちるちゃん。まるで恋人同士のようなシチュエーション。
助手席に乗る僕。そのまま僕らは飲み物とお菓子を買いに、コンビニに出かける。
まずは僕らの通っていた高校など、思い出の地をくまなく回った。しばらく行ってないうちに潰れた店、取り壊されたアパート・・・。
あの頃の思い出が蘇ってなんだかノスタルジーな気持ちになってきてしまう。
カーステレオからは当時の僕が好きだったクリープハイプやKEYTALKが流れている。
「覚えててくれたんだね。」そう僕が言うと
「昔よく聴いてたよね。最近になって私も好きになってきたんだ。」とみちるちゃんが答える。
そしてみちるちゃんが僕に尋ねる。「月くんは今好きな女の子とかいるの?」
チャンスだ!と思いつつも僕は「え、今はいないかな。」と答える。
「そっかぁ。いい子見つかるといいね。」みちるちゃんが言う。
あれ、告白ではないのか?まぁ、夜桜まで待ったほうがいいな。みちるちゃんから来なかったら僕から行くしかない。
そう心に決めた。
時刻は18時になろうとしている。夜桜スポットまで僕らは向かう。僕は、予定外のドキドキで胸がいっぱいになる。
着いた。屋台の唐揚げや焼き鳥を食べながら一緒に写真を撮る。そこには、あの日から変わらないままの僕と
綺麗な大人になったみちるちゃんがいて、まるでサナギと蝶のようだった。
肝心の桜は散り始め、葉桜が目立つ。桜が舞い散る道を歩きながら僕が言う。
「みちるちゃん、もう大学2年でしょ?好きな人いたりする?」車内の会話をもう一度膨らませ、告白に持っていこうとした。
みちるちゃんの表情が少し曇る。「うぅん。じゃ、月くんにだけは言うね。私、大学の教授と今付き合ってて・・・。」
想定外の返事に僕の胸は一瞬で張り裂けそうになった。みちるちゃんはさらに衝撃の事実を告げる。
「その人、奥さんも子供もいて・・・。別居してて近々離婚するからって去年からずっと言ってるんだけど、ズルズル引きずって
全然離婚する気配ないんだよね。」
僕は黙っていられなかった。感情が溢れ出した。
「みちるちゃん!そんな男やめろよ!不倫するやつなんてロクなもんじゃないって!」僕はそう叫んだ。
みちるちゃんは俯いたまま「でも彼は本当は優しい人で・・・。」と小さな声で言う。
僕は思わず「みちるちゃん、もう一度あの日の続きをやろう。俺らでやり直そう!」と言い、みちるちゃんの手を握った。
おかしいのは自分でも分かっている。だけど壊れそうな僕は叫んだ。「4年前の夏休みの続き。俺のイくところ見て!」
「嫌!」みちるちゃんは思い切り僕の手を振り解いた。軽蔑の眼差しで僕を睨みつける。
「ごめん。」僕は自分の愚かな言動を謝る。「・・・。もういいよ。帰ろう。」みちるちゃんは呆れながらそう言った。
車に乗った僕らは終始無言状態で気まずい。どうしてこうなってしまったのだろうか。行きの車内の楽しさを思い返しながら
涙が滲んできた。すぐそばにみちるちゃんがいるのにこんな気持ちにならなければいけないのは、自業自得と分かっていても辛い。
結局、一言も会話がないまま最寄り駅まで着く。「ありがとう・・・。気をつけてね。」そう僕は言い残して走り去った。
とてもじゃないがみちるちゃんの顔を見ることなどできなかった。
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