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終わる日常
黒幕
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パミラが殺され、身寄りのいなくなったリヴを拾った恩人。まさか、彼が魔女の子だと誰が思うだろうか。
リヴはゆっくりと振り返る。そこにいたのは、暗殺組織ホークアイを取りまとめる、スキンヘッドの目つきが鷹のように鋭い男。
「ホーク……」
「よお、リヴ。久しぶり……って程期間は空いてねぇな」
ホークは機嫌が良さそうに、リヴに軽く手を挙げた。
「リヴ、知り合いか……?」
リヴはアピの問い掛けに答えられなかった。情報の整理が出来ていない。まだ、目の前の状況が理解出来ていないのだ。
「……暗殺組織ホークアイの首領だね。まさか……本当に魔女の子なのか? しかし、それにしては……」
リヴの代わりにミラが答える。ミラは、孤児院の件で直接依頼をした事もあったので、顔は知っていたのだろう。彼女も動揺が隠せていないようだった。
そして引っかかる点は、ホークの年齢だろう。魔女の子は、普通の人間よりも寿命が短いのだが、ホークは中年の歳に見える。それを察したようで、ホークは髪の無い頭を掻きながら口元を歪めて笑う。
「ああ、俺は45になる。魔女の子は短命だと言われているのに、随分と長生きさせてもらっているよ」
「なるほど、寿命が過ぎた魔女の子か……。それは、興味があるね」
ミラはレイピアに手をかける。だが、まだ傷も回復しきっていないはずなので、このまま魔女の子に挑むのは得策ではない。
「ミラ、待て。……ホーク……本当なんですか? 貴方が、魔女の子なんて……」
「何度も言わせるな、リヴ。俺がそこの低級魔族と組んでお前を殺そうとした魔女の子だよ」
真実がリヴに重くのしかかる。恩人だと思っていたホークは、リヴを殺す為にティールと手を組んでいた。
「リヴ、お前はティールに殺され、糧になるはずだった」
「糧……?」
「そうすれば、ティールは上級魔族になれる。そう吹き込んだからな」
その言葉に反応をしたのは、アピの手のひらの中にいる、低級魔族の姿になったティールだ。
「……吹き込んだって、どういう事?」
「低級魔族が高位魔族になる為には人間や魔女の子を殺して自分の糧にしなければならない、って話だよ。あんな嘘、簡単に信じるんだもんな」
「嘘……」
ティールの裂けた口が、わなわなと震える。彼は、アピの使い魔になる為に高位魔族になろうとしていた。その為に、リヴを殺そうとした。だが、それは真っ赤な嘘であった。ティールは、無意味な殺人を行っていたという事になる。
「お前が高位魔族になる為に殺した奴らは、俺にとって邪魔な存在だった。代わりに殺してくれて助かったよ」
「そ、そんな……。ボクのやって来た事は……」
「無意味だったって事だ。無知な低級魔族」
ティールの皿のように大きな瞳がこれでもかというくらい見開かれる。そして、すぐに憎悪を滲ませると、アピの手のひらから脱け出してホークに向かって走り出す。
「てめええええ!!」
小さな身体から、不釣り合いな太い腕が生え、ホークに襲い掛かる。しかし、ホークは構えもせずに、向かってくるティールを見ている。
ティールが跳躍して勢いをつけようとした時——足元に何かが絡みついた。足元を見て見ると、そこには地から現れた枯れた根が生き物のように絡みついていた。
「木属性の魔法……!」
「はい、残念」
根が、ティールの細い足を押し潰す。ティールは甲高い悲鳴を上げた。
「そんなわけ、ねえのになあ。低級はいつまでも低級のままなんだよ!」
地面でもだえ苦しむティールを、ホークは思い切り蹴飛ばした。体重の軽いティールの身体は簡単に吹き飛び、何度か転がってその動きは止まる。
「ティール!! ……お前ええ!!」
急いでティールを拾い上げたアピはホークに憤る。しかし、ホークは少しも表情を変えない。
「大人になり損なった魔女か。お前も、俺に比べたら遥かに底辺だ。だが、俺達は特別だ、リヴ。魔女よりも強大な魔力を持った俺達は、こんな底辺で泥水を吸っているような生活をして良いわけがないんだよ」
「……お前の目的は、何だ?」
「俺の目的か? それは復讐だよ。魔女よりも優れた魔女の子を生かそうとしない世界に、どちらが有能なのか戦争を仕掛けるんだ。だから、俺は魔女の子を探し、仲間を集っているのさ」
「……それならば、何故俺を殺そうとした? ……何故、俺が魔女の子だと知っている?」
「質問が多いな。まあ、今は気分が良いから教えてやるけどよ」
ホークは煙草に火を点け、うまそうに吸う。
「お前が魔女の子だと知ったのは、パミラとお前の会話を盗み聞きした時さ。お前が、パミラに魔女の子だと言われ、魔力を感知させないペンダントを受け取った時だよ」
「な……」
ホークがパミラと顔馴染みだとは聞いていたが、まさかあの時の会話を聞かれていたとは。少年時代のリヴにホークの記憶はない。外部から来る大人は全てパミラが応対していたからだ。
「ガキの魔力は不安定でなかなか感知しにくい。その時にお前が魔女の子だと知ったんだ。だが……せっかく、パミラの野郎から引き離してやったっていうのによお、まさか回復魔法しか使えないとは。回復魔法はもう間に合ってるんだよ。使えねえ魔女の子はいらねえ。だが、人間側についたら厄介だから、ティールを使って処分しようとしたわけだ」
「……ど、ういう事だ?」
胸が早鐘を打つ。血の気が引いていく。ホークが言わなくても、次の言葉に何が来るかがわかった。
ホークは、黄ばんだ歯を見せて嗤う。
「パミラを殺したのは、俺だ」
「!!」
全身に電流が走ったかのようだった。パミラを殺したのは、恩人であるはずのホークだった。恩人では無く、リヴを手元に置いておく為にパミラを殺し、居場所を奪った。育ての親の仇は目の前にいた。——何年も、ずっと。
「パミラもアホだ。魔女の子を匿っているのがバレたら、自分も死ぬっていうのによ。だから俺が代わりにリヴを引き取るって言ったのに、断りやがって……」
「お前が……パミラを……?」
耳鳴りがして、地面に足が付いているのか分からない感覚になる。周りの音が遠くなっていく。だが、嘲笑うかのように話すホークの声だけはリヴの耳に届く。
「これでも、何年も交渉したんだぜ? あいつは友人だったから。だが、俺に残された時間は少ないから、強硬手段をとらせてもらった。あっちはただの人間だったから、殺すのは簡単だった。人の身体は脆いからな。俺の魔法で、パミラの腹部を――」
「——っ、やめろ!!」
リヴは鋭く言い放ち、ホークの言葉をかき消した。
「何だ、俺がパミラをどう殺したか知りたくないのか?」
「笑ってする話ではない!! パミラの死を冒涜するのはやめろ!!」
パミラは教会に祈りを捧げるのをサボるような男だったが、子供達一人一人との対話は決して怠らなかった。リヴにとっても大切な人を、殺した張本人であるホークに嗤われるのは許せなかった。
「リヴ、随分と感情を表に出すようになったじゃないか。暗殺者に感情は不必要だと教えたのに、もう忘れたのか?」
「俺は、もう暗殺者として生きないと決めた!」
「はあ? そんな事が出来るのかよ。お前は暗殺しか能がない男だってのに」
パミラが死んで、路頭に迷った15歳の頃、リヴは必死で仕事を探した。しかし、居住も無い少年を、人々は決して手を差し伸べず、背中を向けられた。
そんな中、ホークがリヴを拾い、暗殺についてのノウハウを教わった。何もないリヴには、それしか生きる術が見つからなかった。だが、それは少し前までの話。何故ならそれは――
「そんな事はない!! リヴは料理がうまいし、洗濯も掃除も得意だ! むしろ、暗殺よりもそちらの方が得意だ! 知らないのかバーカ!!」
リヴの思いをアピが代弁する。語彙力の低い煽りだったが、近くで見てきた彼女がそう言ってくれたのは、正直嬉しかった。
「威勢のいい嬢ちゃんだ。まさかこんなガキがアピ=レイスだとはなあ。興覚めもいいところだ」
「何だとう!? こっちだって、魔女の子がハゲできょーざめだ!!」
「随分としつけがなっていないようだ」
ホークの背後の土が盛り上がり、そこから根がいくつも飛び出る。うねうねと蛇のような動きをする根は、今にもこちらに襲い掛かってきそうだ。
「舐めているのか? 回復魔法しか使えない魔女の子と、大人になれない魔女、ただの人間、低級魔族……そんな奴等が、俺に勝てると思っているのか?」
「思っている」
不思議と絶望感はなかった。リヴはようやく握力が戻ってきたところで、ミラはまだ万全ではないし、ティールはほとんど戦えない。頼みの綱はアピだが、彼女にはあくまでサポートを徹底してもらう。
リヴは懐からナイフをいくつも取り出した。
「舐めているのはそちらの方だ、ホーク」
リヴはゆっくりと振り返る。そこにいたのは、暗殺組織ホークアイを取りまとめる、スキンヘッドの目つきが鷹のように鋭い男。
「ホーク……」
「よお、リヴ。久しぶり……って程期間は空いてねぇな」
ホークは機嫌が良さそうに、リヴに軽く手を挙げた。
「リヴ、知り合いか……?」
リヴはアピの問い掛けに答えられなかった。情報の整理が出来ていない。まだ、目の前の状況が理解出来ていないのだ。
「……暗殺組織ホークアイの首領だね。まさか……本当に魔女の子なのか? しかし、それにしては……」
リヴの代わりにミラが答える。ミラは、孤児院の件で直接依頼をした事もあったので、顔は知っていたのだろう。彼女も動揺が隠せていないようだった。
そして引っかかる点は、ホークの年齢だろう。魔女の子は、普通の人間よりも寿命が短いのだが、ホークは中年の歳に見える。それを察したようで、ホークは髪の無い頭を掻きながら口元を歪めて笑う。
「ああ、俺は45になる。魔女の子は短命だと言われているのに、随分と長生きさせてもらっているよ」
「なるほど、寿命が過ぎた魔女の子か……。それは、興味があるね」
ミラはレイピアに手をかける。だが、まだ傷も回復しきっていないはずなので、このまま魔女の子に挑むのは得策ではない。
「ミラ、待て。……ホーク……本当なんですか? 貴方が、魔女の子なんて……」
「何度も言わせるな、リヴ。俺がそこの低級魔族と組んでお前を殺そうとした魔女の子だよ」
真実がリヴに重くのしかかる。恩人だと思っていたホークは、リヴを殺す為にティールと手を組んでいた。
「リヴ、お前はティールに殺され、糧になるはずだった」
「糧……?」
「そうすれば、ティールは上級魔族になれる。そう吹き込んだからな」
その言葉に反応をしたのは、アピの手のひらの中にいる、低級魔族の姿になったティールだ。
「……吹き込んだって、どういう事?」
「低級魔族が高位魔族になる為には人間や魔女の子を殺して自分の糧にしなければならない、って話だよ。あんな嘘、簡単に信じるんだもんな」
「嘘……」
ティールの裂けた口が、わなわなと震える。彼は、アピの使い魔になる為に高位魔族になろうとしていた。その為に、リヴを殺そうとした。だが、それは真っ赤な嘘であった。ティールは、無意味な殺人を行っていたという事になる。
「お前が高位魔族になる為に殺した奴らは、俺にとって邪魔な存在だった。代わりに殺してくれて助かったよ」
「そ、そんな……。ボクのやって来た事は……」
「無意味だったって事だ。無知な低級魔族」
ティールの皿のように大きな瞳がこれでもかというくらい見開かれる。そして、すぐに憎悪を滲ませると、アピの手のひらから脱け出してホークに向かって走り出す。
「てめええええ!!」
小さな身体から、不釣り合いな太い腕が生え、ホークに襲い掛かる。しかし、ホークは構えもせずに、向かってくるティールを見ている。
ティールが跳躍して勢いをつけようとした時——足元に何かが絡みついた。足元を見て見ると、そこには地から現れた枯れた根が生き物のように絡みついていた。
「木属性の魔法……!」
「はい、残念」
根が、ティールの細い足を押し潰す。ティールは甲高い悲鳴を上げた。
「そんなわけ、ねえのになあ。低級はいつまでも低級のままなんだよ!」
地面でもだえ苦しむティールを、ホークは思い切り蹴飛ばした。体重の軽いティールの身体は簡単に吹き飛び、何度か転がってその動きは止まる。
「ティール!! ……お前ええ!!」
急いでティールを拾い上げたアピはホークに憤る。しかし、ホークは少しも表情を変えない。
「大人になり損なった魔女か。お前も、俺に比べたら遥かに底辺だ。だが、俺達は特別だ、リヴ。魔女よりも強大な魔力を持った俺達は、こんな底辺で泥水を吸っているような生活をして良いわけがないんだよ」
「……お前の目的は、何だ?」
「俺の目的か? それは復讐だよ。魔女よりも優れた魔女の子を生かそうとしない世界に、どちらが有能なのか戦争を仕掛けるんだ。だから、俺は魔女の子を探し、仲間を集っているのさ」
「……それならば、何故俺を殺そうとした? ……何故、俺が魔女の子だと知っている?」
「質問が多いな。まあ、今は気分が良いから教えてやるけどよ」
ホークは煙草に火を点け、うまそうに吸う。
「お前が魔女の子だと知ったのは、パミラとお前の会話を盗み聞きした時さ。お前が、パミラに魔女の子だと言われ、魔力を感知させないペンダントを受け取った時だよ」
「な……」
ホークがパミラと顔馴染みだとは聞いていたが、まさかあの時の会話を聞かれていたとは。少年時代のリヴにホークの記憶はない。外部から来る大人は全てパミラが応対していたからだ。
「ガキの魔力は不安定でなかなか感知しにくい。その時にお前が魔女の子だと知ったんだ。だが……せっかく、パミラの野郎から引き離してやったっていうのによお、まさか回復魔法しか使えないとは。回復魔法はもう間に合ってるんだよ。使えねえ魔女の子はいらねえ。だが、人間側についたら厄介だから、ティールを使って処分しようとしたわけだ」
「……ど、ういう事だ?」
胸が早鐘を打つ。血の気が引いていく。ホークが言わなくても、次の言葉に何が来るかがわかった。
ホークは、黄ばんだ歯を見せて嗤う。
「パミラを殺したのは、俺だ」
「!!」
全身に電流が走ったかのようだった。パミラを殺したのは、恩人であるはずのホークだった。恩人では無く、リヴを手元に置いておく為にパミラを殺し、居場所を奪った。育ての親の仇は目の前にいた。——何年も、ずっと。
「パミラもアホだ。魔女の子を匿っているのがバレたら、自分も死ぬっていうのによ。だから俺が代わりにリヴを引き取るって言ったのに、断りやがって……」
「お前が……パミラを……?」
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「これでも、何年も交渉したんだぜ? あいつは友人だったから。だが、俺に残された時間は少ないから、強硬手段をとらせてもらった。あっちはただの人間だったから、殺すのは簡単だった。人の身体は脆いからな。俺の魔法で、パミラの腹部を――」
「——っ、やめろ!!」
リヴは鋭く言い放ち、ホークの言葉をかき消した。
「何だ、俺がパミラをどう殺したか知りたくないのか?」
「笑ってする話ではない!! パミラの死を冒涜するのはやめろ!!」
パミラは教会に祈りを捧げるのをサボるような男だったが、子供達一人一人との対話は決して怠らなかった。リヴにとっても大切な人を、殺した張本人であるホークに嗤われるのは許せなかった。
「リヴ、随分と感情を表に出すようになったじゃないか。暗殺者に感情は不必要だと教えたのに、もう忘れたのか?」
「俺は、もう暗殺者として生きないと決めた!」
「はあ? そんな事が出来るのかよ。お前は暗殺しか能がない男だってのに」
パミラが死んで、路頭に迷った15歳の頃、リヴは必死で仕事を探した。しかし、居住も無い少年を、人々は決して手を差し伸べず、背中を向けられた。
そんな中、ホークがリヴを拾い、暗殺についてのノウハウを教わった。何もないリヴには、それしか生きる術が見つからなかった。だが、それは少し前までの話。何故ならそれは――
「そんな事はない!! リヴは料理がうまいし、洗濯も掃除も得意だ! むしろ、暗殺よりもそちらの方が得意だ! 知らないのかバーカ!!」
リヴの思いをアピが代弁する。語彙力の低い煽りだったが、近くで見てきた彼女がそう言ってくれたのは、正直嬉しかった。
「威勢のいい嬢ちゃんだ。まさかこんなガキがアピ=レイスだとはなあ。興覚めもいいところだ」
「何だとう!? こっちだって、魔女の子がハゲできょーざめだ!!」
「随分としつけがなっていないようだ」
ホークの背後の土が盛り上がり、そこから根がいくつも飛び出る。うねうねと蛇のような動きをする根は、今にもこちらに襲い掛かってきそうだ。
「舐めているのか? 回復魔法しか使えない魔女の子と、大人になれない魔女、ただの人間、低級魔族……そんな奴等が、俺に勝てると思っているのか?」
「思っている」
不思議と絶望感はなかった。リヴはようやく握力が戻ってきたところで、ミラはまだ万全ではないし、ティールはほとんど戦えない。頼みの綱はアピだが、彼女にはあくまでサポートを徹底してもらう。
リヴは懐からナイフをいくつも取り出した。
「舐めているのはそちらの方だ、ホーク」
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