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6 永劫回帰
希望の再会
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最近グルト王国を不在がちだったイムは兵を従えて森の中で待機をしていた。
イムがこの場にいるので既にグルト王国領内へと入ったようだが、ここの森は魔物の森ではなさそうだ。
アメリーはリィの手を借りてシーから降りる。そして気だるげに待機していたイムに勢いを付けて飛び付いた。
「イム! 良かった、会えて嬉しい……!」
知らない土地で見知った顔に出会えたのは何と心強い事か。感極まって抱き着いてしまったのだが、イムは抱き留めず、むしろ両手を軽く上げて触らないようにしていた。
「あー、アメルシア王女おやめくださいー。兵の間で変な噂が流れたらどうするのですー」
アメリーは3歳の頃からイムを知っており家族のように思っている為、少々スキンシップが多めなのだが、十代になってからは周りの目もあるので自重していた。しかし今回は感情が高まってつい抱き着いてしまった。
アメリーが離れようとした時、後ろから軽く引っ張られて背中が何かに当たる。首だけ振り返ってみるとそれはリィの胸元だった。どうやらリィがアメリーの腕を掴んで自分の方へ引き寄せたらしい。
視線は何故かアメリーではなくイムの方へ向けられていた。そして何故か少々睨んでいるように見える。アメリーは理由が分からなかったが、イムは理解したようで面倒くさそうにため息を吐いた。
「今のは嫉妬される筋合いは無いんじゃないかー?」
「……」
リィはそう言われてもイムを黙って見つめていた。何故空気が悪くなったのか分からないアメリーはハラハラとしてしまったが、そんな視線をもろともせず、イムはころりと話を変える。
「すごいですねーアメルシア王女。このでかい魔物はどうされたんですー?」
「えっと……」
アメリー達の背後にいる狼型の魔物。たまに魔物退治で遠征するイム達でもこれ程大きな魔物を見た事は無いだろう。しかもこの魔物は人を見境なく襲わず、大人しくアメリー達を見下ろしている。
アメリーが乗っていたから攻撃を止めたが、イムもこの魔物が只者ではないと何となく分かっているのだろう。
シーは何も言わずにアメリーを見下ろしている。混乱を避ける為に言葉を発さないようにしているようだ。彼の正体を薄らと掴んでいるアメリーはどう紹介しようとすれば良いか悩んだが、ふと空に浮かぶエダの笑顔が目に映った。
「カリバンで飼われていたんだけど、魔物と心を通わせる天才のリィが手なづけたの」
視線を彷徨わせながら言うと、空から盛大に吹き出す声が聞こえた。勘の良いイムにこの誤魔化しは通用しないと思ったが、彼は面倒くさかったのかそれ以上問わなかった。
「イム達はどうしてここにいるの?」
「あー、カリバンの動きをグランデル騎士隊長に探れと命令を受けましてねー。ここ数日、カリバンが怪しい動きを見せていたので兵を集めていたんですよー」
「グランデル……?」
出て来た名前にアメリーは表情を曇らせる。グランデルはグルト王国を裏切ったと言われている。どうしてイムがグランデルの命令を聞いているのか、と尋ねると彼は薄く笑って肩を竦めた。
「もう時期が来たから言っちゃいますけど、グランデル騎士隊長は裏切ったりしていませんよー。あの方は今も昔もグルト王国に忠誠を誓っています。それと結構な重傷を負っていますけど無事です。今はアリソン王子の元へ向かっているのではないでしょうかー」
その言葉に、アメリーは身体の力が一気に抜けていくのを感じた。後ろにいたリィに思い切り寄り掛かる形になってしまう。リィは「大丈夫か、アメ」と心配そうにしていたが、アメリーは小さく頷く。その拍子に涙が溢れてしまうが、これは悲しみのものではない。
「よ、良かった……」
小さい頃からずっといていれた彼は変わっていなかった。それがアメリーの心を更に希望へと突き動かす。グランデルが味方でいるという安心感。
いつも気だるげなイムだが、グランデルの事を離した時はやや穏やかだった。そんな彼が嘘を言うはずがない。アメリーは目尻に溜まった涙を指で拭った。
「グランデルに襲われたっていうのはマイクルの勘違いだったんだね。本当に良かった」
「あー、それは……。いえ、これは後で言いますかー。それよりも目の前の問題に目を向けましょうー」
イムが言葉を濁したが、安堵しきっていたアメリーは全く気が付かなかった。
先を急がなければならないが、情報交換をしなくてはならないとイムと話そうとした時、兵の中から濃紺色のヘアバンドをした藍色髪の青年が現れた。他の者は鎧を纏っているというのに、彼だけリィに似た軽装だ。リィの姿を見つけると、男はいかつい顔を綻ばせた。
「リィ!」
「オウル? オウルも一緒にいたのか」
ググ村で暮らしており、魔物の森でリィの面倒を見ていたオウル。まさか彼もここにいるとは思わず、リィはやや目を見開かせた。
「ああ。お前は俺がグルト城からいなくなったの知らないんだな。ちょっと色々あってさ。不本意だがイム隊長に助けられたんだ」
「不本意はこちらのセリフですわー。お前の命を救ったのは誰だと思っているんですー? お前が裏切り者だと批判していたグランデル騎士隊長の指示で動いたんですからねー」
「ぐっ……悔しいが何も言えねえ」
イムはわざとらしく口を尖らせながら言って、オウルの肩に自分の腕を乗せた。オウルの方が7歳も年上のはずだが、このやり取りを見ていると逆のように見えてしまう。話が見えず、アメリーが詳細を尋ねるとイムが簡単に説明をしてくれる。
「オウルやシーラ殿はググ村の生き残りであり、カリバンに命を狙われる危険性があったのでググ村の隣村に避難していたんですよー。本当ならそこで待機しているはずだったんですがついて来てしまいましてねー」
アメリーとリィが誘拐される前にイムがオウルとシーラを連れて王都を出ていたらしい。グランデルが失踪してからイムが度々いなくなっていたのは彼と連絡を密に取り合っていた為だと。
本来ならばオウルはシーラと共にググ村の隣村に待機していて欲しかったのだが、どうしてもついて来たいと言った為渋々連れてきたらしい。
「俺だって何か力になりたいんだよ! ……死んだ親父の為にも」
「オウル……」
握られた拳は震えていた。オウルの父親はググ村の襲撃で重症を負っていたが――力尽きてしまったようだ。アメリーはどう声を掛けたら良いか分からず、名前だけ呼んで言葉に詰まる。
「オウル」
「大丈夫だ。俺は復讐の為に来たんじゃない。俺を助けてくれたグランデルさんやイム隊長に恩を返したいから来たんだ。誰かの為に戦いたい」
長年の共であるリィが淀みの無い声で名を呼ぶと、オウルは決意に満ちた瞳で前を真っ直ぐと見据えていた。憎しみに囚われて怒り狂うオウルは何処にもいなかった。それを見たリィはそっと微笑んだ。
「それで、アメルシア王女達はどうしてここにいるんですー? 情報がまだ入って来ていないのですがー」
「実はカリバンに誘拐されて……」
アメリーはイム達に今まであった事を話した。そしてオトギがリィスクレウムを復活させようと魔物の森に向かっているという事も。最後まで聞いたイムは青い目を宙に向けこめかみに手を当てた。
「うげー。それって思ったより最悪な状況になっているじゃないですかー」
「だからオトギ王子を追いかけないといけないの。イム、手伝ってくれる?」
「あー。責任重大ですねー。まあ、我らのアメルシア王女にお願いされると受けざるを得ないんですけれどー。今回は、負けは許されないですねー」
そう言いながらイムは背後にいる兵達に身体を向けた。
「というわけでお前達。命を賭けてもアメルシア王女をお守りするぞ」
イムがそう言うと、兵達は片手を天に突きあげておおお、と鼓舞するように叫んだ。
「い、命は大事にしてね」
「あー、追加で命は大事にー」
勢いに気圧されてアメリーが付け足すと、イムがとぼけたように言ったが、兵達のボルテージは上がっている。
心強い味方達が加わり、アメリー達はオトギを再度追う事にしたのだった。
イムがこの場にいるので既にグルト王国領内へと入ったようだが、ここの森は魔物の森ではなさそうだ。
アメリーはリィの手を借りてシーから降りる。そして気だるげに待機していたイムに勢いを付けて飛び付いた。
「イム! 良かった、会えて嬉しい……!」
知らない土地で見知った顔に出会えたのは何と心強い事か。感極まって抱き着いてしまったのだが、イムは抱き留めず、むしろ両手を軽く上げて触らないようにしていた。
「あー、アメルシア王女おやめくださいー。兵の間で変な噂が流れたらどうするのですー」
アメリーは3歳の頃からイムを知っており家族のように思っている為、少々スキンシップが多めなのだが、十代になってからは周りの目もあるので自重していた。しかし今回は感情が高まってつい抱き着いてしまった。
アメリーが離れようとした時、後ろから軽く引っ張られて背中が何かに当たる。首だけ振り返ってみるとそれはリィの胸元だった。どうやらリィがアメリーの腕を掴んで自分の方へ引き寄せたらしい。
視線は何故かアメリーではなくイムの方へ向けられていた。そして何故か少々睨んでいるように見える。アメリーは理由が分からなかったが、イムは理解したようで面倒くさそうにため息を吐いた。
「今のは嫉妬される筋合いは無いんじゃないかー?」
「……」
リィはそう言われてもイムを黙って見つめていた。何故空気が悪くなったのか分からないアメリーはハラハラとしてしまったが、そんな視線をもろともせず、イムはころりと話を変える。
「すごいですねーアメルシア王女。このでかい魔物はどうされたんですー?」
「えっと……」
アメリー達の背後にいる狼型の魔物。たまに魔物退治で遠征するイム達でもこれ程大きな魔物を見た事は無いだろう。しかもこの魔物は人を見境なく襲わず、大人しくアメリー達を見下ろしている。
アメリーが乗っていたから攻撃を止めたが、イムもこの魔物が只者ではないと何となく分かっているのだろう。
シーは何も言わずにアメリーを見下ろしている。混乱を避ける為に言葉を発さないようにしているようだ。彼の正体を薄らと掴んでいるアメリーはどう紹介しようとすれば良いか悩んだが、ふと空に浮かぶエダの笑顔が目に映った。
「カリバンで飼われていたんだけど、魔物と心を通わせる天才のリィが手なづけたの」
視線を彷徨わせながら言うと、空から盛大に吹き出す声が聞こえた。勘の良いイムにこの誤魔化しは通用しないと思ったが、彼は面倒くさかったのかそれ以上問わなかった。
「イム達はどうしてここにいるの?」
「あー、カリバンの動きをグランデル騎士隊長に探れと命令を受けましてねー。ここ数日、カリバンが怪しい動きを見せていたので兵を集めていたんですよー」
「グランデル……?」
出て来た名前にアメリーは表情を曇らせる。グランデルはグルト王国を裏切ったと言われている。どうしてイムがグランデルの命令を聞いているのか、と尋ねると彼は薄く笑って肩を竦めた。
「もう時期が来たから言っちゃいますけど、グランデル騎士隊長は裏切ったりしていませんよー。あの方は今も昔もグルト王国に忠誠を誓っています。それと結構な重傷を負っていますけど無事です。今はアリソン王子の元へ向かっているのではないでしょうかー」
その言葉に、アメリーは身体の力が一気に抜けていくのを感じた。後ろにいたリィに思い切り寄り掛かる形になってしまう。リィは「大丈夫か、アメ」と心配そうにしていたが、アメリーは小さく頷く。その拍子に涙が溢れてしまうが、これは悲しみのものではない。
「よ、良かった……」
小さい頃からずっといていれた彼は変わっていなかった。それがアメリーの心を更に希望へと突き動かす。グランデルが味方でいるという安心感。
いつも気だるげなイムだが、グランデルの事を離した時はやや穏やかだった。そんな彼が嘘を言うはずがない。アメリーは目尻に溜まった涙を指で拭った。
「グランデルに襲われたっていうのはマイクルの勘違いだったんだね。本当に良かった」
「あー、それは……。いえ、これは後で言いますかー。それよりも目の前の問題に目を向けましょうー」
イムが言葉を濁したが、安堵しきっていたアメリーは全く気が付かなかった。
先を急がなければならないが、情報交換をしなくてはならないとイムと話そうとした時、兵の中から濃紺色のヘアバンドをした藍色髪の青年が現れた。他の者は鎧を纏っているというのに、彼だけリィに似た軽装だ。リィの姿を見つけると、男はいかつい顔を綻ばせた。
「リィ!」
「オウル? オウルも一緒にいたのか」
ググ村で暮らしており、魔物の森でリィの面倒を見ていたオウル。まさか彼もここにいるとは思わず、リィはやや目を見開かせた。
「ああ。お前は俺がグルト城からいなくなったの知らないんだな。ちょっと色々あってさ。不本意だがイム隊長に助けられたんだ」
「不本意はこちらのセリフですわー。お前の命を救ったのは誰だと思っているんですー? お前が裏切り者だと批判していたグランデル騎士隊長の指示で動いたんですからねー」
「ぐっ……悔しいが何も言えねえ」
イムはわざとらしく口を尖らせながら言って、オウルの肩に自分の腕を乗せた。オウルの方が7歳も年上のはずだが、このやり取りを見ていると逆のように見えてしまう。話が見えず、アメリーが詳細を尋ねるとイムが簡単に説明をしてくれる。
「オウルやシーラ殿はググ村の生き残りであり、カリバンに命を狙われる危険性があったのでググ村の隣村に避難していたんですよー。本当ならそこで待機しているはずだったんですがついて来てしまいましてねー」
アメリーとリィが誘拐される前にイムがオウルとシーラを連れて王都を出ていたらしい。グランデルが失踪してからイムが度々いなくなっていたのは彼と連絡を密に取り合っていた為だと。
本来ならばオウルはシーラと共にググ村の隣村に待機していて欲しかったのだが、どうしてもついて来たいと言った為渋々連れてきたらしい。
「俺だって何か力になりたいんだよ! ……死んだ親父の為にも」
「オウル……」
握られた拳は震えていた。オウルの父親はググ村の襲撃で重症を負っていたが――力尽きてしまったようだ。アメリーはどう声を掛けたら良いか分からず、名前だけ呼んで言葉に詰まる。
「オウル」
「大丈夫だ。俺は復讐の為に来たんじゃない。俺を助けてくれたグランデルさんやイム隊長に恩を返したいから来たんだ。誰かの為に戦いたい」
長年の共であるリィが淀みの無い声で名を呼ぶと、オウルは決意に満ちた瞳で前を真っ直ぐと見据えていた。憎しみに囚われて怒り狂うオウルは何処にもいなかった。それを見たリィはそっと微笑んだ。
「それで、アメルシア王女達はどうしてここにいるんですー? 情報がまだ入って来ていないのですがー」
「実はカリバンに誘拐されて……」
アメリーはイム達に今まであった事を話した。そしてオトギがリィスクレウムを復活させようと魔物の森に向かっているという事も。最後まで聞いたイムは青い目を宙に向けこめかみに手を当てた。
「うげー。それって思ったより最悪な状況になっているじゃないですかー」
「だからオトギ王子を追いかけないといけないの。イム、手伝ってくれる?」
「あー。責任重大ですねー。まあ、我らのアメルシア王女にお願いされると受けざるを得ないんですけれどー。今回は、負けは許されないですねー」
そう言いながらイムは背後にいる兵達に身体を向けた。
「というわけでお前達。命を賭けてもアメルシア王女をお守りするぞ」
イムがそう言うと、兵達は片手を天に突きあげておおお、と鼓舞するように叫んだ。
「い、命は大事にしてね」
「あー、追加で命は大事にー」
勢いに気圧されてアメリーが付け足すと、イムがとぼけたように言ったが、兵達のボルテージは上がっている。
心強い味方達が加わり、アメリー達はオトギを再度追う事にしたのだった。
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