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3 失われる平穏
秘密を隠し続けた村
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グルト王国より北側にあり、カリバン王国の国境の手前に存在するググ村。自然に囲まれたその村は、藍色の染色を得意とし、服や装飾品として他の村へと売りに行ったりしている。時間が緩やかに流れているが、他の村と一つだけ違う事は、すぐ側に魔物の森があるという事だろう。
マカニシア大陸には魔物が存在している。他の場所でも生息しているが、魔物の森にいる獣の数は異様に多い。何故なら四六時中薄暗く、湿った空気で溢れているので魔物が好む為だ。
そんな危険な森がすぐ側にあるにも関わらず、ググ村の人々が平穏に過ごせるのは、グルト王国より授かる加護石があるからだ。国王リグルトの魔力により防御壁を生成する事が出来る加護石は、ググ村にとっては欠かせない物だ。その石は村長であり予言者の老婆シーラの家の台座に置かれている。
シーラは家の中にある木製で出来た小さな祭壇に必死に手を擦り合わせていた。祭壇の両脇に置かれたたいまつから火の爆ぜる音が聞こえる。シーラは目を瞑り呪文のような言葉をぼそぼそと呟いていた。それが数分続いたが、やがてたいまつの火が突然消えたと同時に――シーラはゆっくりと目を開いた。その表情には、恐怖が貼り付いている。
「ああ…何て恐ろしい」
被っている藍色のローブを握り締める。シーラはグルト王国の中で名のある予言者。今はこの世界の未来を案じ、静かに予見していた。――脳裏に過った未来は、とても希望のあるものではなかった。血に塗れた世界。その中心で立ち尽くしているのは――黒髪の男。ググ村特有の染色が施された布で隠された右目は――魔獣リィスクレウムの同じ色の金。
シーラは脳裏に浮かぶ映像を消そうと、頭を左右に振った。
「ああ…だからあの化け物は…早々に殺すべきだった……だが、殺しても死なない男をどう殺せというんだ…。あれがあのお方に見つかったら――」
ぶるりと身体を震わせる。リィスクレウムの瞳を持つ男がグルト王国に連行されてから早一ヶ月以上が経つ。シーラは定期的に遣いを出し、彼の身柄を戻すよう伝えたのだが、いつも門前払いを受けてしまうという。それは恐らく、王国側も彼の存在が普通ではないという事を知ってしまったという事。
リィスクレウムの瞳を持つ男が連行された日、シーラは私用で出掛けていた。戻ったら顔を青ざめさせた村人達に出迎えられたのだが、理由を聞き、彼女自身も同じ顔色になった。
彼は、ここに留めなければならない存在だった。願わくば、不死の力が消えて魔物に食い漁られて欲しかった。そんな淡い期待は、全て打ち崩された。
シーラは祭壇に飾られた加護石に目を向ける。加護石は灰とエメラルドグリーンが混じったような色をしており、祭壇の真正面に台座の上に祀るように設置されている。
「これだけでは…ググ村を守る事は出来ない…。あの脅威には……誰にも抗う事が出来ない…」
シーラがそう嘆いた時だった。家の扉がノックされ、ゆっくりと開かれた。入って来たのは壮年の藍色髪の男だった。ググ村でシーラに次ぐ権力を持つ男は、やや疲れた表情を浮かべていた。
「婆様、失礼します。また予言されていたのですか。オウル……息子とあの男が城へ連行されてから一ヶ月以上経ちます。あの男の正体は、きっとグルト王国に知られています。もう、これ以上隠す事は不可能なのでは――」
オウルの父親から遠慮がちに告げられた言葉で頭の血が上ったシーラは、祭壇に飾られた果物を無造作に掴んで彼に向かって投げつけた。
「うるさい! それでも我々はあれを隠さねばならないのだ! あれは災厄をもたらすリィスクレウムの目を持つ化け物! あれの正体に勘づかれたら、この村は終わりだ!!」
「ば、婆様…」
シーラの剣幕に恐れ戦くオウルの父親。投げつけられた果物は見るも無残な姿になり、彼の服を汚した。彼の怯えた様子を見て、少しだけ頭の冷えたシーラは、フンと鼻を鳴らす。オウルの父親は、息子が心配でたまらないのだろう。彼の安否も分からず、一ヶ月以上が過ぎようというのだ。しかし、シーラにとってそれはどうでも良い事だった。
「お前の息子はオウルと言ったか。あいつがリィスクレウムに会いに行って手助けしていたのだろう! あいつがここへ戻って来たら、即刻首を刎ねてやる!!」
「ば、婆様…! それは勘弁してください…! あれは私の一人息子。きっとリィスクレウムに唆されて騙されていただけなんです! だから、どうか…!」
「ええい、うるさい! 一人の村民に構っていられるか! これはググ村の…私の命が危ぶまれる事なのだぞ!」
「ば、婆様…!」
オウルの父親の顔が蒼白になる。シーラはそれに構う余裕も無かった。また遣いを出さなければ。どうにかしてあの男を取り返さなければならない。そして、魔物の森に死ぬまで閉じ込める。それが、リィスクレウムの瞳を持った男の宿命。
「あの騎士…グランデルと言ったか。リィスクレウムの身柄を引き渡すと言って、音沙汰が無いではないか! 流石ランディール家の嫡男! 裏切りの血は受け継がれているようだな!!」
リィスクレウムの男が連行されてから数日後、騎士隊長グランデルがシーラを尋ねてやって来た時があった。彼の正体については話さなかったが、グルト王国はリィスクレウムの瞳を持っている事は気付いているようだった。
「あの城へ行ったのは何かの因果か――」
そう言い掛けて、ふと外が騒がしい事に気が付く。誰かの叫び声や悲鳴が聞こえる。一瞬ただの喧嘩かと思ったが、断末魔のような音も聞こえ、外の異変に気が付いた。シーラとオウルの父親は慌てて窓から外を覗く。
外は地獄絵図だった。村人達が黒いフードの男達に襲われ、命を奪われていた。一人は剣によって首を斬られ、一人は弓で喉を突かれ――先程までののどかな風景が嘘のようだった。男女問わず、村人達が殺されていく。斧を持ち応戦しようとした屈強な男の腕を裂き、確実に息の根を止めようと喉を捌き、家に逃げ込もうとした女の腹を胸に抱かれた子供もろとも槍で貫く。家に隠れている者は火を放たれ、飛び出した者を問答無用で斬り捨てる。
「くそっ!!」
「よせ、止めろ!!」
二人とも、阿鼻叫喚の光景に呆然としてしまったが、一足先に我に返ったオウルの父親は腰に差さっていた剣を抜くと直ぐ様外へと飛び出して行った。シーラは思わずその場に座り込んでしまう。
ググ村の人々は魔物の森が近くにある為、小さい頃から鍛錬を積み、腕の立つ者ばかりだ。しかし、その村人達は為す術も無く、黒いフードの男達に命を絶たれている。――ググ村の者達を皆殺しにしようとしている。
「な、何故…あの者達がここにいる…?」
見覚えのある集団に、シーラは震えが止まらない。何処の国の者かも分からない漆黒のフードに、アサシンのような体勢で攻撃をする男達。先程出て行った男はググ村一の力を持っているが、彼らの前では恐らくひとたまりも無い。
彼の安否を確認せず、シーラは床に這いつくばりながらも祭壇へ向かう。その後ろは隠し通路になっていて、そこへ入ってしまえば簡単にググ村から脱出する事が出来る。とにかく、自分の身を守る為にそこへ向かう。シーラの手が祭壇の足部分に触れ、これを横にスライドさせれば隠し通路が現れる。シーラが安堵して祭壇を動かそうとした時だった。
扉が、ゆっくりと開かれた。シーラは肩を跳ね上げて恐る恐る振り返る。そこにいたのは、オウルの父親だった。彼が黒いフードの男を蹴散らしたのかと思ったが、それは一瞬の事。彼は全身血に塗れていた。目は虚ろで、口をパクパクと動かしている。しかし、シーラに何を伝える事も出来ず、オウルの父親はその場に崩れ落ちた。
「ヒッ――」
オウルの父親の大きな身体で後ろに隠れていた者の姿が露わになり、シーラは恐怖で喉を引きつらせた。
その者は、シーラが恐ろしくて仕方が無かった人物。ここにいるはずのない者。その人物は、血に濡れた顔を歪めて笑う。
「さあ、裏切り者は誰だ?」
「あ、あ、ああああああああああああ!!!」
吊り上がる口元から聞こえた無感情な声に、シーラは堪らず叫び声を上げた。だが、その声はすぐに聞こえなくなった。
マカニシア大陸には魔物が存在している。他の場所でも生息しているが、魔物の森にいる獣の数は異様に多い。何故なら四六時中薄暗く、湿った空気で溢れているので魔物が好む為だ。
そんな危険な森がすぐ側にあるにも関わらず、ググ村の人々が平穏に過ごせるのは、グルト王国より授かる加護石があるからだ。国王リグルトの魔力により防御壁を生成する事が出来る加護石は、ググ村にとっては欠かせない物だ。その石は村長であり予言者の老婆シーラの家の台座に置かれている。
シーラは家の中にある木製で出来た小さな祭壇に必死に手を擦り合わせていた。祭壇の両脇に置かれたたいまつから火の爆ぜる音が聞こえる。シーラは目を瞑り呪文のような言葉をぼそぼそと呟いていた。それが数分続いたが、やがてたいまつの火が突然消えたと同時に――シーラはゆっくりと目を開いた。その表情には、恐怖が貼り付いている。
「ああ…何て恐ろしい」
被っている藍色のローブを握り締める。シーラはグルト王国の中で名のある予言者。今はこの世界の未来を案じ、静かに予見していた。――脳裏に過った未来は、とても希望のあるものではなかった。血に塗れた世界。その中心で立ち尽くしているのは――黒髪の男。ググ村特有の染色が施された布で隠された右目は――魔獣リィスクレウムの同じ色の金。
シーラは脳裏に浮かぶ映像を消そうと、頭を左右に振った。
「ああ…だからあの化け物は…早々に殺すべきだった……だが、殺しても死なない男をどう殺せというんだ…。あれがあのお方に見つかったら――」
ぶるりと身体を震わせる。リィスクレウムの瞳を持つ男がグルト王国に連行されてから早一ヶ月以上が経つ。シーラは定期的に遣いを出し、彼の身柄を戻すよう伝えたのだが、いつも門前払いを受けてしまうという。それは恐らく、王国側も彼の存在が普通ではないという事を知ってしまったという事。
リィスクレウムの瞳を持つ男が連行された日、シーラは私用で出掛けていた。戻ったら顔を青ざめさせた村人達に出迎えられたのだが、理由を聞き、彼女自身も同じ顔色になった。
彼は、ここに留めなければならない存在だった。願わくば、不死の力が消えて魔物に食い漁られて欲しかった。そんな淡い期待は、全て打ち崩された。
シーラは祭壇に飾られた加護石に目を向ける。加護石は灰とエメラルドグリーンが混じったような色をしており、祭壇の真正面に台座の上に祀るように設置されている。
「これだけでは…ググ村を守る事は出来ない…。あの脅威には……誰にも抗う事が出来ない…」
シーラがそう嘆いた時だった。家の扉がノックされ、ゆっくりと開かれた。入って来たのは壮年の藍色髪の男だった。ググ村でシーラに次ぐ権力を持つ男は、やや疲れた表情を浮かべていた。
「婆様、失礼します。また予言されていたのですか。オウル……息子とあの男が城へ連行されてから一ヶ月以上経ちます。あの男の正体は、きっとグルト王国に知られています。もう、これ以上隠す事は不可能なのでは――」
オウルの父親から遠慮がちに告げられた言葉で頭の血が上ったシーラは、祭壇に飾られた果物を無造作に掴んで彼に向かって投げつけた。
「うるさい! それでも我々はあれを隠さねばならないのだ! あれは災厄をもたらすリィスクレウムの目を持つ化け物! あれの正体に勘づかれたら、この村は終わりだ!!」
「ば、婆様…」
シーラの剣幕に恐れ戦くオウルの父親。投げつけられた果物は見るも無残な姿になり、彼の服を汚した。彼の怯えた様子を見て、少しだけ頭の冷えたシーラは、フンと鼻を鳴らす。オウルの父親は、息子が心配でたまらないのだろう。彼の安否も分からず、一ヶ月以上が過ぎようというのだ。しかし、シーラにとってそれはどうでも良い事だった。
「お前の息子はオウルと言ったか。あいつがリィスクレウムに会いに行って手助けしていたのだろう! あいつがここへ戻って来たら、即刻首を刎ねてやる!!」
「ば、婆様…! それは勘弁してください…! あれは私の一人息子。きっとリィスクレウムに唆されて騙されていただけなんです! だから、どうか…!」
「ええい、うるさい! 一人の村民に構っていられるか! これはググ村の…私の命が危ぶまれる事なのだぞ!」
「ば、婆様…!」
オウルの父親の顔が蒼白になる。シーラはそれに構う余裕も無かった。また遣いを出さなければ。どうにかしてあの男を取り返さなければならない。そして、魔物の森に死ぬまで閉じ込める。それが、リィスクレウムの瞳を持った男の宿命。
「あの騎士…グランデルと言ったか。リィスクレウムの身柄を引き渡すと言って、音沙汰が無いではないか! 流石ランディール家の嫡男! 裏切りの血は受け継がれているようだな!!」
リィスクレウムの男が連行されてから数日後、騎士隊長グランデルがシーラを尋ねてやって来た時があった。彼の正体については話さなかったが、グルト王国はリィスクレウムの瞳を持っている事は気付いているようだった。
「あの城へ行ったのは何かの因果か――」
そう言い掛けて、ふと外が騒がしい事に気が付く。誰かの叫び声や悲鳴が聞こえる。一瞬ただの喧嘩かと思ったが、断末魔のような音も聞こえ、外の異変に気が付いた。シーラとオウルの父親は慌てて窓から外を覗く。
外は地獄絵図だった。村人達が黒いフードの男達に襲われ、命を奪われていた。一人は剣によって首を斬られ、一人は弓で喉を突かれ――先程までののどかな風景が嘘のようだった。男女問わず、村人達が殺されていく。斧を持ち応戦しようとした屈強な男の腕を裂き、確実に息の根を止めようと喉を捌き、家に逃げ込もうとした女の腹を胸に抱かれた子供もろとも槍で貫く。家に隠れている者は火を放たれ、飛び出した者を問答無用で斬り捨てる。
「くそっ!!」
「よせ、止めろ!!」
二人とも、阿鼻叫喚の光景に呆然としてしまったが、一足先に我に返ったオウルの父親は腰に差さっていた剣を抜くと直ぐ様外へと飛び出して行った。シーラは思わずその場に座り込んでしまう。
ググ村の人々は魔物の森が近くにある為、小さい頃から鍛錬を積み、腕の立つ者ばかりだ。しかし、その村人達は為す術も無く、黒いフードの男達に命を絶たれている。――ググ村の者達を皆殺しにしようとしている。
「な、何故…あの者達がここにいる…?」
見覚えのある集団に、シーラは震えが止まらない。何処の国の者かも分からない漆黒のフードに、アサシンのような体勢で攻撃をする男達。先程出て行った男はググ村一の力を持っているが、彼らの前では恐らくひとたまりも無い。
彼の安否を確認せず、シーラは床に這いつくばりながらも祭壇へ向かう。その後ろは隠し通路になっていて、そこへ入ってしまえば簡単にググ村から脱出する事が出来る。とにかく、自分の身を守る為にそこへ向かう。シーラの手が祭壇の足部分に触れ、これを横にスライドさせれば隠し通路が現れる。シーラが安堵して祭壇を動かそうとした時だった。
扉が、ゆっくりと開かれた。シーラは肩を跳ね上げて恐る恐る振り返る。そこにいたのは、オウルの父親だった。彼が黒いフードの男を蹴散らしたのかと思ったが、それは一瞬の事。彼は全身血に塗れていた。目は虚ろで、口をパクパクと動かしている。しかし、シーラに何を伝える事も出来ず、オウルの父親はその場に崩れ落ちた。
「ヒッ――」
オウルの父親の大きな身体で後ろに隠れていた者の姿が露わになり、シーラは恐怖で喉を引きつらせた。
その者は、シーラが恐ろしくて仕方が無かった人物。ここにいるはずのない者。その人物は、血に濡れた顔を歪めて笑う。
「さあ、裏切り者は誰だ?」
「あ、あ、ああああああああああああ!!!」
吊り上がる口元から聞こえた無感情な声に、シーラは堪らず叫び声を上げた。だが、その声はすぐに聞こえなくなった。
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