5 / 139
1 お転婆王女と魔獣の青年
村の異変
しおりを挟む
事の顛末を全て聞きだしたグランデルは片手で顔を覆った。
「――つまり、夜にアリソン様の部屋に忍び込み、睡眠薬を飲ませて、アリソン様に変装をした、と」
「あ、あはは。まさかこんなにうまくいくとは思わなかったけど…」
アメリーの外へ行きたいという思いはグランデルもよく知っていた。しかし、まさか王子に成り代わってまで外出をしようとは、さすがの騎士隊長も思わなかった。同行している騎士達もざわめいている。王子では無い人を連れて来てしまったのは、不測の事態だ。あと数分でググ村へ着くが、彼のするべき行動は決まっている。グランデルは手綱を引くと、馬に来た道を引き返すよう促す。
「…戻りましょう」
「だ、駄目だよグランデル! もう少しでググ村に着くんでしょ? 今から戻ったらググ村に加護石渡せる日が伸びちゃうよ?」
アメリーが焦った様子でグランデルを振り返る。しかし、彼の気持ちは変わらない。グランデルは表情を険しくさせて首を左右に振った。
「致し方ありません。ここにはアリソン様が来るべきです」
「で、でも――!」
せっかくここまで来たのに。――もう少しで、ググ村に行けたというのに。そんな思いからアメリーが反論しようとした時だった。
「ああ! あんたらグルト王国の遣いか!?」
突然林の中から一人の男が現れた。グランデルは瞬時に王女を庇うように彼女の身体を引き寄せたが、男の身なりを見て、すぐに警戒を解いた。
歳はグランデルと同じくらいだろうか。藍色の短髪に無精ひげの目立つ男だ。藍色で染められた服は、行き先の村人達が好む染色。――つまり、彼はググ村の男だった。男は汗だくで、身体のあちこちに切り傷があるところを見ると、焦って道無き道を進み、その途中で葉によって切れてしまったのだろう。男の様子は尋常では無かった。
「あなたは――ググ村の方ですね。何度かお会いした事が――」
「た、助けてくれ! 魔物が村に入り込んでしまったんだ!」
そして、彼の告げた言葉は、その場にいた者たちを驚愕させるのに充分だった。
「! …すぐに行きましょう。アメルシア王女はここで待機していてください。君、王女の護衛を頼む」
「はっ」
グランデルはアメリーを自分の馬から降ろすと、一人に王女の護衛を、残りの三人は共に村へ行くよう迅速に命令する。
「私も――!」
「いけません。魔物は危険なのです。村人が心配なのは分かりますが、私が魔物を殲滅してきます。それまでここでお待ちください」
ここ近辺に発生している魔物は、何故かあの魔物の森にしか寄りつかない。この林道から距離は遠くないのだが、ここで魔物が出現したという情報は無い。それを見越してのグランデルの判断だ。このままググ村へ行くより、ここで待機している方が安全だ。さすがのアメリーも理解したのか、唇を噛み締めてから軽く頷いた。
「…グランデル、皆、気を付けて」
アメリーがそう言うと、グランデルは微笑んでから馬を走らせた。その背中を、アメリーと騎士、村人は見えなくなるまで見送る。アメリーは妙な胸騒ぎを覚えていた。加護石の効力は、まだ消えていないはずだ。まさか、加護石の力が効かない魔物がいるのだろうか、と鞄を持つ手に力が入る。
アメリーは城下町の外へ出た事が無かったので、魔物がどういう姿をしているのかは、書物の挿絵でしか見た事がない。獣のような四足歩行もいれば、鳥のような姿の魔物もいる。全てにおいて共通しているのはおぞましい姿だという事。
グランデル騎士隊長の力量を疑っているわけではないが、魔物の生態は現段階で謎に包まれている。そんな相手と闘って無事でいられるのかと酷く不安だった。しかし、このまま黙ってグランデルの帰りを待っていられない。何故加護石の効力が消えてしまったのか、少しでも情報を得なければ。そう思い、アメリーが村人に視線を送り――目を疑った。
何故なら、村人は下馬していた騎士の目を盗み、馬に飛び乗っていたからだ。突然飛び乗られた馬は驚いた様子で嘶き、前足を高く上げた。馬を盗まれた事に気が付いた騎士が慌てて奪い返そうと手綱に手を伸ばしたが、村人に足蹴りされてしまい、その場に尻餅をついてしまう。
村人はそのまま馬を走らせ、呆然と突っ立っているアメリーの腰をすれ違い様に片腕で掴んだ。その勢いで一瞬息が詰まったが、視界がぐるりと変わり、馬の立派な足が地を蹴っているのが見えた。どうやらアメリーはうつ伏せに馬に乗せられたようだ。村人が彼女の背中を片手で押えこんでいる。アメリーを支えるのは村人の片手だけなので、頭と両腕、両脚は宙ぶらりんの状態だった。
「きゃ―――!!」
「あ、アメルシア王女!」
自分が連れ去られたのだと気が付いたアメリーは絶叫した。そんな中、騎士のうろたえた声が微かに聞こえた。
乗馬している時とは全く違う、激しい揺れがアメリーを襲う。胃の中が逆流するような感覚を必死に耐え、アメリーは顔を上げた。
「ちょ、ちょっと下ろしてよ!」
「あんた、王族だな? 今日は王子が来ると聞いていたが…まあいい。黙って連れ去られろ」
「そんな事、出来るわけないじゃない!」
村人は林道では無く、林の中を無理矢理突っ切っていた。いつもの露出の多い服装だったら、木の葉や枝によって健康的な肌に切り傷が付いてしまっただろう。しかし、今回は白いローブを羽織り、アリソンの服を拝借している為、その心配はいらなかった。
連れ去られた後、どうなるか分からない状態だが、アメリーは冷静だった。自由奔放な彼女ではあるが、れっきとした王族の一人。アリソンの服の下に隠されていた金色の宝石の付いたブレスレットの感触を確かめる。きちんと装着されている事を確認して、アメリーの口元は弧を描いた。
「ねえ! 私を攫ってどうするつもり!?」
「…着けば分かる」
念の為、要求を聞いてみたが、村人は理由を話さず馬を走らせる。何か理由はありそうだが、そう易々と誘拐されるわけにはいかない。そろそろ止まらないと胃の中身が放出されそうな事もあり、アメリーはブレスレットの宝石を掴むと、馬に跨る男の太股にそれを押し付けた。
その瞬間――バチンッという電流の走る音が辺りに響く。
「!?」
その音と共に男の全身に電流が駆け巡った。男の目が上を向き、意識を失う。そのまま身体が大きく揺れ、力無く落馬してしまった。男によって押えられていたアメリーも一緒に落馬してしまったのだが、運良く男がクッションになってくれた為、怪我は無かった。
電流は馬にも届いたようで、その刺激に驚き、大きく嘶くと森の奥まで走り去ってしまった。
「いたたた…。護身用に持ってきておいて良かった」
白目を剥いて気絶する男の上で、頭を押えながらゆっくりと起き上がるアメリー。その手には金色の宝石が握られている。
彼女の持っている宝石は魔石。つまり、加護石と同じで魔力が込められた石である。王族により、使用出来る魔法が限られているのだが、スノーダウン家が継承している魔法は雷。王女であるアメリーも雷魔法が使える。
しかし、彼女の魔力はさほど強くないので、魔石を使って自分の魔力を増強する事が出来る。念の為と持ってきておいて正解だった。アメリーは胸を撫で下ろす。――しかし。
「……ここ何処?」
馬に振り落とされた場所は、先程まで通っていた林道とは雰囲気が違った。木々が鬱蒼としており、薄暗い。時折獣のような鳴き声が聞こえる。木をよく見れば、何かに切り裂かれたような傷跡が生々しく残っている。外なのに、息苦しい。木の葉がざわざわと揺れる様が生物のようで気味が悪い。アメリーは身震いをした。
「もしかして――魔物の、森?」
「――つまり、夜にアリソン様の部屋に忍び込み、睡眠薬を飲ませて、アリソン様に変装をした、と」
「あ、あはは。まさかこんなにうまくいくとは思わなかったけど…」
アメリーの外へ行きたいという思いはグランデルもよく知っていた。しかし、まさか王子に成り代わってまで外出をしようとは、さすがの騎士隊長も思わなかった。同行している騎士達もざわめいている。王子では無い人を連れて来てしまったのは、不測の事態だ。あと数分でググ村へ着くが、彼のするべき行動は決まっている。グランデルは手綱を引くと、馬に来た道を引き返すよう促す。
「…戻りましょう」
「だ、駄目だよグランデル! もう少しでググ村に着くんでしょ? 今から戻ったらググ村に加護石渡せる日が伸びちゃうよ?」
アメリーが焦った様子でグランデルを振り返る。しかし、彼の気持ちは変わらない。グランデルは表情を険しくさせて首を左右に振った。
「致し方ありません。ここにはアリソン様が来るべきです」
「で、でも――!」
せっかくここまで来たのに。――もう少しで、ググ村に行けたというのに。そんな思いからアメリーが反論しようとした時だった。
「ああ! あんたらグルト王国の遣いか!?」
突然林の中から一人の男が現れた。グランデルは瞬時に王女を庇うように彼女の身体を引き寄せたが、男の身なりを見て、すぐに警戒を解いた。
歳はグランデルと同じくらいだろうか。藍色の短髪に無精ひげの目立つ男だ。藍色で染められた服は、行き先の村人達が好む染色。――つまり、彼はググ村の男だった。男は汗だくで、身体のあちこちに切り傷があるところを見ると、焦って道無き道を進み、その途中で葉によって切れてしまったのだろう。男の様子は尋常では無かった。
「あなたは――ググ村の方ですね。何度かお会いした事が――」
「た、助けてくれ! 魔物が村に入り込んでしまったんだ!」
そして、彼の告げた言葉は、その場にいた者たちを驚愕させるのに充分だった。
「! …すぐに行きましょう。アメルシア王女はここで待機していてください。君、王女の護衛を頼む」
「はっ」
グランデルはアメリーを自分の馬から降ろすと、一人に王女の護衛を、残りの三人は共に村へ行くよう迅速に命令する。
「私も――!」
「いけません。魔物は危険なのです。村人が心配なのは分かりますが、私が魔物を殲滅してきます。それまでここでお待ちください」
ここ近辺に発生している魔物は、何故かあの魔物の森にしか寄りつかない。この林道から距離は遠くないのだが、ここで魔物が出現したという情報は無い。それを見越してのグランデルの判断だ。このままググ村へ行くより、ここで待機している方が安全だ。さすがのアメリーも理解したのか、唇を噛み締めてから軽く頷いた。
「…グランデル、皆、気を付けて」
アメリーがそう言うと、グランデルは微笑んでから馬を走らせた。その背中を、アメリーと騎士、村人は見えなくなるまで見送る。アメリーは妙な胸騒ぎを覚えていた。加護石の効力は、まだ消えていないはずだ。まさか、加護石の力が効かない魔物がいるのだろうか、と鞄を持つ手に力が入る。
アメリーは城下町の外へ出た事が無かったので、魔物がどういう姿をしているのかは、書物の挿絵でしか見た事がない。獣のような四足歩行もいれば、鳥のような姿の魔物もいる。全てにおいて共通しているのはおぞましい姿だという事。
グランデル騎士隊長の力量を疑っているわけではないが、魔物の生態は現段階で謎に包まれている。そんな相手と闘って無事でいられるのかと酷く不安だった。しかし、このまま黙ってグランデルの帰りを待っていられない。何故加護石の効力が消えてしまったのか、少しでも情報を得なければ。そう思い、アメリーが村人に視線を送り――目を疑った。
何故なら、村人は下馬していた騎士の目を盗み、馬に飛び乗っていたからだ。突然飛び乗られた馬は驚いた様子で嘶き、前足を高く上げた。馬を盗まれた事に気が付いた騎士が慌てて奪い返そうと手綱に手を伸ばしたが、村人に足蹴りされてしまい、その場に尻餅をついてしまう。
村人はそのまま馬を走らせ、呆然と突っ立っているアメリーの腰をすれ違い様に片腕で掴んだ。その勢いで一瞬息が詰まったが、視界がぐるりと変わり、馬の立派な足が地を蹴っているのが見えた。どうやらアメリーはうつ伏せに馬に乗せられたようだ。村人が彼女の背中を片手で押えこんでいる。アメリーを支えるのは村人の片手だけなので、頭と両腕、両脚は宙ぶらりんの状態だった。
「きゃ―――!!」
「あ、アメルシア王女!」
自分が連れ去られたのだと気が付いたアメリーは絶叫した。そんな中、騎士のうろたえた声が微かに聞こえた。
乗馬している時とは全く違う、激しい揺れがアメリーを襲う。胃の中が逆流するような感覚を必死に耐え、アメリーは顔を上げた。
「ちょ、ちょっと下ろしてよ!」
「あんた、王族だな? 今日は王子が来ると聞いていたが…まあいい。黙って連れ去られろ」
「そんな事、出来るわけないじゃない!」
村人は林道では無く、林の中を無理矢理突っ切っていた。いつもの露出の多い服装だったら、木の葉や枝によって健康的な肌に切り傷が付いてしまっただろう。しかし、今回は白いローブを羽織り、アリソンの服を拝借している為、その心配はいらなかった。
連れ去られた後、どうなるか分からない状態だが、アメリーは冷静だった。自由奔放な彼女ではあるが、れっきとした王族の一人。アリソンの服の下に隠されていた金色の宝石の付いたブレスレットの感触を確かめる。きちんと装着されている事を確認して、アメリーの口元は弧を描いた。
「ねえ! 私を攫ってどうするつもり!?」
「…着けば分かる」
念の為、要求を聞いてみたが、村人は理由を話さず馬を走らせる。何か理由はありそうだが、そう易々と誘拐されるわけにはいかない。そろそろ止まらないと胃の中身が放出されそうな事もあり、アメリーはブレスレットの宝石を掴むと、馬に跨る男の太股にそれを押し付けた。
その瞬間――バチンッという電流の走る音が辺りに響く。
「!?」
その音と共に男の全身に電流が駆け巡った。男の目が上を向き、意識を失う。そのまま身体が大きく揺れ、力無く落馬してしまった。男によって押えられていたアメリーも一緒に落馬してしまったのだが、運良く男がクッションになってくれた為、怪我は無かった。
電流は馬にも届いたようで、その刺激に驚き、大きく嘶くと森の奥まで走り去ってしまった。
「いたたた…。護身用に持ってきておいて良かった」
白目を剥いて気絶する男の上で、頭を押えながらゆっくりと起き上がるアメリー。その手には金色の宝石が握られている。
彼女の持っている宝石は魔石。つまり、加護石と同じで魔力が込められた石である。王族により、使用出来る魔法が限られているのだが、スノーダウン家が継承している魔法は雷。王女であるアメリーも雷魔法が使える。
しかし、彼女の魔力はさほど強くないので、魔石を使って自分の魔力を増強する事が出来る。念の為と持ってきておいて正解だった。アメリーは胸を撫で下ろす。――しかし。
「……ここ何処?」
馬に振り落とされた場所は、先程まで通っていた林道とは雰囲気が違った。木々が鬱蒼としており、薄暗い。時折獣のような鳴き声が聞こえる。木をよく見れば、何かに切り裂かれたような傷跡が生々しく残っている。外なのに、息苦しい。木の葉がざわざわと揺れる様が生物のようで気味が悪い。アメリーは身震いをした。
「もしかして――魔物の、森?」
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。
桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。
だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。
そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~
繭
ファンタジー
高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。
見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に
え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。
確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!?
ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・
気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。
誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!?
女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話
保険でR15
タイトル変更の可能性あり
誰にも愛されずに死んだ侯爵令嬢は一度だけ時間を遡る
月
ファンタジー
癒しの能力を持つコンフォート侯爵家の娘であるシアは、何年経っても能力の発現がなかった。
能力が発現しないせいで辛い思いをして過ごしていたが、ある日突然、フレイアという女性とその娘であるソフィアが侯爵家へとやって来た。
しかも、ソフィアは侯爵家の直系にしか使えないはずの能力を突然発現させた。
——それも、多くの使用人が見ている中で。
シアは侯爵家での肩身がますます狭くなっていった。
そして十八歳のある日、身に覚えのない罪で監獄に幽閉されてしまう。
父も、兄も、誰も会いに来てくれない。
生きる希望をなくしてしまったシアはフレイアから渡された毒を飲んで死んでしまう。
意識がなくなる前、会いたいと願った父と兄の姿が。
そして死んだはずなのに、十年前に時間が遡っていた。
一度目の人生も、二度目の人生も懸命に生きたシア。
自分の力を取り戻すため、家族に愛してもらうため、同じ過ちを繰り返さないようにまた"シアとして"生きていくと決意する。
倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~
乃神レンガ
ファンタジー
謎の白い空間で、神から異世界に送られることになった主人公。
二重取りの神授スキルを与えられ、その効果により追加でカード召喚術の神授スキルを手に入れる。
更にキャラクターメイキングのポイントも、二重取りによって他の人よりも倍手に入れることができた。
それにより主人公は、本来ポイント不足で選択できないデミゴッドの種族を選び、ジンという名前で異世界へと降り立つ。
異世界でジンは倒したモンスターをカード化して、最強の軍団を作ることを目標に、世界を放浪し始めた。
しかし次第に世界のルールを知り、争いへと巻き込まれていく。
国境門が数カ月に一度ランダムに他国と繋がる世界で、ジンは様々な選択を迫られるのであった。
果たしてジンの行きつく先は魔王か神か、それとも別の何かであろうか。
現在毎日更新中。
※この作品は『カクヨム』『ノベルアップ+』にも投稿されています。
転生貴族可愛い弟妹連れて開墾します!~弟妹は俺が育てる!~
桜月雪兎
ファンタジー
祖父に勘当された叔父の襲撃を受け、カイト・ランドール伯爵令息は幼い弟妹と幾人かの使用人たちを連れて領地の奥にある魔の森の隠れ家に逃げ込んだ。
両親は殺され、屋敷と人の住まう領地を乗っ取られてしまった。
しかし、カイトには前世の記憶が残っており、それを活用して魔の森の開墾をすることにした。
幼い弟妹をしっかりと育て、ランドール伯爵家を取り戻すために。
離縁された妻ですが、旦那様は本当の力を知らなかったようですね? 魔道具師として自立を目指します!
椿蛍
ファンタジー
【1章】
転生し、目覚めたら、旦那様から離縁されていた。
――そんなことってある?
私が転生したのは、落ちこぼれ魔道具師のサーラ。
彼女は結婚式当日、何者かの罠によって、氷の中に閉じ込められてしまった。
時を止めて眠ること十年。
彼女の魂は消滅し、肉体だけが残っていた。
「どうやって生活していくつもりかな?」
「ご心配なく。手に職を持ち、自立します」
「落ちこぼれの君が手に職? 無理だよ、無理! 現実を見つめたほうがいいよ?」
――後悔するのは、旦那様たちですよ?
【2章】
「もう一度、君を妃に迎えたい」
今まで私が魔道具師として働くのに反対で、散々嫌がらせをしてからの再プロポーズ。
再プロポーズ前にやるのは、信頼関係の再構築、まずは浮気の謝罪からでは……?
――まさか、うまくいくなんて、思ってませんよね?
【3章】
『サーラちゃん、婚約おめでとう!』
私がリアムの婚約者!?
リアムの妃の座を狙う四大公爵家の令嬢が現れ、突然の略奪宣言!
ライバル認定された私。
妃候補ふたたび――十年前と同じような状況になったけれど、犯人はもう一度現れるの?
リアムを貶めるための公爵の罠が、ヴィフレア王国の危機を招いて――
【その他】
※12月25日から3章スタート。初日2話、1日1話更新です。
※イラストは作成者様より、お借りして使用しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる