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オリギナ魔法学校
第十一話 学校生活スタート
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夜、クラウディアの部屋だ。俺の横でクラウディアが「なんで私がこんな目に……、こんな目に……」とぶつぶつ言いながらベッドに寝ている。
ことの顛末はこうだ。俺がこの学校のごく平凡な一日を知るためにクラウディアに今日から密着した。こうすれば明日の朝いつから起きて、どのくらい頑張ればいいかはっきりわかる。朝の最初から最後まで一緒に行動するためなのだ。
そのために用意された個室も断った。俺はこのクラウディアの一日を知りたい。密着して隅から隅まで余さず体験しないと俺がこの学校に耐えられるかわからないのだ。
「ぶつぶつうるさいぞ。もう顔を叩くことはないから安心しろ。寝るんだから寝ろよ」
クラウディアがうるさいのは一緒に寝たときに寝起きで顔を叩いたことがあるからだ。二人ともあの時は鼻血が止まらなくて散々だった。
ドラフトで苦労していたころを思い出す。鼻血を出した後は二人とも別々に寝ていた。それにあの時は疲れていたしクラウディアを意識することがなかった。
今は背中があったかい。ポカポカでいい気分だ。これならすぐにねむれるだろう……
……
眠る。眠る。眠る。
何度考えても眠れない。背中に爆弾を背負っている感覚だ。ドラフトで彼の扱いには慣れたつもりなのだが……逆に脅威を理解しているために本能的に警戒が解けない。
しばらくして背中越しに寝息が聞こえ始めた。
ああ、全く。この次期魔界王は、私が聖剣を持っていることも忘れているんじゃないだろうか? 今寝込みを襲われたらいったいどんな言い訳をする気なのだろう?
ため息が出る。この状況では下手に寝返りもうてない。起こしたら起こしたで面倒なことになるのは目に見えている。
結局寝付けないまま朝の鐘をきくことになるだろう。
ああ、クソ、水を飲んでおくんだった。ああ、それにこいつの着替えは? 私はこいつの世話係じゃないのに……。
明日の苦労が確定していることが恨めしい。それに体力を蓄えたいのに寝付けない。
クラウディアは最後の手段で自分に“カウントシープ”を使って無理やり夢の世界に落ちていった。
ことの顛末はこうだ。俺がこの学校のごく平凡な一日を知るためにクラウディアに今日から密着した。こうすれば明日の朝いつから起きて、どのくらい頑張ればいいかはっきりわかる。朝の最初から最後まで一緒に行動するためなのだ。
そのために用意された個室も断った。俺はこのクラウディアの一日を知りたい。密着して隅から隅まで余さず体験しないと俺がこの学校に耐えられるかわからないのだ。
「ぶつぶつうるさいぞ。もう顔を叩くことはないから安心しろ。寝るんだから寝ろよ」
クラウディアがうるさいのは一緒に寝たときに寝起きで顔を叩いたことがあるからだ。二人ともあの時は鼻血が止まらなくて散々だった。
ドラフトで苦労していたころを思い出す。鼻血を出した後は二人とも別々に寝ていた。それにあの時は疲れていたしクラウディアを意識することがなかった。
今は背中があったかい。ポカポカでいい気分だ。これならすぐにねむれるだろう……
……
眠る。眠る。眠る。
何度考えても眠れない。背中に爆弾を背負っている感覚だ。ドラフトで彼の扱いには慣れたつもりなのだが……逆に脅威を理解しているために本能的に警戒が解けない。
しばらくして背中越しに寝息が聞こえ始めた。
ああ、全く。この次期魔界王は、私が聖剣を持っていることも忘れているんじゃないだろうか? 今寝込みを襲われたらいったいどんな言い訳をする気なのだろう?
ため息が出る。この状況では下手に寝返りもうてない。起こしたら起こしたで面倒なことになるのは目に見えている。
結局寝付けないまま朝の鐘をきくことになるだろう。
ああ、クソ、水を飲んでおくんだった。ああ、それにこいつの着替えは? 私はこいつの世話係じゃないのに……。
明日の苦労が確定していることが恨めしい。それに体力を蓄えたいのに寝付けない。
クラウディアは最後の手段で自分に“カウントシープ”を使って無理やり夢の世界に落ちていった。
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