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第2章 異界と異形
遺品獲得
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この日もレベル上げをするために森の中を探索していると、廃墟らしき建物を見つけた。
「?……俺の記憶違いか?」
ここで亮太はこの廃墟を不自然だと感じた。
廃墟自体が不自然なのではなく、ここにあることが不自然なのだ。この場所には今までも通ったことがあるが、その時は廃墟などなかった。
記憶違いだとも思ったが、自身の記憶力には自信があるのでそれは有り得ない。
怪しさ満点ではあるが、この世界に関する手がかりがあるかも知れないので警戒しながら中へと入る。
その廃墟は人が住んでいた痕跡はあるが、それは数十年以上前のことであると容易に分かるほど荒れ果てていた。
中の棚には本らしきものが並べられていたがボロボロで読むことは叶わなかった。
他に何かないかと色々なものをステータスプレートにかざしていくと気になるものが2つあった。
「…拡張袋と漆黒の外套?」
見た目は普通の巾着袋と黒い外套だ。
拡張袋
アイテムボックスとも呼ばれ、様々な形のものがある。中の空間が拡張されており、見た目よりも多くのものが入るが、生物は入れることができない。この拡張袋は入る上限はなく、袋の中は時が止まっているため生ものを入れても腐らない最高級品。
漆黒の外套
黒竜の鱗から作られた外套。温度調整、自動修復、治癒の効果がある。また、色を任意で変えることができる。
「…おいおい…運良すぎるだろ…かなり高性能だな」
思わぬ収穫を得たが鍛治師である亮太にとってはこんな凄い物まで作れるのかと衝撃で、先は長いなと感じていた。
廃墟を出ようとしたが、入り口近くに床下収納を見つけ、開けてみると中にはバスケットボールサイズの黒と銀の塊が2つ入っていた。
ステータスプレートにかざしてみると亮太は目を見開いた。
アダマンタイト
最高の硬度を誇る鉱石。加工はとても難しいがアダマンタイトで作られた物は決して壊れることがないと言われている。
オリハルコン
伝説の超合金で魔力発現体である。その硬さと魔力伝達率は最高の性能を誇る。多くの伝説の武具はこの超合金で作られている。
「……俺って神にでも好かれてるのか?」
余りの運の良さは自身でも呆れてしまうほどだ。
称号の幸運の効果なのかもしれない。
「魔力発現体…恐らく魔力を生み出すってことなんだろうが…それよりもここに住んでた奴は何者なんだ?……まぁ考えても仕方ないか」
廃墟を後にし、洞窟に戻ってからはしばらくレベル上げに勤しんだ。拠点近くの魔物を苦戦する事なく倒せる様になることが目標だ。
そうしてしばらく日数が経過したある日、亮太は未だ未踏の地に行くための準備を始めた。
なぜ未踏の地に行くのか。
それは最近拠点近くに出る魔物を楽に倒せる様になったと同時にレベルが上がりづらくなったからだ。
確かに亮太は自身でも驚くほど強くなった。
だがあの黒いドラゴンにはまだ遠く及ばない。
あの姿を思い出すだけで恐怖が蘇り息がし辛くなるのだ。
まずはこの恐怖を乗り越えられるほど強くならなければならない。
そのために新たな地へと踏み出し、さらなるレベルアップを図る。
どの方角に向かうかはずっと前から決まっていた。
亮太は自身の腹部を見下ろす。
そこには未だ痛々しい傷跡が残っていた。
そう…今から行く地はあの熊がいた方角だ。
正確には未踏ではなく一度行った場所だが。
「今の俺なら勝てるはずだ…」
亮太はそう思っていた。
根拠はない。ただ生存本能がそう告げているだけ。
出発の準備は洞窟内にあった荷物を全て拡張袋に入れるだけで済むので直ぐに終わった。
もうこの洞窟に戻る気はないので、この近くで取れる素材は根こそぎ採取した。
同じ森の中とはいえ、同じものがどこでも取れると言うわけではないだろうと考えたからだ。
「さて…行くか…」
亮太はしっかりとした足取りであの嫌な思い出の地へと歩き出す。
「?……俺の記憶違いか?」
ここで亮太はこの廃墟を不自然だと感じた。
廃墟自体が不自然なのではなく、ここにあることが不自然なのだ。この場所には今までも通ったことがあるが、その時は廃墟などなかった。
記憶違いだとも思ったが、自身の記憶力には自信があるのでそれは有り得ない。
怪しさ満点ではあるが、この世界に関する手がかりがあるかも知れないので警戒しながら中へと入る。
その廃墟は人が住んでいた痕跡はあるが、それは数十年以上前のことであると容易に分かるほど荒れ果てていた。
中の棚には本らしきものが並べられていたがボロボロで読むことは叶わなかった。
他に何かないかと色々なものをステータスプレートにかざしていくと気になるものが2つあった。
「…拡張袋と漆黒の外套?」
見た目は普通の巾着袋と黒い外套だ。
拡張袋
アイテムボックスとも呼ばれ、様々な形のものがある。中の空間が拡張されており、見た目よりも多くのものが入るが、生物は入れることができない。この拡張袋は入る上限はなく、袋の中は時が止まっているため生ものを入れても腐らない最高級品。
漆黒の外套
黒竜の鱗から作られた外套。温度調整、自動修復、治癒の効果がある。また、色を任意で変えることができる。
「…おいおい…運良すぎるだろ…かなり高性能だな」
思わぬ収穫を得たが鍛治師である亮太にとってはこんな凄い物まで作れるのかと衝撃で、先は長いなと感じていた。
廃墟を出ようとしたが、入り口近くに床下収納を見つけ、開けてみると中にはバスケットボールサイズの黒と銀の塊が2つ入っていた。
ステータスプレートにかざしてみると亮太は目を見開いた。
アダマンタイト
最高の硬度を誇る鉱石。加工はとても難しいがアダマンタイトで作られた物は決して壊れることがないと言われている。
オリハルコン
伝説の超合金で魔力発現体である。その硬さと魔力伝達率は最高の性能を誇る。多くの伝説の武具はこの超合金で作られている。
「……俺って神にでも好かれてるのか?」
余りの運の良さは自身でも呆れてしまうほどだ。
称号の幸運の効果なのかもしれない。
「魔力発現体…恐らく魔力を生み出すってことなんだろうが…それよりもここに住んでた奴は何者なんだ?……まぁ考えても仕方ないか」
廃墟を後にし、洞窟に戻ってからはしばらくレベル上げに勤しんだ。拠点近くの魔物を苦戦する事なく倒せる様になることが目標だ。
そうしてしばらく日数が経過したある日、亮太は未だ未踏の地に行くための準備を始めた。
なぜ未踏の地に行くのか。
それは最近拠点近くに出る魔物を楽に倒せる様になったと同時にレベルが上がりづらくなったからだ。
確かに亮太は自身でも驚くほど強くなった。
だがあの黒いドラゴンにはまだ遠く及ばない。
あの姿を思い出すだけで恐怖が蘇り息がし辛くなるのだ。
まずはこの恐怖を乗り越えられるほど強くならなければならない。
そのために新たな地へと踏み出し、さらなるレベルアップを図る。
どの方角に向かうかはずっと前から決まっていた。
亮太は自身の腹部を見下ろす。
そこには未だ痛々しい傷跡が残っていた。
そう…今から行く地はあの熊がいた方角だ。
正確には未踏ではなく一度行った場所だが。
「今の俺なら勝てるはずだ…」
亮太はそう思っていた。
根拠はない。ただ生存本能がそう告げているだけ。
出発の準備は洞窟内にあった荷物を全て拡張袋に入れるだけで済むので直ぐに終わった。
もうこの洞窟に戻る気はないので、この近くで取れる素材は根こそぎ採取した。
同じ森の中とはいえ、同じものがどこでも取れると言うわけではないだろうと考えたからだ。
「さて…行くか…」
亮太はしっかりとした足取りであの嫌な思い出の地へと歩き出す。
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