俺が、恋人だから

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『走る』

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「椿。麺、のびるよ」

ここは名古屋民がスガキヤと同じくらい愛する有名人気ラーメン店、『ラーメン福福』。
もやしとネギがこれでもかと盛られたラーメン(700円)は背脂醤油のあっさりスープ、つるしこの中太麺、脂身がほぼない薄くさっぱりチャーシューという完璧な布陣だ。
部活帰りに空腹モンスターと化した嵐と椿がよく寄る店のひとつでもあった。
麺硬め、野菜多め(デフォルトでも多いのだがもっと大盛りにできる)で、注文。
ボリューミーかと思いきや野菜が多いだけなのにガツガツ完食しても1時間後にはお腹が空いてくるのがちょうどよい。家で母がつくってくれている夕飯もしっかりと食べられるのだ。
そんなラーメン福福のカウンターのみの店内で、嵐は隣に座る親友の箸の進みがあまりに遅いことに苦い気持ちになり、とうとう声をかけた。
椿はハッとしたようすで嵐をみる。「聞いていなかった」と顔に書いてあった。

「麺、のびる。もやしとネギちょっと落ちてるし」

福福のラーメンは野菜がほんとうに山盛りなので、箸の使い方に気を付けないとどんぶりの周辺が酷い状態になるのだ。
そんなこと、何度も来ている椿はわかっているはずなのに。

「ごめん。食べるのに集中するわ」

あ、苦笑。
本を読んでいるときたまに出てくる言葉。
苦い笑いってなんだよと思っていた嵐だったが、まさに今、親友が浮かべた表情はそれだろうとまじまじ見つめる。
椿は苦笑のままで店のティッシュを2枚しゅしゅっと引き抜く。どんぶりのまわりに散らばったネギやもやしをさっと集めた。そうしてやっと箸を持ちなおし、もやしと麺を口に運ぶ。
部活後の、超絶空腹状態でのラーメン福福は最高だ。
ひとくちひとくちが天国みたいだって言いながら笑顔で食べるのがいつものふたりだったのに、今日は、苦笑。
苦い笑い。
もやしのシャキシャキも、麺の絶妙なのどごしも、スープのしっかりとした味なのにあっさりと感じるからごくごく飲んでしまうおいしさも、椿をちゃんとした笑顔にはしてくれない。

「……嵐、」

椿が箸をとんぶりのふちに置いた。
苦さだけ残して笑みを消してしまった顔で嵐を見てくる。
その視線だけでもう嵐には椿が何を言いたいのか正直わかってしまった。
でも、信じられないから一応言葉を待って「なに?」と返す。

「なんか、……今日、全部食べれないかも。手伝える?」

なんということだ……。
はじめてラーメン福福に来たのは今から5年前。
ふたりが小学6年生のときだった。
椿の両親と、嵐と、椿の4人で来た。
そのときから一度だって、椿はラーメンをもやし一本すら残さずきれいに食べていたというのに……。
嵐は衝撃を受けながらもすでに半分以上減っている自分の丼を、椿のほうへスッと寄せた。

「くれる分、いれな。オレが全部でも食べてやるから」

わざとニカッと歯を見せて笑いかける。
このやりとりが重くならないように。

「ん。ありがと」
「食欲ないのに誘って、ごめんな」

ゆるゆると横に振られた椿の顔に笑みが戻ってくる。でも、苦さはそのまま。つまり、苦笑だ。
椿はラーメンも、もやしもネギもほどんとを嵐のどんぶりに移した。そうしてほんの少しの残りをすぐに食べ終えると、あとはもう嵐が食べている間、カウンター内側の厨房でせっせと働く店員をぼんやりとみつめていた。



お互いの家の灯りが見える場所で椿と別れる。
小学校でも、中学校でも、そして高校2年生になった今でも毎日のやりとりだ。

「ただいま」

玄関で靴を脱ぎながら言うとすぐに母から「おかえり」「おつかれ」「お風呂沸いてるよ」という言葉が返ってきた。
玄関に部活の鞄は置きっぱなしで風呂に直行する。
湯舟はオレンジ色。
柑橘系の甘い香り。
疲れきった全身を浸すと、少しだけ湯が浴槽からあふれる。

「あー……」

声まじりの深い吐息がこぼれた。
湯を両手ですくって顔にかける。1回、2回。
浴槽に後頭部をあずけ天井に向けてふーっと息を吐いた。
頭に浮かぶのは大切な親友のこと。
椿の苦笑の理由。
椿の恋。
椿と、椿の恋人の……違う、訂正する。“元”恋人だ。
綾野椿と守山平和の恋人関係は、守山平和の浮気で昨日終わったのだから。
雨の日の学校の渡り廊下で。
嵐はひとつの恋の酷い終わりを、胸をずきずきと痛めながら見ていた。
椿は自分が恋した人の不誠実さのなかに、欠片でもいいから誠実さを探そうとしていた。そんな椿の言葉に始終無言をつらぬいた平和への怒りがずっとおさまらない。別れ話のあと、まだ授業があるのに鞄を手にふらふらと学校を出た平和を嵐は激情のままに追いかけた。だって答えがほしかった。どうして。どうしたら。どういう人間だったら椿の恋心を簡単に裏切れるのか。
最初から椿のことを好きじゃなかったのかと聞いた嵐に平和は言った。
ちゃんと、綾野のことが好きだ──と。
だったらどうしてと詰問したけれど、結局平和は逃げるように去ってしまった。嵐が貸してあげた傘も校門にぶらさがっていた。
びしょ濡れで帰るなんて。
まるで平和のほうが傷ついたみたいだ。
恋人に裏切られてショックを受けたのは椿のほうなのに。
そして平和は今日、学校を休んだ。
嵐としては、(ああ、逃げたな)と思った。
椿は教室に入り平和の不在を知った瞬間からずっと落ち込んでいた。放課──名古屋では『休み時間』の意──のたびに悲愴な顔でスマホを見ていたので嵐はつい「連絡するなよ」と言ってしまった。椿は「わかってる」と笑っていた。苦い笑いだ。
連絡を制限する権利が自分にはないことくらいわかっている。
けれど、平和の思うつぼは嫌だ。
浮気したのは自分のくせに悲劇のヒロインぶって。
椿の許しを待っているに違いない。
ずるい。
そんなずるい恋は、汚い。
自分の親友がそんな汚いものに巻き込まれるのは耐えがたかった。
嵐はむんっと息を止めて湯の中にもぐる。
頭のてっぺんまでしっかりと浸しながら、いち、に、と数を数える。じゅうまで辿り着いたところで「ぷはっ」と湯から顔をだした。顔の水滴をぬぐいながら深い呼吸をする。
明日、平和が学校に来たらどうしようか。
とりあえず椿には近づかせない。
椿が平和に近づこうとするのも阻止しなければならない。
同じクラスで、狭い教室で、どこまで自分が椿を守れるかわからないけれど、がんばろう。
そう心に決めた嵐はもう平和のことを考えるのをやめることにした。
嫌なことで自分の心や頭のなかをいっぱいにするのは好きじゃない。
今でも交流がある、尊敬しているミニバスのコーチも言っていた。
どんな時も目の前のことに集中しろ、と。

「うん。守山くんの対処は決まった。椿はオレが傍にいれば絶対に元気を取り戻す。うん。よし!」

ざばっと勢いよく湯舟からあがる。
嵐はもう平和のことを考えない。
浮気をするような最悪な人間に、せっかくのリラックスタイムを邪魔されたくない。
気持ちを切り替え、しっかり頭と身体を洗い、さっぱりで風呂を出て、がっつり母の料理を食べ、ぐっすりと眠るのだった。



翌日。
平和とは違いどれだけ心がしんどくても学校も部活も休まない椿と朝練に励み、やや戦闘態勢で教室に向かうと平和はまた来ていなかった。
隣で椿が複雑そうに視線をふせる。
長年一緒にいるから何を考えているのか言葉がなくともわかってしまう。
平和に会いたくないし、会いたいのだろう。
恋って順調だと心の栄養剤になるけれど、不調だとやっかいな毒薬にもなるようだ。
誰かを本気で好きになったことがない嵐にはわからない。
でも、椿が辛いのは伝わってきてまた胸がずきずきした。
本鈴が鳴っても空席のままの平和の席を睨みながら、嵐は決意する。
自分は絶対に浮気をするような人間とは恋をしないと。
どれだけいい子でも、過去に浮気の経験がある子は恋愛対象から除外しよう。……それにしても、平和は休むことを学校にちゃんと連絡しているんだろうか。一人暮らしであることは椿から少し聞いている。複雑な家庭環境かもしれないということも。

(このまま来なくて……退学とか、ないよな)
(いや、いっそ退学してくれたほうがいいのかも。椿もふっきれるだろうし)
(……でも、なにも辞めることはないよな)

高校という狭い世界には他にも別れた人たちが存在する。
同じクラスの元カップルだっている。
男のほうはバスケ部だ。「いろいろ喧嘩もしたけど、時間経ったらもう平気」と笑って話していた。
椿も、そうなってほしい。
……平和だって。
自分のやったことを後悔して、成長して、次の恋人は大切にしてほしい。大事な椿を傷つけられてすごくむかついているけれど。でも、平和に不幸になってほしいとは思わない。ちゃんと反省して、まともな人間になって、もう二度と椿を苦しめなかったらそれでいいのだ。
椿はその日も何度もスマホを見ていた。
嵐は何度か「連絡するなよ」と注意した。
その度に椿は「わかってる。しないよ」としょんぼりした苦笑で返してきた。





「あっ」

と、声を出したときにはもう目の前で椿の顔面に鮮血が散っていた。

「椿……っ!」

思いっきり正面から顔面でボールを受けたのだ。
体育館内が騒然となる。
コートにいた全員が駆けつけるが椿にふれるのは嵐だけだ。

「目か!?」
「や、鼻」

嵐は椿の顎先を掴んだ。信頼しかない間柄だ。椿は素直に従って、顔を押さえていた手を外す。嵐は真剣に椿の顔面を検める。

「うん、鼻血だ。けど量がすごい」
「ごめん。集中してなくてボール見てなかった」
「マネージャー、ティッシュ! あと氷嚢!」

コーチが叫ぶ。
椿は血まみれの顔にまた苦笑を浮かべている。
汗と、血のにおいが嵐の鼻をツンッとさせる。
マネージャーが持ってきたティッシュがあっという間に真っ赤に染まっていく。
それを見ながら嵐は、あることを決意した。





お互いの家の灯りが見える場所で、いつもの挨拶をかわす。

「じゃあね」
「うん、また明日。──あ。嵐」
「ん?」
「飯のあと、走る?」
「あんだけ鼻血だして何言ってんだよ。今日はレバー食って、よく寝ろ」
「大袈裟。すぐ止まったでしょ」
「今日はダメ。明日の朝。6時に待ち合わせは?」
「……わかった。雨だったら、」
「7時」
「うん」

椿が背を向けたのを見送り、嵐も自分の家へ向かう。
玄関に入り、靴は脱がないまま荷物を置いた。
リビングから母の「おかえりー」という声が聞こえる。その後に続く言葉を知っていたけど今日はさえぎらなければ。

「ちょっと運動足りないから走ってくる!」

叫ぶとすぐに「気を付けてねー」とゆるい承諾が聞こえた。
嵐を信頼しきっている母に嘘はつきたくない。
ふたたび外に出て、ちょっと屈伸をしてから走りだす。
夜風はもったりと湿気ている。
今日は曇っていた。
明日はまた雨だ。
嵐は走るスピードをあげる。
目的地は決まっていた。



(ここ……だな。うん)

夜の住宅街を走って、踏切りでだけ一度止まって、また走った。ひたすらに走った。
そうして辿り着いたのは少し前に来たアパート。
釣りのあと、椿と来た。
平和の家だ。
魚を受けとった平和が部屋に入るまで見送ったので何号室かは知っている。
嵐は2階の西側の角部屋の窓を見上げた。灯りがついている。よし。呼吸を整え、階段を駆け上がり、ドアの前に仁王立ち。
ピンポーン。
……出てこない。
ピンポーン。
まだ出てこない。
嵐は一度階段をおり、アパートの外に出た。2階の西側の角部屋の窓を見る。暗くなっている。インターホンの音で灯りを消した。ということは在宅だ。
もう一度階段を駆け上がり、インターホンを押す。
ピンポーン。ピンポンピンポンピンポン。
出ない。帰る気はない。
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピン…──ドアの向こう側で物音がした。チェーンと鍵を開ける音。ドアノブが回って、平和が姿を見せる。

「──、守山くん……」

ちょっと息を呑んで、すぐにほとんどが吐息みたいな声で彼の名を呼んでいた。
あまりに顔色が悪くみえる。
前に椿と見たホラー映画に出ていた幽霊みたいだ。
平和は嵐の呼びかけには答えず、ぼんやりと視線を横に流した。
あ、と察する。
嵐のうしろに誰かいるんじゃないかと、椿がいるんじゃないかと期待していたのだ。
図々しいな、と思ってしまう。
そうだ。嵐は平和に怒っているのだ。
でも椿があまりに調子が悪そうなので、平和はただのずる休みだったと報告するために確かめに来たのだ。
嵐は顔に力をいれて、非友好的な表情を意識する。

「椿はいないよ」

きっぱりと言ってやる。すると平和はやっと嵐を見た。
そうして、口の端をほんの少しだけもちあげる。

「綾野が来るって、思ってないよ」

嘘つけ!
今、期待した目で探していたくせに。
浮気しておいて。
浮気しておいて!
平和に対しての感情の9割は怒りとか嫌悪とかの黒いものだ。どろどろと心にはびこっている。
……まあ、けれど。
1割ほどはやっぱり顔色の悪さや声の元気のなさへの心配……いや、不安だった。
共有スペースの灯りがあるので、暗いからそう見えるのではない。
話す感じからもほんとうに体調が悪そうだと伝わってくる。
平和は一昨日、大雨のなか嵐の傘を置いて帰っていった。

「守山くん、かなり酷い顔色だけど……熱とか、」
「ないよ。夏バテなだけだから。……もういい? じゃあね」

もういいと聞いておきながらさっさと顔を背けてドアを閉めようとした平和が、「っ、」と呼吸を詰まらせてよろめいた。
嵐は咄嗟に片手でドアを掴み、もう片方の腕では平和の背中を支える。
けれど。
あまりに重量を感じない。
ぞわりと肌が総毛立つ。

「っ……ごめん。腕、大丈夫?」

ふらふらしながら嵐から離れた平和の言葉に呆然とする。
いったい誰が誰の心配をしているんだろう。
嵐の腕を?
親戚の赤ちゃんですらもっと重量があった気がする。
衝撃と衝動にあらがえず平和の腕を掴んだ。
ビクッと怯えたような反応。
そんなことより、すごく冷たい。細い。冷たい!

「守山くん、病院行こ。救急なら受付けてくれるから」
「えっ、いや……」
「救急車呼ぶ」
「えっ!?」
「顔色やばすぎるし、体温めちゃくちゃ低い。そのうえふらついてるとか、食事ちゃんとしてないでしょ。今すぐ一緒に病院行かないなら、救急車呼ぶ」
「あ……」
「病院行くなら、オレの兄ちゃんが車だしてくれるから。いい? いいね。わかった。じゃあとりあえず家の中に入れて。兄ちゃんに連絡するから」

立っているのがしんどそうな平和の腕を押し込むようにして、嵐はかなり強引に家の中に入った。
ドアを閉めると、途端に暗い。
灯りのスイッチに伸ばそうとした腕を弱い力で掴まれる。

「嵐くん、……大丈夫だから」

掠れた声。大丈夫な人の声じゃない。それに。

「オレが大丈夫じゃない。このまま帰って、守山くんが死んだりしたら最悪すぎる。椿だって守山くんをきちんと忘れられなくなる」

腕を掴まれたままだったけど弱すぎる力に抑止力はなく嵐は灯りをつけた。
ぱっと一瞬で明るくなる。
平和の顔は思ったより近くにあった。

「──!」

嵐は息を呑んだ。
平和の両目から、大粒の涙がたくさんこぼれ落ちていたから。

「守山くん……?」

泣いているのに、平和はちょっと笑う。

「嵐くんのいうとおりだね」

あまりにも悲しそうな声だった。
胸がずきずきと痛む。
嵐はもう、何も言えなかった。
電話を受けた兄はすぐに来てくれた。
嵐はふらふらの平和をしっかりと支えながら、大学病院へと向かった。
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